健康局
健康局(けんこうきょく)は、中央省庁である厚生労働省の内部部局の一つ。保健などを所管する。2001年1月6日の中央省庁再編で厚生省と労働省が統合されるのに伴い、厚生省保健医療局と生活衛生局が統合されて発足した。
保健所を通じて地域保健向上対策、被爆者援護対策、感染症予防対策、生活習慣病予防対策、水道整備対策など保健に関する公衆衛生を総合的に行う施策などを所管する。健康局長には医系技官(医師)が就任する慣例である。
所管業務[編集]
健康局は、次に掲げる事務をつかさどる(厚生労働省組織令第5条)。
- 国民の健康の増進及び栄養の改善並びに生活習慣病に関すること(他局の所掌に属するものを除く。)。
- 厚生労働省の所掌事務に係るがんその他の悪性新生物対策に関する基本的な政策の企画及び立案並びに調整に関すること。
- 衛生教育に関すること。
- 感染症の発生及びまん延の防止に関すること(他局の所掌に属するものを除く。)。
- 生物学的製剤(ワクチンに限る。)の生産及び流通の増進、改善及び調整に関すること。
- 港及び飛行場における検疫に関すること(医薬・生活衛生局の所掌に属するものを除く。)。
- 臓器の移植に関すること。
- 造血幹細胞移植に関すること。
- 治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病の予防及び治療に関すること(他局の所掌に属するものを除く。)。
- 原子爆弾被爆者に対する援護に関すること。
- 栄養士、管理栄養士及び調理師に関すること。
- 地域における保健の向上に関すること。
- 前各号に掲げるもののほか、保健医療事業に関すること(他局の所掌に属するものを除く。)。
健康局長[編集]
代 | 氏名 | 出身省庁 | 前職 | 在任期間 | 出身大学等 | 後職 |
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1 | 篠崎英夫 | 厚生省(医師) | 厚生省保健医療局長 | 2001年1月(省庁再編) | 慶應義塾大学医学部(昭和41年医師免許) マンチェスター大学医学部 慶應義塾大学医学博士 |
医政局長 日本公衆衛生学会理事長 ビル管理教育センター理事長 |
2 | 下田智久 | 厚生省(医師) | 大臣官房技術総括審議官 | 2001年8月31日- | 熊本大学医学部(昭和44年医師免許) | 退官、日本健康・栄養食品協会理事長 ヒューマンサイエンス振興財団理事長 予防接種リサーチセンター理事長 社会福祉医療事業団理事 |
3 | 高原亮治 | 厚生省(医師) | 社会・援護局障害保健福祉部長 | 2002年8月30日- | 岡山大学医学部(昭和47年医師免許) | 退官、上智大学総合人間科学部教授 日本医療機能評価機構副理事長 厚生統計協会会長 |
4 | 田中慶司 | 厚生省(医師) | 大臣官房技術総括審議官 | 2003年8月29日- | 東京大学医学部(昭和48年医師免許) | 退官、東京医科大学理事長 アルコール健康医学協会理事長 PTKタイ国際交流経済機構理事長 結核研究所顧問 東京海上日動火災保険顧問 |
5 | 中島正治 | 厚生省(医師) | 大臣官房審議官 (医療保険、医政担当) | 2005年8月26日- | 東京大学医学部(昭和51年医師免許) 東京大学医学博士 |
退官、社会保険診療報酬支払基金理事 未来医学財団顧問 |
6 | 外口崇 | 厚生省(医師) | 大臣官房技術総括審議官 | 2006年9月1日- | 慶應義塾大学医学部(昭和52年医師免許) 慶應義塾大学医学博士 |
医政局長
保険局長 |
7 | 西山正徳 | 厚生省(医師) | 大臣官房技術総括審議官 | 2007年8月24日- | 慶應義塾大学医学部(昭和52年医師免許) | 退官、プロミス・オブ・エイジング代表理事 |
8 | 上田博三 | 厚生省(医師) | 大臣官房技術総括審議官 | 2008年7月11日- | 大阪大学医学部(昭和53年医師免許) | 退官、三井住友海上火災保険顧問 |
9 | 外山千也 | 厚生省(医師) | 防衛省大臣官房衛生監 | 2010年7月30日- | 自治医科大学医学部(昭和54年医師免許) 新潟大学 医学博士 |
退官 がん研究振興財団専務理事 地域医療振興協会理事長補佐 東京ベイ・浦安市川医療センター参与 |
10 | 矢島鉄也 | 厚生省(医師) | 大臣官房技術総括審議官 | 2012年9月10日- | 千葉大学医学部(昭和57年医師免許) 千葉大学博士(医学) |
