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岡田尊司

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岡田 尊司
(おかだ たかし)
生誕 岡田 尊司
(おかだ たかし)
(1960-03-04) 1960年3月4日(57歳)
香川県
国籍 日本の旗 日本
研究分野 精神医学
精神療法
研究機関 京都大学医学部
京都大学大学院医学研究科
山形大学
京都医療少年院
出身校 京都大学医学部医学科
京都大学大学院医学研究科
博士(医学)京都大学2000年
プロジェクト:人物伝

岡田 尊司(おかだ たかし、1960年3月4日[1] - )は、日本医学者精神科医)、作家博士(医学)[2][3]。岡田クリニック院長[4]

来歴

香川県出身。東京大学文学部哲学科中退。京都大学医学部卒業。同大学大学院医学研究科修了[5]

2000年(平成12年)博士(医学)京都大学)学位修得。日本精神神経学会認定医精神保健指定医

京都大学医学部卒業後、同大学大学院高次脳科学講座神経生物学教室、脳病態生理学講座精神医学教室で研究に従事しながら、京都府立洛南病院京都医療少年院等に勤務する[2][3]2013年(平成25年)岡田クリニック開院。

山形大学客員教授として研究者の社会的スキルの改善やメンタルヘルスの問題にも取り組む。

人物

精神科医として

パーソナリティ障害臨床に取り組む第一人者の一人である[6]笠原嘉スーパービジョンを受けるなど、精神療法家としても知られる[7]。その臨床経験を反映して、パーソナリティや発達の問題に対する関心が深く、2004年(平成16年)「人格障害の時代」「パーソナリティ障害」を相次いで刊行後、パーソナリティ障害や現代社会が抱える自己愛性をテーマにした著作を次々と出版している。岡田がその中でもっとも重視しているのは、親子関係であり、社会の自己愛性である。「誇大自己症候群」や「自己愛型社会」は、その系譜である。また、医療少年院での臨床体験を綴った「悲しみの子どもたち」、メディアの影響を論じた問題作「脳内汚染」、社会的知性を扱った「社会脳」、社会的スキルをテーマとした「SQテスト」などを発表している。

作家として

1999年(平成11年)に「ヴィクティム」で横溝正史ミステリ大賞奨励賞を受賞(「小笠原あむ」名義)。翌2000年(平成12年)に「DZ」(角川書店)で同賞の大賞を受賞する。その後、2002年(平成14年)に「手のひらの蝶」(同)、2004年(平成16年)に「サバイバー・ミッション」(文藝春秋)を発表。作品の内容は猟奇殺人を扱ったものが多いが、純粋なミステリではなくSFオカルト的な要素を含む作風が特徴。特に「手のひらの蝶」は少年犯罪をテーマにしているが、専門家の見地よりも「外的要因により子供が狂わされている」という作者の思いが先立つ内容となっており、これが後年の「脳内汚染」へと繋がっているのではないかという指摘もある。

脳内汚染

2005年(平成17年)岡田尊司の名義で文藝春秋より「脳内汚染」を刊行する。本書は小説ではなく、コンピュータゲームインターネットにより子供のが汚染されていると言う専門家の見地から警鐘を鳴らす内容であり、多くの子供の親や教育関係者より共感を得た。しかし、その内容は実質的に森昭雄ゲーム脳の恐怖」(NHK出版2002年)の焼き直しに過ぎないとの指摘もなされている(ただし「脳内汚染」の参考図書には「ゲーム脳の恐怖」は挙げられていない)。

本書の刊行直後は既にゲーム脳に対する反論が医学的見地からも数多く為されていたこともあり、ゲームやネットの関係者の間では「二番煎じ」と言う見方が少なくなかったが、毎日新聞2006年(平成18年)1月15日付に掲載された書評でフランス文学者鹿島茂が本書を絶賛したことを契機に警察官僚や地方自治体の首長に多数の賛同者を獲得し、特に警察庁生活安全局長・東京都副知事を歴任した竹花豊(現・東京都教育委員)と埼玉県知事上田清司の2名が岡田の説を積極的に支持する見解を表明している。

なお、日本神経科学学会の会長であり、大阪大学名誉教授津本忠治は、本書やよく似た理論である「ゲーム脳の恐怖」のような脳神経を扱った本に対し、「こういった本は神経学に対する信頼を損なうことになる。今までは放置の姿勢だったが、これからは間違いを正すべく努力したい」と学会の会報「神経科学ニュース」や雑誌のインタビューで表明した。

