中島聡

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なかじま さとし

中島 聡
生誕 1960年????
日本の旗 日本北海道
住居 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ワシントン州シアトル
国籍 日本の旗 日本
出身校 早稲田大学高等学院
早稲田大学理工学部
早稲田大学大学院理工学研究科修士課程
職業 コンピュータ技術者ITエンジニア起業家、ライター
活動期間 1977年 -
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中島 聡(なかじま さとし、1960年 - )は、日本のコンピュータ技術者ITエンジニア起業家、ライター。Xevo(旧UIEvolution)の創設者。アメリカ合衆国シアトル在住。学位は、工学修士早稲田大学・1985年)、経営学修士ワシントン大学・2009年)。

マイクロソフトWindows 95Windows 98Internet Explorer 3.0/4.0のチーフアーキテクトなどを務めた。

略歴[編集]

1960年、北海道で生まれ、生後3ヶ月よりずっと東京都で育つ。幼少期より数学、科学に興味があり、将来の夢は科学者だった。早稲田大学高等学院入学直後にTK-80NEC)を購入して以降、コンピュータの世界にのめり込んでいく。高校2年時からアスキーにおいて記事執筆やソフトウェアの開発に携わっていき、スピード向上の課題解決にも貢献していった。早稲田大学理工学部電子通信学科進学後も、アスキーでの仕事を続ける。大学3年次には日本のCADソフトの草分け的存在である「CANDY」を開発。父が建築家であり、CADソフトを使っていたことがヒントとなる。古川享によれば、このソフトのヒットで大学在学中に4年間で3億円ものロイヤリティーを稼ぎ、マンションを購入したという[1]

1985年に早稲田大学大学院を卒業しNTTに入社、武蔵野市電気通信研究所に配属される。同研究所では32bit CPUの設計などに関わっていたというが、1986年マイクロソフトの日本法人(マイクロソフト株式会社、MSKK)が設立されると、代表取締役社長に就任する古川享に直訴しMSKKに転職。WindowsOS/2の日本語化に携わった後、1989年に米国マイクロソフト本社に移る。Windows 95Windows 98Internet Explorer 3.0/4.0のチーフアーキテクトを務めた。

2000年にマイクロソフトを退社し、短期間のベンチャーキャピタル勤務を経てUIEvolutionを設立。同社のCEOとして、主に携帯電話上で新たなユーザインタフェースを実現するというフレームワーク「UIEngine」などを開発する。2004年に同社がスクウェア・エニックスに数十億円で買収された後は同社のチーフソフトウェアアーキテクト、最高技術責任者[2]。2007年末にUIEvolutionをMBOで買い戻した。

2009年、ワシントン大学大学院経営学部修士課程修了MBA)。

2008年4月、Big Canvas社を設立し、CEOに就任。iPhone用ソフト開発に従事[3]2012年4月、退任。

2012年1月、new.Pen LLCを共同で設立。

2015年5月、Swipe社を設立、CTOに就任。

2016年2月、再びUIEvolutionのCEOに復帰。

2017年に著書『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』で、第5回ブクログ大賞のビジネス部門大賞を受賞[4]

2018年8月、夏野剛を共同発起人として、NPO法人シンギュラリティ・ソサエティを設立。

著書[編集]

  • 『おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由』(2008年3月、アスキーISBN 4756151345
  • 『エンジニアとしての生き方 IT技術者たちよ、世界へ出よう!』(2011年3月、インプレスISBN 4844329944
  • 『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』(2016年6月、文響社ISBN 4905073413
  • 『結局、人生はアウトプットで決まる 自分の価値を最大化する武器としての勉強術』(2018年9月、実務教育出版ISBN 4788919567

脚注[編集]

  1. ^ 佐藤晃洋 (2004-03-30). “【レポート】「まだ誰も手がけていない分野に先に進出」 MS古川氏が学生に望む姿”. マイナビNEWS. http://news.mynavi.jp/articles/2004/03/30/security/. 
  2. ^ 中島聡さんとの対談、延べ8時間、話題は尽きず... [リンク切れ]
  3. ^ 中島, 聡、木村, 俊介「ソフトウェアエンジニア 中島聡の仕事のはなし(20)とことんハングリーで、わがままであれ」『週刊文春』第50巻第40号、文芸春秋、2008年10月16日、124-126頁、NAID 40016253950 
  4. ^ ブクログ. “第5回ブクログ大賞2017”. 2017年10月16日閲覧。

外部リンク[編集]