ヤブニッケイ

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ヤブニッケイ
Cinnamomum tenuifolium2.jpg
ヤブニッケイ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : モクレン類 Magnoliids
: クスノキ目 Laurales
: クスノキ科 Lauraceae
: クスノキ属 Cinnamomum
: ヤブニッケイ C. yabunikkei
学名
Cinnamomum yabunikkei H.Ohba[1]
シノニム
和名
ヤブニッケイ(藪肉桂)、マツラニッケイ、クスタブ、クロダモ
英名
Japanese Cinnamon

ヤブニッケイ(藪肉桂、学名: Cinnamomum yabunikkei)は、クスノキ科クスノキ属植物の一種。別名マツラニッケイ(松浦肉桂)[9]、クスタブ[9]、クロダモ[9]ウスバヤブニッケイ[1]ナンジャモドキ[1]

分布・生育環境など[編集]

日本本州福島県以南)、四国九州沖縄朝鮮済州島中国に分布するとされるが[10]、日本における自然分布は、近畿以南から沖縄の範囲までと言われている[9]

乾燥に強く、暖地の野山、雑木林にふつうに見られる[10][11]シイ林やタブ林の二次林の構成種として重要である。なお、似たような環境に生育するもので、よく似たものにシロダモがある。ヤブニッケイの別名にクロダモがあり、それと対比させたものと思われる[要出典]

特徴[編集]

常緑広葉樹[9]高木だが、さほど背が高くはならず、せいぜい15メートル (m) といわれる。樹皮は灰黒色で滑らか。

はほぼ対生につくが、ややずれていたり、互生に見えるものもあり、亜対生と言われる。葉身は長さ6 - 12センチメートル (cm) の長楕円形で芳香があり[10][9]、さほど厚くはないが、革質でごわごわしており、やや波打っていることが多い。深緑色で、表面にはつやが強く、はっきりとした3本の葉脈が白っぽく透けて見え、2本の側脈は肩のあたりで消える[10][9]。葉の形等に変異が多く、分類は複雑である。沖縄ではシバニッケイマルバニッケイとの雑種らしいものが知られている。

花期は6 - 7月[10]。枝先の葉腋から長い柄を出して、散形状に淡黄緑色の小花をまばらに数個付ける[9]。花被は筒型で、上部は6裂する[9]果実は長さ約15ミリメートル (mm)で、10 - 11月になると黒っぽく熟す[10][9]

利用[編集]

樹木は庭木などにされ、花や果実は目立たないが、生長が良く葉がよく茂るため、隣地との目隠しを目的とした植栽に向いている[11]。また、潮風にもやや耐えるため、海から少し離れた場所での防風植栽としても期待されている[11]。植栽適期は、3月下旬 - 4月、6月下旬 - 7月中旬、9月とされる[9]

材は建築材器具材として使われる。葉や樹皮は薬用に使われ、種子からは香油を取ることができる[10]。また、根皮などに香気があるがニッケイよりは劣る。

脚注[編集]

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  1. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Cinnamomum yabunikkei H.Ohba” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年6月27日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Cinnamomum tenuifolium Sugim.” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年6月27日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Cinnamomum tenuifolium (Makino) Sugim. f. nervosum (Meisn.) H.Hara” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年6月27日閲覧。
  4. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Cinnamomum pedunculatum Nees” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年6月27日閲覧。
  5. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Cinnamomum japonicum auct. non Siebold” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年6月27日閲覧。
  6. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Cinnamomum japonicum Siebold ex Nakai f. tenuifolium (Makino) Sugim.” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年6月27日閲覧。
  7. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Cinnamomum japonicum Siebold ex Nakai” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年6月27日閲覧。
  8. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Cinnamomum insularimontanum auct. non Hayata” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年6月27日閲覧。
  9. ^ a b c d e f g h i j k 山﨑誠子 2019, p. 88.
  10. ^ a b c d e f g 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 64.
  11. ^ a b c 山﨑誠子 2019, p. 89.

参考文献[編集]

  • 山﨑誠子 『植栽大図鑑[改訂版]』エクスナレッジ、2019年6月7日、88 - 89頁。ISBN 978-4-7678-2625-7 
  • 平野隆久監修 永岡書店編 『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、64頁。ISBN 4-522-21557-6 
  • 茂木透写真 『樹に咲く花 離弁花1』高橋秀男勝山輝男監修(改訂第3版)、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2003年、398頁。ISBN 4-635-07003-4 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]