換喩

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換喩(かんゆ)は、修辞学修辞技法の一つで、概念の隣接性あるいは近接性に基づいて、語句の意味を拡張して用いる、比喩の一種である。また、そうして用いられる語句そのものをもいう。メトニミー: metonymy)とも呼ばれる。文字通りの意味の語句で言い換える換称とは異なる。上位概念下位概念で(またはその逆に)言い換える技法を提喩(シネクドキ)といい、これを換喩に含めることもある。

実例[編集]

頻繁に用いられる換喩には、以下のような幾らかの関係性がある。

包含
ある事物が他の事物を包含する例で、典型的な換喩である。例えば、「食卓」は「食事のための卓(テーブル)」の意味から転じて、そこに載る食事あるいは料理を指す語でもある。他に、建物の名称がそこに含まれる事物を表す例もあり、代表的なものに、「東宮」(皇太子の居所、または皇太子自身)、「ホワイトハウス」(アメリカ大統領官邸、または当地に勤務する職員)、「ペンタゴン」(アメリカ国防総省および同国の軍事)がある。
道具器具
しばしば道具や器具の名が、それを使用する職業人を表す場合がある。
  • 「白バイ」=白バイ隊員(警察官)
  • 「ペンは剣よりも強し」=ここでの「ペン」は、それを手に取って文章を書く人、すなわち「文筆家」や「文学家」あるいは「思想家」などの意味に解釈される場合が多い。
提喩
ある事物の一部分(下位概念)が、全体を意味して(上位概念として)用いられる場合である。
  • 「手が足りない」=仕事をするために必要な「人」、つまり「働き手」が足りない、という意味。
  • 「人はパンのみにて生くる者に非ず」[1]=ここでの「パン」は、「食べ物」あるいは、より広く「物質的充足」という意味。
地名
一国の首都名は、しばしばその国の政府を意味する換喩として用いられる(例: ワシントンD.C.=アメリカ政府)。
  • 「霞ヶ関」=日本の官庁。
  • 「永田町」=日本の国会。
その他
  • 赤頭巾」=赤い頭巾を被った少女[2]
  • 「きつねうどん」・「きつねそば」=キツネの好物とされる油揚げの入ったうどん・そば。
慣用表現
  • 「漱石を読む」=漱石の作品を読む[3]
  • 「玉座に就く」または「王冠を戴く」=王位に就く。

歴史的には、換喩により語の意味が変化することもある。例えば「殿(との)」は「宮殿」の意味から(婉曲的に)そこに住む「貴人」「主君」の意味へ、さらに敬称あるいは代名詞的用法に変化した。「みかど」なども同様。

脚注[編集]

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  1. ^ 新約聖書マタイ伝』第4章より。
  2. ^ 佐藤信夫 『レトリック感覚』 講談社〈講談社学術文庫〉、1992年、140頁。ISBN 4-06-159029-4
  3. ^ 村田真樹 (PDF). 研究紹介:換喩解析,意味ソート,統語構造認識と7±2,diffと言語処理 (Report). 鳥取大学大学院工学研究科. http://unicorn.ike.tottori-u.ac.jp/murata/ps/kougi1.pdf 2012年6月7日閲覧。. 

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]