ラトヴィアン・ギャンビット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ラトヴィアン・ギャンビット
abcdefgh
8
a8 black rook
b8 black knight
c8 black bishop
d8 black queen
e8 black king
f8 black bishop
g8 black knight
h8 black rook
a7 black pawn
b7 black pawn
c7 black pawn
d7 black pawn
g7 black pawn
h7 black pawn
e5 black pawn
f5 black pawn
e4 white pawn
f3 white knight
a2 white pawn
b2 white pawn
c2 white pawn
d2 white pawn
f2 white pawn
g2 white pawn
h2 white pawn
a1 white rook
b1 white knight
c1 white bishop
d1 white queen
e1 white king
f1 white bishop
h1 white rook
8
77
66
55
44
33
22
11
abcdefgh

ラトヴィアン・ギャンビット (Latvian Gambit) は、チェスオープニングの1つ。ラトヴィア共和国カルリス・ベティンズ英語版が19世紀に深く研究したことから「ラトヴィアン・ギャンビット」と名づけられた[1]イギリスアメリカ合衆国では、それより以前の17世紀にジョアッキーノ・グレコが分析していたことから「グレコ・カウンター・ギャンビット」と呼ばれている[1]。右図は、その基本形となっている[2]。基本形までの手順は1. e4 e5 2.Nf3 f5である[2]。黒の2手目の2.… f5は余程攻撃の好きな人でなければ指せない手で[1]、今日では滅多に指されないオープニングであるといえる[1]。ただ攻撃の研究をする人にとっては面白いオープニングであるといえる[1]。あるチェスYouTuerが動画内で相手にラトビアン・ギャンビットを指されてしまい、本人も戸惑っていた。(本人はラトビアン・ギャンビットを知らない)コメント欄には、「自分で作った定跡か?」といった視聴者の書き込みがあった。

主な変化[編集]

3.Nxe5 Qf6 4.Nc4 fe 5.Nc3 Qg6 6.d3 Bb4 7.Bb2 Bxc3 8.Bxc3 d5 9.Ne5 h6 10.de Qxe4+[3]

この手順は1944年に指されたスミスロフ(白)対カムショフ(黒)のゲームのものである[1]。11手目以降は11.Be2 Nf6 12.0-0 c6 13.Bh5+! Kf8 14.Re1 Qh4 15.Bg6! Na6 16.Qe2 Bh3 17.Nf3!と進行し[1]、黒のカムショフが投了した[1]。黒はチェックメイトから逃れるにはクイーンを捨てるしかない[1]

4.d4 d6 5.Nc4 fe 6.Be2と指す変化もある[1]。この変化は黒が6手目にどんな手をさしても白が7手目にキャスリング出来るので白が有利[1]

黒の5手目では他に5.… Ne7や5.… Qe6と指す手もある[1]

黒の6手目で6.… edと指すのは7.Bxd3 Qxg2 8.Qh5+ Kd8 9.Be4となり白が指しやすい[1]

参考文献[編集]

脚注・出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 『定跡と戦い方』、22頁。
  2. ^ a b 『定跡と戦い方』、20頁。
  3. ^ 『定跡と戦い方』、21-22頁。
  4. ^ ISBNコードは新装版のもの。