弘前さくらまつり

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弘前さくらまつり
Hirosaki Cherry Blossom Festival
弘前城天守閣と桜
弘前城天守閣と桜
イベントの種類 祭り
通称・略称 さくらまつり、観桜会、カゴカイ[1]
開催時期 毎年4月下旬 - 5月上旬(年ごとに変動)
会場 弘前公園
来場者数 289万人(2019年)[2]
最寄駅 JR弘前駅弘南鉄道中央弘前駅など
直通バス 土手町循環100円バス 市役所前など
駐車場 なし
公式サイト
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弘前さくらまつり(ひろさきさくらまつり)は、青森県弘前市で開催される弘前四大まつり弘前ねぷた弘前城菊と紅葉まつり弘前城雪燈籠まつり)のひとつである春祭り。

概要[編集]

弘前公園西濠

弘前市により所有・管理されている弘前公園で開催され、全国でも屈指のの名所として日本さくら名所100選人と自然が織りなす日本の風景百選に選ばれている。ソメイヨシノシダレザクラなど約50種2,600本の桜が咲く。

桜のトンネル」のほか、日本最古のソメイヨシノ(1882年植栽)や、日本最大幹周のソメイヨシノ(約5m15cm)が花を咲かせる様子を見ることができる。また、園内の四の丸演芸場では様々な催し物があるほか、弘前公園内の弘前市民会館では津軽三味線全国大会や津軽五大民謡大会などのイベントも開催される。

基本的に、毎年4月23日から5月5日に開催だが、桜の開花時期によっては照明点灯や露店の営業時期を変更する場合がある。夜間特別照明(ライトアップ)は、18時頃から23時まで。特にゴールデンウィークと会期が重なる為、この期間の行楽客では、「高田城址公園観桜会」、「博多どんたく」や「ひろしまフラワーフェスティバル」と並び日本各地の観光客数の比較では毎年上位となる[注釈 1]

過去に行われた催事[編集]

歴史[編集]

ソメイヨシノ
ライトアップ
桜色に染まるお堀(2013年5月)
夜桜が湖面に映える弘前公園(2018年4月)
  • 1715年正徳5年) - 弘前藩士が25本のカスミザクラなどを京都から取り寄せ、園内に植栽。
  • 1882年明治15年) - 旧藩士である菊池楯衛が、ソメイヨシノ1,000本を植栽。
  • 1897年(明治30年) - 再び1,000本を植栽。その後も市民の寄付などで植栽される。
  • 1916年大正5年) - 夜桜の見物が大盛況であった。
  • 1918年(大正7年) - 5月3日から1週間、弘前商工会主催の第1回観桜会が開催される。 
  • 1919年(大正8年) - 食堂、花見だんご、喫茶店などが出店する。
  • 1922年(大正11年) - 弘前競技場で第1回「自転車競走」を開催[4]
  • 1931年昭和6年) - 第1回「広告祭」を開催(1935年(昭和10年)まで開催)[4][注釈 2]
  • 1932年(昭和7年) - 第1回「輓馬競争」を開催(1942年(昭和17年)まで開催)[4]
  • 1935年(昭和10年) - 夜の照明が投光器に替わる。
  • 1938年(昭和13年) - 名称を「弘前時局と櫻の催し」へ変更[5][注釈 4]
  • 1939年(昭和14年) - 戦時体制での物資統制の影響で釘の入手困難となり、露店の建設が難航[5]
  • 1940年(昭和15年) - 名称を「弘前櫻の催し」へ変更[5]
  • 1944年(昭和19年) - 弘前公園を食糧増産のために畑化することを決定[5]
  • 1944年(昭和19年)-1946年(昭和21年) - 観桜会の開催が中断[5][注釈 4]
  • 1946年(昭和21年) - 見世物小屋などの出る花見が復活[5]
  • 1947年(昭和22年) - 観桜会を正式に再開[4]
  • 1961年 (昭和36年)- 名称を「弘前さくらまつり」に変更。
  • 1989年平成元年) - 本丸、北の郭、二の丸を有料化。
  • 2011年(平成23年) - キグレNewサーカス倒産直後初のオートバイサーカス開催。
  • 2012年(平成24年) - 公園内無線LAN無料Wireless供用開始。
  • 2019年令和元年) - 桜ミクが公式応援キャラクターに就任[6]
  • 2020年(令和2年) - 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、開催中止[7]。それに伴い弘前公園も4月10日18時から5月17日まで閉鎖された。

入園料・駐車場[編集]

入園料
駐車場
  • 公園周辺に駐車場(料金は1日1,000円程度)があるが、休日は満車の状態が多い。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 2016年(平成28年)期間中の来客数は236万人を記録した(弘前市のまとめ)[3]
  2. ^ a b 商工業者が自社の商品などを配した広告山車約20台が、ダンサー・芸者・楽団などをと共に弘前市内を午前10時から午後3時まで練り歩いた後に弘前公園内に入った[4]
  3. ^ 2009年以降は運行されていない。2006年(平成18年)は、4月29日、5月2日に運行。
  4. ^ a b 弘前ねぷたまつり1938年(昭和13年)に一足早く開催が中断された[5]

出典[編集]

  1. ^ CD 伊奈かっぺい「また来る冬の忘れ雪~20年目の春 (日本コロムビア/COCA-14714)」]
  2. ^ 弘前さくらまつり人出289万人 過去2番目 - 東奥日報
  3. ^ “人出は236万人、昨年を上回る 弘前さくらまつり”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2016年5月7日) 
  4. ^ a b c d e f g h “知られざるさくらまつり 昔の新聞から 競輪・競馬・パレード=3・完”. 陸奥新報 (陸奥新報社). (2013年5月3日) 
  5. ^ a b c d e f g “知られざるさくらまつり 昔の新聞から 戦前・戦中の花見=1”. 陸奥新報 (陸奥新報社). (2013年5月4日) 
  6. ^ 「弘前さくらまつり」公式応援キャラクターに桜ミク(初音ミク)就任”. 弘前さくらまつり2024. 株式会社コンシス. 2024年4月16日閲覧。
  7. ^ “弘前さくらまつり中止 新型コロナ警戒 100回目の記念行事も見送り”. 河北新報オンラインニュース. (2020年3月27日). オリジナルの2020年3月27日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200327055839/https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202003/20200327_23001.html 2020年4月25日閲覧。 

外部リンク[編集]