マユミ

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マユミ
Euonymus hamiltonianus from Japan Wikipedia.jpg
マユミ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ニシキギ目 Celastrales
: ニシキギ科 Celastraceae
: ニシキギ属 Euonymus
: マユミ E. hamiltonianus
学名
Euonymus sieboldianus Blume var. sieboldianus[1]
シノニム
和名
マユミ

マユミ(檀[7]・真弓[7]・檀弓、学名Euonymus sieboldianus var. sieboldianus)とは、ニシキギ科ニシキギ属の木本。別名ヤマニシキギ(山錦木)、カンサイマユミ[1]、オオバマユミ[1]、エゾオオバマユミ[1]とも呼ばれる。和名の由来は、昔この木から弓が作られたことに因む[8]

日本と中国の林に自生する。秋に果実種子紅葉を楽しむ庭木として親しまれ、盆栽に仕立てられることもある。

分布[編集]

日本の北海道本州四国九州屋久島まで、および日本国外では南千島サハリン朝鮮半島南部、中国に分布する[8]。丘陵地や山地、山野に自生する[8][7]

形態・生態[編集]

落葉広葉樹の低木または小高木[8][7]雌雄異株[8]樹皮は灰白色で[8]、幹には縦の裂け目が入り、老木になると割れ目が深くなって目立ち、剥がれるようになる[7]。1年目の枝は、しなやかで稜があり、暗緑色をしているが、日光の当たる方向は暗紅色を帯びる[7]

対生で、葉身は楕円形で葉縁に細かい鋸歯があり[8]葉脈がはっきりしている。芽は丸々としているが、近縁種のツリバナは新芽が鋭く尖っている。

開花時期は晩春から初夏(5 - 6月)[8]。花色は薄い緑色で、新しい梢の根本近くに四弁の小花がつく。

果実は枝にぶら下がるようにしてつき、小さく角ばった4裂の姿。秋の果実の色は品種により白、薄紅、濃紅と異なるが、どれも熟すと果皮が4つに割れ、鮮烈な赤い種子が4つ現れる[8]。市販のマユミは雌木しか出回っていないが、雌木1本で果実がなる。冬は鮮やかだった色が抜けたような果実が残る[7]。実がかなり遅くまで残るので、秋と冬にはヒヨドリメジロが食べに来る。

冬芽は枝に対生し、卵形で枝と同色で縁に毛の生えた芽鱗8 - 12枚に包まれている[7]。葉痕は半円形で、白くて目立ち、弧状の維管束痕が1個つく[7]

福島県郡山市にある、舘の大マユミ (たてのおおまゆみ)
樹高6 m、胸高直径100 cm、推定樹齢は300年以上[9]

栽培[編集]

剪定をする場合は落葉中に行う。成長は早い。若木のうちに樹形の骨格を作り、分枝させたら、その後の強い剪定は避ける。切り詰めすぎると花と果実がつかない。根が浅く、根元が乾燥しすぎると弱り、果実が落ちる。水分条件さえ良ければ剛健で、病害虫はあまり発生しない。

利用方法[編集]

材質が強い上によくしなる為、古来よりの材料として知られ、名前の由来になった[10]。この木で作られた弓のことや、単なる弓の美称も真弓という。和紙の材料にもなったが、にとって代わられた。材は狂いが少なく、細工物に使われ[8]、現在では印鑑の材料になっている。

新芽は山菜として利用される。天麩羅やおひたしなどに向く。なお、種子に含まれる脂肪油には薬理作用の激しい成分が含まれており、少量でも吐き気や下痢、大量に摂取すれば筋肉の麻痺を引き起こすため、種子は食べてはならない。

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Euonymus sieboldianus Blume var. sieboldianus” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年10月6日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Euonymus sieboldianus Blume var. megaphyllus H.Hara” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年10月6日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Euonymus sieboldianus Blume var. yedoensis (Koehne) H.Hara” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年10月6日閲覧。
  4. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Euonymus sieboldianus Blume f. calocarpus (Koehne) Sugim.” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年10月6日閲覧。
  5. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Euonymus hamiltonianus auct. non Wall.” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年10月6日閲覧。
  6. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Euonymus hamiltonianus Wall. subsp. sieboldianus (Blume) H.Hara” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年10月6日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 211.
  8. ^ a b c d e f g h i j 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 137.
  9. ^ 舘の大マユミ - 郡山市観光協会
  10. ^ 中村 享『万葉鉢づくり』立風書房、1990年6月30日、p.68, 69。ISBN 4-651-86010-9

参考文献[編集]

  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、211頁。ISBN 978-4-416-61438-9
  • 平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、137頁。ISBN 4-522-21557-6

関連項目[編集]

  • 真弓紙
  • 伊勢物語:24段に「梓弓真弓槻弓年を経て我がせしがごとうるはしみせよ」という歌がある。
  • 檀れい:女優。本名の「まゆみ」と芸名の姓の由来になっている。