出生届

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出生届(しゅっしょうとどけ)は、正式には出生届書(しゅっしょうとどけしょ、Registration of a Birth)といい、法務省地方支分部局である法務局の戸籍課が管轄する行政機関への書類である。出生証明書Birth certificate)を添付して、子の出生の日を第1日目として日本国内では14日以内に役所へ、国外では3ヶ月以内に在外公館へ提出する。

法的根拠[編集]

手続根拠としては戸籍法第49条、第52条、第104条に規定されている。

日本国内の手続き[編集]

書類の記入[編集]

日本国内で使用される出生届用紙は役所の窓口や病院に備え付けてあり、以下の事項について記入する必要がある。

  • 子供本人についての情報
    • 子の名前嫡出子か否か、続柄及び性別、生年月日時間、誕生した場所(病院など)、住所(住民登録をする場所)及び世帯主。なお、「次男」「次女」ではなく「二男」「二女」が正式。
  • 子供の両親についての情報
    • 父母の氏名と生年月日、父又は母の本籍地及び戸籍筆頭者(両親とも外国人の場合は国籍)、同居を始めた年月、誕生時の世帯の就業カテゴリ(国勢調査の年度中は具体的な職業も)
  • その他(空欄)
    • 父母が新戸籍を作成中の場合は希望本籍地を記入するときなどに使う。
  • 届出人
    • 原則として父又は母が届出人となる。実際に書類を役所に持参するのは届出人本人でなくても構わない。

出生届の右側は、必要とされる添付書類の出生証明書である。これは出産の状況(子が出生した年月日時刻、場所、身長体重、単胎・多胎。母の氏名、妊娠週数、出産歴)などを医師又は助産師又はその他の立会者が署名して出産の事実を証明するものである。

提出忘れ、記入漏れ、子の名前に使用できない漢字を用いるなどの不手際で、出生届が提出期限の14日を過ぎてしまうことがある。その場合は、提出期限を過ぎた旨を簡易裁判所に通知する必要があり、役所を通して戸籍届出期間経過通知書を提出する。過料(超過の過ではなく、過ちの過)という罰金を徴収される可能性もある。子供の名前が決まらない場合は、提出期限内に出生届の名前を空欄にして提出しておき、経過通知書と過料を避けることができる。名前が決まった後に追完届戸籍を修正することになる。

提出方法[編集]

母子健康手帳印鑑を持参する。提出期限が14日以内と短いため、出生届は必ずしも本籍地の市区町村役所に届ける必要はない。本籍地、居住地又は出生地の役所で受理される。なお、出生届は24時間365日受付が可能である。ただし夜間及び休日等は担当職員が不在である場合が多いため、通用口にいる警備員・守衛等に預ける形となる。

親が未婚である場合[編集]

親が未婚の場合である場合の子は、原則として母親の戸籍に入ることになる。この際、母親が戸籍の筆頭者でない場合には、母親を筆頭者とする戸籍が新たに作られる(父親となる場合でも同様)。手続きとしては、分籍とほぼ同様の扱いとなる。

両親とも外国人である場合[編集]

両親とも外国人である場合、血統主義の日本では生まれた子に日本国籍は与えられず戸籍も作られないが、出生届は提出しなければならない。また、出生後60日間を超えて日本に滞在しようとする場合は、出生から30日以内に在留資格取得許可申請を法務省地方入国管理局長に対して行い、出生から60日以内に住所地の市区町村役場で外国人登録をしなければならない。

国外の手続[編集]

両親又は父母どちらかが日本国籍を保持する者であれば、戸籍に子供を記載するため、出生届を大使館又は総領事館に提出する。子供の出生国により、両親又は父母どちらかの本籍地に直接郵送して提出することができる場合もある。

書類の記入[編集]

書式は在外公館にしか置いていないが、出産前に郵送で取り寄せることも可能である。日本の書式と異なる点は、本籍地の枠内にある父母の国籍を記入する欄と、その他の枠内にある「日本国籍を留保する」という欄である。

日本国籍留保[編集]

