カロ・カン・ディフェンス

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カロ・カン・ディフェンス
a b c d e f g h
8
Chessboard480.svg
a8 black rook
b8 black knight
c8 black bishop
d8 black queen
e8 black king
f8 black bishop
g8 black knight
h8 black rook
a7 black pawn
b7 black pawn
d7 black pawn
e7 black pawn
f7 black pawn
g7 black pawn
h7 black pawn
c6 black pawn
e4 white pawn
a2 white pawn
b2 white pawn
c2 white pawn
d2 white pawn
f2 white pawn
g2 white pawn
h2 white pawn
a1 white rook
b1 white knight
c1 white bishop
d1 white queen
e1 white king
f1 white bishop
g1 white knight
h1 white rook
8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1
a b c d e f g h

カロ・カン・ディフェンス (Caro-Kann Defence) は、チェスオープニングの1つ。カロとカンという2人の人物からオープニング名が名づけられた[1]。右図はその基本形である[2]。基本形までの手順は1.e4 c6である[2]

メイン・ライン[編集]

2.d4 d5 3.Nc3 de 4.Nxe4 Bf5 5.Ng3 Bg6 6.h4 h6 7.Nf3 Nd7 8.h5 Bh7 9.Bd3 Bxd3 10.Qxd3 Qc7 11.Bd2 e6 12.Qe2 Ngf6 13.0-0-0 0-0-0 14.Ne5 Nxe5 15.de Nd5[3]

白の2手目では他に2.c4や2.Nc3がある[4]。2.d3と指すとキングズ・インディアン・アタックに変化する[4]

白の3手目では他に3.e5[5]や3.ed[4]がある。3.e5と指すと3.… Bf5 4.Bd3 Bxd3 5.Qxd3 e6 6.Nc3 Qb6と進行する[5]。この変化の途中で3.… c5なら4.c3でフレンチ・ディフェンスに変化する[6]。3.edとすると後述するパーノフ・ボトヴィニク・アタックとなる[4]

黒の3手目では他に3.… g6とフィアンケットする手もある[4]

黒の4手目では他に4.… Nd7や4.… Nf6と指す手もある[7]。4.… Nd7と指した場合の白の5手目は5.Bc4や5.Nf3が普通の手だが[8]、5.Qe2!?と指した場合5.… Ndf6や5.… e6と指さずに5.… Ngf6??と指すと6.Nd6#と指されチェックメイト[8]。4.… Nf6と指した場合は5.Nxf6+ gf 6.c3 Bf5 7.Ne2 h5 8.h4 Nd7 9.Ng3 Bg4と進行する[5]1971年に指されたポーラ対ブロンシュテイン戦では4.… Nf6 5.Nxf6+ gf 6.Bc4 Bf5と進行し[7]、黒のブロンシュテインが20手で勝った[7]。ただこの変化でも4.… Nf6 5.Qe2!? Nbd7??と指すと6.Nd6#でチェックメイト[5]

黒の5手目で5.… Nf6?!と指すのは6.Nxf5 Qa5+ 7.Bd2 Qxf5と進行しクイーンが動きすぎて他の駒の展開が遅れる[9]

白の6手目と7手目は手順前後することがある[5]

黒の7手目では7.… Nf6と指す手もある[7]。以下8.h5 Bh7 9.Bd3 Bxd3 10.Qxd3 Nbd7 11.Be3 Qc7 12.0-0-0 0-0-0と進行する[7]。なお7.… e6 8.Ne5 Qf6??と指すと[10]、9.Bg5!でクイーンかルークが取られる[10]。例えば9.Bg5!に対して9.… hgなら10.hg Qd8 11.Rxh8[10]

白の8手目では8.Bd3とする手もある[10]

白の10手目で10.cdと指すとダブル・ポーンが出来てセンターが弱くなる[10]

パーノフ・ボトヴィニク・アタック[編集]

2.d4 d5 3.ed cd 4.c4 Nf6 5.Nc3 e6 6.Bg5 Be7[11]

カロ・カン・ディフェンスの1変化だがクイーンズ・ギャンビットとよく似たオープニング[6][12]

黒の3手目で3.… Qxd5?とするのは他の駒が1度も動いていないのにクイーンを早く動かしすぎるので悪手[12]

黒の4手目では他に4.… e6[12]や4.… Nc6[6]と指す手もある。4.… Nc6と指すと5.cd Qxd5 6.Nf3 e5 7.Nc3 Bb4 8.Bd2と進行する[6]

黒の5手目では他に5.… g6がある。5.… g6と指すと6.Qb3 Bg7 7.cd 0-0 8.Be2 Nbd7 9.Bf3 Nb6と進行する[6]。5.… Nc6は1935年モスクワで対局されたボトヴィニク対スピールマン戦で指された手で[13]、6.Bg5 Qb6 7.cd Qxb2? 8.Rc1! Nb4 9.Na4 Qxa2 10.Bc4 Bg4 11.Nf3となり黒のスピールマンが投了した(黒はクイーンを逃がすにはナイトを捨てなければならない)[13]。この手順の途中6.… e6とすると7.cd ed 8.Bxf6 gfとなり黒のポーンの形が悪くなる[14]

参考文献[編集]

脚注・出典[編集]

  1. ^ 『定跡と戦い方』、87頁。
  2. ^ a b 『定跡と戦い方』、86頁。
  3. ^ 『定跡と戦い方』、87-89頁。
  4. ^ a b c d e 『やさしい実戦集』、84頁。
  5. ^ a b c d e 『定跡と戦い方』、88頁。
  6. ^ a b c d e 『定跡と戦い方』、90頁。
  7. ^ a b c d e 『やさしい実戦集』、85頁。
  8. ^ a b 『やさしい実戦集』、86頁。
  9. ^ 『定跡と戦い方』、88-89頁。
  10. ^ a b c d e 『定跡と戦い方』、89頁。
  11. ^ 『やさしい実戦集』、87-89頁。
  12. ^ a b c 『やさしい実戦集』、88頁。
  13. ^ a b 『やさしい実戦集』、87-92頁。
  14. ^ 『やさしい実戦集』、89頁。
  15. ^ ISBNコードは新装版のもの。