大尉の娘 (戯曲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

大尉の娘』(たいいのむすめ)は、中内蝶二による日本戯曲、または同作を原作とした1917年(大正6年)製作・公開、井上正夫監督による日本サイレント映画、および1924年(大正13年)製作・公開の野村芳亭監督、1927年(昭和2年)製作・公開の井上金太郎監督、1929年(昭和4年)製作・公開の落合浪雄監督、1936年(昭和11年)製作・公開の野淵昶監督による日本のリメイク映画である。

戯曲の初演は1922年(大正11年)、東京・明治座での公演であった[1]。翌1923年(大正12年)、初代水谷八重子が初演して以来、水谷の露子役は当たり役となり、本作は「八重子十種」の演目のひとつに数えられる[1]

アレクサンドル・プーシキンの19世紀の小説『大尉の娘』とは無関係である。

略歴・概要[編集]

ドイツ映画『憲兵モエビウス』を元に、中内蝶二が戯曲化。初演の時期は不明である。

井上正夫一座による1922年(大正11年)6月、明治座での初演は、井上正夫の元大尉、女形花柳章太郎の露子で好評を得た[1]。初代水谷八重子は翌年には浅草御国座で初演しており、父親役は井上正夫であった。

1917年(大正6年)には、小林喜三郎小林商会が映画化している。その後、リメイクが重ねられたが、1929年(昭和4年)の映画化の際に、映画において初めて八重子自身が露子を演じた。1936年(昭和11年)の映画化の際には、八重子の初演時の父親役であった井上正夫が登板している。

映画『大尉の娘』は、最後の映画化である新興キネマ版のみ、東京国立近代美術館フィルムセンターに所蔵。近年も上映されている。ただし、同センターホームページの検索ではヒットしない。それ以外のバージョンは散逸したと思われる。[2]

ストーリー[編集]

大正時代中期の長野県木曾に近く奥深い村の教師・森田慎蔵は、退役軍人である。その娘・露子は、その村の村長の甥・六松と恋愛関係にあったが結婚することができなかった。ふたりの間には子どもが生まれ、子は里子に出し、露子は東京に出ていた。

奉公先から里帰りしていた露子は、偶然、六松の結婚を知る。その婚礼の夜、露子は嫉妬のあまりに放火、花嫁は焼死する。六松の婚礼に参加していた慎蔵は、火事の現場に露子の草鞋を発見してしまう。露子が犯人であると悟った慎蔵は、娘の露子に死を諭す。ついに覚悟した露子を慎蔵は絞殺し、自らも自害する。

映画[編集]

1917年版[編集]

大尉の娘
The Captain's Daughter (Japanese film in 1917).JPG
監督 井上正夫
脚本 篠山吟葉
原作 中内蝶二
出演者 木下吉之助
井上正夫
撮影 長井信一
製作会社 小林商会
配給 小林商会
公開 日本の旗 1917年1月11日
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

大尉の娘』(たいいのむすめ)は、1917年(大正6年)製作・公開、小林商会製作・配給による日本のサイレント映画である。女形木下吉之助が露子を演じた。

スタッフ・作品データ[編集]

キャスト[編集]

1924年版[編集]

大尉の娘
監督 野村芳亭
脚本 武田晃
原作 中内蝶二
出演者 藤野秀夫
柳さく子
撮影 小田浜太郎
製作会社 松竹蒲田撮影所
配給 松竹キネマ
公開 日本の旗 1924年7月11日
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

大尉の娘』(たいいのむすめ)は、1924年(大正13年)製作・公開、松竹蒲田撮影所製作、松竹キネマ配給による日本のサイレント映画である。柳さく子が露子を演じた。

スタッフ・作品データ[編集]

キャスト[編集]

1927年版[編集]

大尉の娘
監督 井上金太郎
脚本 秋篠珊次郎
原作 中内蝶二
出演者 関根達発
マキノ輝子
撮影 松浦しげる
製作会社 マキノ・プロダクション御室撮影所
配給 マキノ・プロダクション
公開 日本の旗 1927年1月10日
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

大尉の娘』(たいいのむすめ)は、1927年(昭和2年)製作・公開、マキノ・プロダクション製作・配給による日本のサイレント映画である。マキノ輝子が露子を演じた。

スタッフ・作品データ[編集]

キャスト[編集]

1929年版[編集]

大尉の娘
監督 落合浪雄
脚本 落合浪雄
原作 中内蝶二
出演者 加藤精一
水谷八重子
撮影 峰尾芳男
製作会社 発声映画社大森撮影所
配給 発声映画社
公開 日本の旗 1929年11月1日
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

大尉の娘』(たいいのむすめ)は、1929年(昭和4年)製作・公開、発声映画社製作・配給による日本のトーキーの劇映画である。水谷八重子が露子を演じた。

スタッフ・作品データ[編集]

キャスト[編集]

1936年版[編集]

大尉の娘
監督 野淵昶
脚本 森田信義
原作 中内蝶二
劇化 落合浪雄
出演者 井上正夫
水谷八重子
撮影 青島順一郎
製作会社 松竹興行現代劇部
芸術座
新興キネマ東京撮影所
配給 松竹
公開 日本の旗 1936年1月30日
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

大尉の娘』(たいいのむすめ)は、1936年(昭和11年)製作・公開、松竹興行現代劇部・芸術座新興キネマ東京撮影所製作、松竹配給による日本のトーキーの劇映画である。水谷八重子が露子を演じた。

スタッフ・作品データ[編集]

キャスト[編集]


[編集]

外部リンク[編集]