退官、千葉県病院事業管理者 厚生労働省参与 日本健康・栄養食品協会理事長 |
11 | 佐藤敏信 | 厚生省(医師) | 環境省総合環境政策局環境保健部長 | 2013年7月2日- | 山口大学医学部(昭和58年医師免許) 山口大学医学博士 |
退官 日本医師会総合政策研究機構主席研究員 久留米大学特命教授 |
12 | 新村和哉 | 厚生省(医師) | 医薬食品局食品安全部長 | 2014年7月11日- | 東京大学医学部(昭和59年医師免許) 東京大学博士(医学)[1] |
国立保健医療科学院長
日本医師会事務局長 |
13 | 福島靖正 | 厚生省(医師) | 大臣官房審議官(医政担当) | 2015年10月1日- | 熊本大学医学部(昭和59年医師免許) 国立公衆衛生院専門課程 昭和大学博士(医学)[2] |
成田空港検疫所長
国立保健医療科学院長 |
14 | 福田祐典 | 厚生省(医師) | 大臣官房技術・国際保健総括審議官 | 2017年7月11日- | 筑波大学医学部(昭和60年医師免許) ピッツバーグ大学大学院 昭和大学博士(医学)[3] |
(在職中に戒告を受けるも、セクハラ防止研修を受講し[4] 局長に留まる。[5]) 退官 |
15 | 宇都宮啓 | 厚生省(医師) | 大臣官房生活衛生・食品安全審議官 | 2018年7月31日- | 慶應義塾大学医学部(昭和61年医師免許) 慶応義塾大学博士(医学)[7] |
退官[8]
医療法人社団健育会 副理事長 |
16 | 宮嵜雅則 | 厚生省(医師) | 大臣官房生活衛生・食品安全審議官 | 2019年7月9日- | 慶應義塾大学医学部(昭和62年医師免許) | 国立保健医療科学院長 |
17 | 正林督章 | 厚生省(医師)[9] | 環境省大臣官房審議官(水・大気環境局) (環境省国立水俣病総合研究センター所長を併任)[10] |
2020年8月11日- | 鳥取大学医学部(平成元年医師免許) ロンドン大学衛生熱帯医学大学院留学[11][12][13] 昭和大学博士(医学)[14] |
退官[15] |
18 | 佐原康之 | 厚生省(医師) | 厚生労働省大臣官房危機管理・医務技術総括審議官 | 2021年9月14日- | 金沢大学医学部(平成元年医師免許) ハーバード大学大学院修士課程修了 |
(現職) |
組織再編[編集]
- 2015年10月1日から「生活衛生課」「水道課」を新設する部局医薬・生活衛生局の生活衛生・食品安全部に移管。「疾病対策課」「結核感染症課」「がん対策・健康増進課」の3課を、「健康課」「がん・疾病対策課」「難病対策課」「結核感染症課」の4課に再編[16][17]。
組織[編集]
- 総務課
- 指導調査室
- 健康課
- 保健指導室
- 予防接種室
- がん・疾病対策課
- 肝炎対策推進室
- 難病対策課
- 移植医療対策推進室
- 結核感染症課
- 感染症情報管理室
脚注[編集]
- ^ 入院医療費の増加要因に関する研究
- ^ 特定疾患医療受給者証を利用した難病患者の長期観察
- ^ アンケート調査から把握されたライフスタイルと健康診断による検査結果との関連
- ^ 厚労省、健康局長をセクハラで戒告 食事に…特定の女性職員にメール400回 産経新聞2018.4.27 16:11
- ^ 厚労省の〝プチ福田〟に「財務省よりマシ」とかばう声
- ^ 「茨城県 セクハラ懲戒の元厚労省局長を顧問に 「それを上回るメリットある」」 毎日新聞2018年12月28日
- ^ An epidemiological study on the effectiveness of workplace smoking control programs
- ^ 宇都宮 啓(うつのみや おさむ)
- ^ 2015年版 - 医系技官
- ^ 日刊薬業〔人事〕厚生労働省(8月11日付)
- ^ 厚生労働省 医系技官 2018
- ^ 日本禁煙科学会 学会賞
- ^ 厚労省人事ウォッチング 第32回 新型コロナ対策の〝キーマン〟
- ^ アルブミン製剤使用に関する都道府県格差の要因分析
- ^ “厚労省幹部人事、新医政局長に伊原氏 樽見事務次官・濵谷保険局長・鎌田医薬局長は留任”. 日刊薬業 (じほう). (2021年9月14日) 2021年9月14日閲覧。
- ^ 薬事日報(2015年9月18日付)
- ^ ケアタイムズ新聞(2015年1月14日)