生地主義アメリカ合衆国カナダブラジルは国内で出生した子供に自動的に国籍を与える。ドイツフランス中国フィリピンなどは父母どちらかが国籍を持っていれば子供にも与えられる。 出生届の日本国籍留保欄に署名・捺印すれば、子供は22歳まで日本国籍と他国の国籍を多重して持つことができる。22歳に達すると日本国籍を維持するか外国籍を志望して日本国籍を喪失するかという国籍選択の必要がある。

出生届の国籍留保欄を空欄のまま提出すると、国籍法第12条に則り、日本国籍を放棄したとみなされ外国人扱いとなる。当然日本のパスポートなども発行されない。後に日本国籍を取得するには、未成年で日本に永住帰国(留学や一時滞在は不可)した場合のみ、法務局を通して申請して国籍を再取得するという道がある。成人以降に永住帰国した場合は帰化手続を取る。

ただし生地主義ではない国で生まれ、なおかつイランスリランカなど父親の血統しか認めていない国の母を持つ子供(例えば、フランス生まれで、父が日本人で母がイラン人の子供)は、生地(フランス)の国籍も母親(イラン)の国籍も与えられないため、国籍留保欄に記入しなくとも自動的に日本国籍が与えられる。

外務省の発表によると2005年4月から2006年3月の間に、日本国外で受理された出生届は北米の約5800件を筆頭に全世界で約1万1300件にのぼる。その約9割、1万人以上が日本国籍留保の手続を行っている。 

出生届の姓と名[編集]

日本国外で生まれた子供は、出生国でミドルネームを持つことがある。しかし日本の戸籍では名前の二つしか認めていないため、ミドルネームを含めたい場合は名前の一部に入れるしかない。例えば我謝・美佳・レイラニは我謝が姓で、美佳レイラニが名前である。

一般的に母親が日本人の国際結婚の場合は、出生届に記入する子供の姓に注意する必要がある。国際結婚では婚姻届のみを提出した場合、戸籍上は旧姓のままであり、氏の変更許可申立書を提出しない限り外国人の姓に変わらない。出生届の子供の姓は、母親の居住国や出産国での姓(夫の姓など)ではなく、日本の戸籍上の姓に一致しなければならない。たとえば滝川クリステルのフランス名はクリステル・マサミ・タキガワ・ラルドゥであるが、日本名はラルドゥ雅美ではなく滝川雅美である。

上記のようなケースでは、戸籍そのままをローマ字表記にしてパスポートに記載すると、日本国外では別人と判断されるなど混乱の元になりえる。しかしパスポート申請用紙とともに非ヘボン式ローマ字氏名表記等申出書を提出して受理されることにより、戸籍の名前を外国語読みにしたり、ファーストネーム部分とミドルネーム部分との間にスペースを置いたり、父親の姓を併記することが可能になる。たとえば我謝美佳レイラニを「Yoshikaleilani Gaja」でなく「Yoshika Leilani Gaja」、滝川雅美は「Masami Takigawa (Lardux)」と表記するなど、できるだけ外国名に近付けることができる。

提出方法[編集]

日本と異なり出生届は2枚(新しく戸籍を作る場合は3枚)提出する。在外公館は管轄地域が決まっており、出生地の管轄である在外公館に届け出る必要がある。出生国によっては、日本の本籍地に郵送で提出することも可能である。出生証明書や現地国で発行された出生登録証明書など書類準備に多少時間が掛かるため、提出期限は余裕を持って出生後3ヶ月以内となっている。

日本の旧戸籍法の規定[編集]

人が出生したときは14日以内に本籍地の市町村に届出ねばならない。 これは出生地においてもなし得る。

届出義務者は、 嫡出子の届出は父で、父がなし得ないときおよび旧民法734条1項、2項但書の場合は母である。 庶子の届出は父であり、私出子の場合は母である。

以上のいずれの場合においても、義務者がなし得ないときは次の順序で届出をなさねばならない。すなわち、 戸主、 同居者、 分娩に立会った医師または産婆、 分娩を介抱した者。

その他汽車、艦船、病院、監獄その他の公設所における場合に特則がある。

なお出生の届出の前に子が死亡したときは死亡届とともに出生届をなさねばならない(69条から77条)。

参考文献[編集]

関連項目[編集]