受賞歴

学会

著書

精神医学

  • 人格障害の時代(2004年6月 平凡社新書)
  • パーソナリティ障害―いかに接し、どう克服するか(2004年7月 PHP研究所)
  • 自己愛型社会―ナルシスの時代の終焉(2005年5月 平凡社新書)
  • 悲しみの子どもたち―罪と病を背負って(2005年5月 集英社新書)
  • 誇大自己症候群(2005年9月 ちくま新書)
  • 子どもの「心の病」を知る―児童期・青年期とどう向き合うか(2005年9月 PHP新書)
  • 脳内汚染(2005年12月 文藝春秋 / 2008年6月 文春文庫)
  • パーソナリティ障害がわかる本―「障害」を「個性」に変えるために(2006年5月 法研)
  • 脳内汚染からの脱出(2007年5月 文春新書)
  • 社会脳―人生のカギをにぎるもの(2007年7月 PHP新書)
  • うまくいかないあの人と、うまくいく方法―パーソナリティ障害でわかる!(2007年8月 ナツメ社)
  • SQテスト―自分らしさがわかる(2007年12月 PHP研究所)
  • 「生きづらさ」を超える哲学(2008年12月 PHP新書)
  • アベンジャー型犯罪―秋葉原事件は警告する(2009年1月 文春新書)
  • 境界性パーソナリティ障害(2009年5月 幻冬舎新書)
  • アスペルガー症候群(2009年9月 幻冬舎新書)
  • パーソナリティ分析―恋愛編(2009年12月 青春新書)
  • マキャベリー的知性―危機の時代を生き抜く社会的知性の磨き方(2010年3月 アスキー新書)
  • この世の中を動かす暗黙のルール―人づきあいが苦手な人のための物語(2010年7月 幻冬舎)
  • うつと気分障害(2010年9月 幻冬舎新書)
  • 統合失調症―その新たなる真実(2010年10月 PHP新書)
  • ササッとわかる「パーソナリティ障害」(2010年10月 講談社)
  • なぜ日本の若者は自立できないのか(2010年12月 小学館)
    • 【改題】子供が自立できる教育(2013年3月 小学館文庫)
  • 働き盛りがなぜ死を選ぶのか―〈デフレ自殺〉への処方箋(2011年4月 角川書店)
  • 人はなぜ眠れないのか(2011年5月 幻冬舎新書)
  • シック・マザ-―心を病んだ母親とその子どもたち(2011年6月 筑摩選書)
  • 愛着障害―子ども時代を引きずる人々(2011年9月 光文社新書)
  • 人を動かす対話術―心の奇跡はなぜ起きるのか(2011年11月 PHP新書)
  • あなたの中の異常心理(2012年1月 幻冬舎新書)
  • 愛着崩壊 子どもを愛せない大人たち(2012年5月 角川選書)
  • 発達障害と呼ばないで(2012年7月 幻冬舎新書)
  • ササッとわかる「境界性パーソナリティ障害」見やすい・すぐわかる図解大安心シリーズ(2012年9月 講談社)
  • 母という病(2012年11月 ポプラ社 / 2014年1月 ポプラ新書)
  • マインド・コントロール(2012年12月 文藝春秋)のち新書
  • 働く人のための精神医学(2013年5月 PHP新書)
  • ストレスと適応障害 つらい時期を乗り越える技術(2013年5月 幻冬舎新書)
  • 回避性愛着障害 絆が稀薄な人たち(2013年12月 光文社新書) 
  • 父という病(2014年3月 ポプラ社)
  • インターネット・ゲーム依存症 (2014年12月 文春新書)
  • 夫婦という病―夫を愛せない妻たち(2016年1月 河出書房新社)

小説(小笠原慧名義)

  • DZ(ディーズィー)(2000年5月 角川書店 / 2003年5月 角川文庫) - 第20回横溝正史ミステリ大賞受賞
  • 手のひらの蝶(2002年11月 角川書店 / 2005年8月 角川文庫)
  • サバイバー・ミッション(2004年10月 文藝春秋 / 2007年5月 文春文庫)
  • 風の音が聞こえませんか(2007年8月 角川書店 / 2010年10月 角川文庫)
  • 死夢(シニユメ)(2009年3月 角川書店)
  • タロットの迷宮(2009年3月 文藝春秋)
  • あなたの人生、逆転させます: 新米療法士・美夢のメンタルクリニック日誌(2016年1月、新潮社)

出典

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  1. ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.445
  2. ^ a b 『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』 光文社、2011年9月。ISBN 9784334036430巻末
  3. ^ a b 岡田尊司. “ラット大脳皮質錐体細胞における、陽イオン選択性電流に対する、リチウム及びムスカリンの協同的増強効果に関する研究”. 国立国会図書館. 2013年4月29日閲覧。
  4. ^ 岡田クリニック2013年5月1日閲覧。
  5. ^ 『ササッとわかる『境界性パーソナリティ障害』』 講談社、2012年9月。ISBN 9784062847322巻末
  6. ^ 『パーソナリティ障害がわかる本 「障害」を「個性」に変えるために』 法研、2006年5月。ISBN 9784879546258巻末
  7. ^ 『人を動かす対話術 心の奇跡はなぜ起きるのか』 PHP研究所、2011年10月。ISBN 9784569796666 p.39

関連人物

関連項目

精神医学

機関

外部リンク

公式

記事