日本のYouTuber

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日本のYouTuberは日本におけるYouTuberYouTubeでの動画配信者)のことである。

歴史[編集]

2005年2月14日YouTube設立以前よりMEGWIN、かんち(現・バーグハンバーグバーグ社員)らによるビデオブログの投稿自体は存在していた。[1][2]

2006年、HIKAKINがYouTubeチャンネルを開設する。2010年、HIKAKINがSuper Mario Beatboxで注目を浴びる。

2011年6月、日本でYouTubeパートナーフォーラムが開催される。

元々、日本のYouTubeではミュージックビデオなどが中心となっておりビデオブロガーは少なかったため、2012年Googleがデジタルハリウッド大学と手を組んで「YouTube NextUp-Japan 2012」プログラムを行いビデオブロガーを支援する[3][4][5]。支援を受けたビデオブロガーには瀬戸弘司ABTV Networkochikeronらが居る[3]

2013年、HIKAKINらによりON SALEが設立され[6]、ON SALEは同年12月に前述のHIKAKIN、瀬戸弘司のほかジェット☆ダイスケ佐々木あさひらの所属するYouTuberのマネジメントプロダクション uuumを開設する[7]。翌2014年、ON SALEは社名もUUUMへと変更する。

2015年、ショート動画向けプロダクション VAZが設立される[8]が、VAZはYouTuberのマネージメントも開始し、ヒカルらが所属する。2017年、VAZ所属のヒカルらにより擬似株式のVALU騒動が起きる[9]

同2017年、中高生の将来なりたい職業にYouTuberがランクインする[10]

2021年、YouTubeは急成長したショート動画サービス TikTokへの対抗としてショート動画のYouTube ショート英語版を開始し、2023年にはショート動画にも広告収益の分配を開始する[11]。同2023年、UUUMがショート動画によって大赤字となる[12]

キッズ系YouTuber[編集]

2020年、キッズラインのチャンネル登録者数が1000万人を超えた[13]。1つ当たりの再生数が少なく登録者購入疑惑が起きるも、動画の数が多く総再生数は高いとされる[13]。また同年に行われたNHK世論調査部の「2020年6月WEB幼児視聴率調査」ではインターネット動画のトップ10にHIMAWARIちゃんねるがランクインした[14]

バーチャルYouTuber[編集]

迷惑系YouTuber[編集]

日本では2015年頃より騒動を起こして再生数を稼ぐ迷惑系YouTuberが過激化し問題となった[15]。警察沙汰となるケースも増え、チャンネルが停止されるケースも出てきている[16]

2015年、東京都のスーパーマーケットスナック菓子に爪楊枝を入れようとしたりコンビニエンスストアペットボトル万引き偽装をした少年が建造物侵入罪で逮捕されるつまようじ少年事件が起き[17][18]、模倣犯も登場した。

2017年、三重県のヤマト運輸チェーンソーを使って従業員を恐喝したYouTuberが暴力行為等処罰法で逮捕された[19][17]

2018年、福井市の交番前で白い粉の袋を落として警察官の本来の公務を妨害したYouTuberが業務妨害罪で逮捕された[17][20][21]


2023年、広島サミットに向けたテロ対策訓練において陸上自衛隊の敷地に侵入する迷惑系YouTuberを想定した訓練が行われた[22]

私人逮捕系YouTuber[編集]

私人逮捕系YouTuberは私人逮捕する様子をコンテンツとするYouTuberであり、世直し系パトロール系とも呼ばれている[23][24]

2023年、私人逮捕系YouTuberが名誉毀損の疑いで逮捕され話題となった[24]。別の私人逮捕系YouTuberのチャンネル収益化の停止も起きている[25]

前提として、私人逮捕には厳しい制約があり、警察官ではない素人がそれを専門として(ましてや動画収益を目的として)積極的に行えるようなものではないことに注意する必要がある[26]。また、私人逮捕系YouTuberが行っているような、犯罪を未然に防ぐのではなく、敢えて犯罪が起きるまで待ってから私人逮捕を行う方法も、本来の私人逮捕運用から外れている(刑法を悪用している)ことになるため大きな問題がある[27]

不謹慎系YouTuber[編集]

不謹慎系YouTuberは故人の身内や事件の犯人などを自称し[28][29]天邪鬼(ネットスラングで逆張り)な主張を行うとされ[29]逆張り系とも呼ばれている[29]

不謹慎系はYouTubeが流行る前のニコニコ動画が流行の時代から存在していた[29]が、増えたのは2019年の首里城の火災以降とされる[28][29]

暴露系YouTuber[編集]

日本のYouTuberの一覧[編集]

関連雑誌[編集]

  • 『YouTuberマガジン』講談社

日本のYouTuberをテーマにした作品[編集]


脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ https://hatawarawide.jp/wakatejidai/20210312-1/
  2. ^ https://web.archive.org/web/20070316000452/http://www.hederu.com/?month=200501
  3. ^ a b 『WIRED VOL.8 GQ JAPAN.2013年7月号増刊』 p.19 コンデナスト・ジャパン 2013年06月10日
  4. ^ 『YouTube NextUp 2012』プログラム選抜者16組が決定!クリエイター支援プログラムの一環である『クリエイターキャンプ』にデジタルハリウッドがカリキュラム提供 PRTimes 2012年11月21日
  5. ^ YouTube が動画クリエイターを支援。「YouTube NextUp」プログラム、対象者決定! Google 2012年11月21日
  6. ^ ヒカキンなど人気YouTuberを擁する...UUUM社員の平均給与はいくら? 気になる業績推移や平均勤続年数もチェック! J-CAST 2023年1月19日
  7. ^ 業界初 YouTuber向けのマネジメントプロダクション「uuum(ウーム)」を開設 PRTimes 2013年11月15日
  8. ^ ショート動画特化クリエーター向けプロダクション「VAZ」株式会社サイバーエージェントベンチャーズ、株式会社アドウェイズに出資を受け設立 PRTimes 2015年11月20日
  9. ^ YouTuberヒカルの「VALU大炎上」とは何だったのか ヒカルがTwitterで経緯説明、暴落したVAは最高値で買い戻すと謝罪 ITmedia 2017年8月17日
  10. ^ 中高生のなりたい職業、男子はITエンジニア・女子は芸能人が人気 「YouTuber」は年齢による違いも ITmedia 2017年5月2日
  11. ^ YouTubeショート、広告による収益化が2月1日にスタート ITmedia 2023年1月10日
  12. ^ 創業10年のUUUMが10億円超の大赤字に沈んだ根本原因 会社四季報 2023年7月20日
  13. ^ a b キッズライン、登録者購入疑惑に「全て提訴」と怒り…本当に“ヒカキン以上”か、分析続々 ビジネスジャーナル 2020年8月12日
  14. ^ 幼児コンテンツ視聴の実態を把握する新たな試み〜2020年6月WEB幼児視聴率調査から〜 p.48 NHK 2021年5月1日
  15. ^ ワタナベマホト、へずまりゅう、YouTuberの“質”の低下で問われる「見る側の意識」 p.2 週刊女性PRIME 2021年1月28日
  16. ^ ワタナベマホト、へずまりゅう、YouTuberの“質”の低下で問われる「見る側の意識」 p.3 週刊女性PRIME 2021年1月28日
  17. ^ a b c 「迷惑系YouTuber」逮捕されても反省しない理由 山口県知事も激怒「へずまりゅう」とは何者か p.3 東洋経済オンライン 2020年7月18日
  18. ^ つまようじ混入、19歳少年を身柄確保 滋賀県内で ITmedia 2015年1月18日
  19. ^ 今度は“チェーンソー振り回し男”――「ユーチューバーなめとったらあかんぞ」とヤマト従業員を脅した男を逮捕 ITmedia 2017年1月6日
  20. ^ YouTuberが逮捕される…イタズラも度が過ぎると「偽計業務妨害罪」に All About 2017年9月14日
  21. ^ 第183号 警察官を騙して捜査活動を行わせる行為と偽計業務妨害罪 ~最三小決平成31年2月26日 偽計業務妨害被告事件※1~ Westlaw Japan 2019年10月31日
  22. ^ 広島サミット前に多摩地域で対テロ訓練 東京新聞 2023年3月3日
  23. ^ 注目集める「私人逮捕」系動画--盗撮等をYouTuberらが勝手に逮捕、問題点や要件は CNET Japan 2023年10月7日
  24. ^ a b 絶滅した「迷惑系YouTuber」の進化形…「私人逮捕系YouTuber」が支持を集めてしまうワケ p.1 プレシデントオンライン 2023年11月18日
  25. ^ 私人逮捕系ユーチューバー「ガッツch」、広告収益停止も活動継続 痴漢盗撮の撲滅目指し政治団体設立へ - サンスポ 産経デジタル 2023年11月17日
  26. ^ 「もう無理なんだよ…」逮捕続く “私人逮捕”系YouTuberの行き過ぎた番組内容 そもそも“勝手な動画配信”に「違法性」はないのか?(弁護士JPニュース)”. Yahoo!ニュース. 2024年3月14日閲覧。
  27. ^ 「私人逮捕系YouTuber」逮捕相次ぐ…カネ目当てのゴロツキに“正義”を語る資格はない!”. ダイヤモンド・オンライン (2023年11月25日). 2024年3月14日閲覧。
  28. ^ a b 犯罪者や故人の家族のフリをする「不謹慎系YouTuber」が後を絶たない理由 CNET Japan 2020年7月11日
  29. ^ a b c d e 不謹慎系ユーチューバー、大増殖&取り締まりもされない理由…背景に人気投稿者の固定化 ビジネスジャーナル 2020年6月29日
  30. ^ 配信ボーイ 〜ボクがYouTuberになった理由〜 - WEBザテレビジョン KADOKAWA
  31. ^ Da-iCE和田颯、ドラマでYouTuberの相方に ナタリー 2018年3月7日
  32. ^ 土曜ドラマ「デジタル・タトゥー」 NHK
  33. ^ 四国推し! 小豆島に移住してみた! - 〇〇推し NHK
  34. ^ 井上想良&山下幸輝&松本大輝、動画配信者役で参考にしたYouTuberグループ明かす お互いに“ガチ恋”している部分も語る<「ガチ恋粘着獣」インタビュー> モデルプレス 2023年4月8日
  35. ^ 【漫画】動画配信者と“ガチ恋”ファンの泥沼な人間模様に大反響、作者「口に出せない感情に寄り添えるものが描けたら」 - WEBザテレビジョン p.2 KADOKAWA 2022年11月7日

関連項目[編集]