厚生労働技官

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厚生労働技官(こうせいろうどうぎかん、technical official, Ministry of Health, Labour and Welfare)とは、厚生労働省技官官名。同省で働く一般職で常勤の国家公務員のうち、技術職員に与えられる官職名である。

これに対して、厚生労働省において事務職に携わる者は厚生労働事務官、厚生労働省の学校教育を行う者は厚生労働教官と呼ばれる。事務職でも医師免許若しくは歯科医師免許を持つ「医系技官」は「厚生労働技官」であり、事務官とは呼ばれない。

事務職として働く厚生労働技官は、人事院による国家公務員採用I種試験の試験区分「理工」「農学」の合格者から採用されるほかに、医系技官、薬系技官、獣医系技官、看護系技官は、別途、求人される制度がある。

また、厚生労働省の定員職員のうち、国立感染症研究所研究員国立ハンセン病療養所国立障害者リハビリテーションセンター医師歯科医師看護師コ・メディカルや、電話交換手、自動車運転手などの現業職員は厚生労働技官である。

都道府県労働局労働基準監督署内では、労働基準監督官のみが署長となることとされていて、厚生労働技官や厚生労働事務官は、次長になることはあっても署長になることはないが、職務の級が行政職(一)4級以上で政令による労働基準監督官の選考に受かると、政令労働基準監督官として署長や次長になることができる。

また、職務の級が行政職(一)3級以上だと中央又は地方の産業安全専門官、労働衛生専門官になることがある。稀に「安衛Gメン」という呼称も使用される。労務管理上の問題から、現在、厚生労働技官の新規採用は取りやめられている。

現在、厚生労働省医務技監医政局長・健康局長・大臣官房危機管理・医務技術総括審議官や、地方厚生局長の一部などは、医系技官のポストとされている。また、防衛省(大臣官房衛生監)、環境省(大臣官房環境保健部長)等で幹部ポストを有している。県の衛生主管部長等のポストも、医系技官の出向ポストとなっている場合があり、本省室長・企画官級に昇進する前に県の衛生主管部長に、課長補佐級の間に県の衛生主管課長に出向することが多く、事務官キャリアと比べ、地方出向への機会が多いのが特徴となっている。

脚注[編集]

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