ボンボニエール

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ルーマニア王カロル1世が用いたボンボニエール
クリスタル製のボンボニエール(ヨーロッパ)

ボンボニエールフランス語: Bonbonnière)は、もともと砂糖菓子(ボンボン菓子)を入れる容器を指す語[1]。「ボンボン入れ」[1]

ヨーロッパでは子供の誕生祝いや結婚祝いなど慶事に際して砂糖菓子が贈られることが多く[2]菓子を納めるボンボニエールにも記念品としての性格が生じた。日本では近代以降、宮中宴会の記念品(引出物)として配布される意匠を凝らした菓子器・工芸品がこの名で呼ばれる[3]

歴史[編集]

日本の皇室行事とボンボニエール[編集]

Camera-photo Upload.svg 画像提供依頼:皇室から下賜されたボンボニエールの画像提供をお願いします。2016年10月

近代以後の日本の宮中晩餐会では、金平糖を納め、細工を施されたボンボニエールが記念品として配布されるのが慣わしとなった。松平乘昌によれば、日本の「ボンボニエール」は「名称本来のボンボンの菓子器とされているものの実体とはかなりかけ離れ」[4]た独自の存在となった。

日本には伝統的に慶事の引出物としての菓子器が存在した。明治以降に西洋の要素が取り入れられ「ボンボニエール」と称されるようになったが、宮中行事の中に定着する過程ははっきりしない。明治27年(1894年)の大婚25年晩餐会(明治天皇昭憲皇太后銀婚式)に引出物として鶴亀の銀菓子器が登場したのが記録に残るが、「ボンボニエール」という名では呼ばれていない[5]昭和3年(1928年)の昭和天皇即位大礼の宴会に際しては公式記録に「ボンボニエール」が配布されたことが記載されており[6]、この間に役割と名称が定着したと見られる[7]

素材はが多いが、漆工陶磁器なども見られ[8]、これに螺鈿[8]、また七宝など[2]で装飾され、繊細な細工がほどこされた。デザインは配布ごとに新たに作られる場合と、作り置きされたものを配布する場合とがあった。

鶴亀など伝統的な瑞祥文様や、大礼時の威儀鉾・大太鼓など[7]、慶事に応じた古典に基づいた意匠が多い[2]。2014年に行われた典子女王の結婚式では、彼女のお印であると、相手の千家国麿家の家紋をあしらった陶磁器製のボンボニエールが贈られた[9]

脚注[編集]

  1. ^ a b ボンボニエール”. デジタル大辞泉コトバンク所収). 2014年5月27日閲覧。
  2. ^ a b c 皇室のご慶事・銀のボンボニエール”. 思文閣美術館. 2014年5月27日閲覧。
  3. ^ 松平乘昌「ボンボニエール事始め」、松平乘昌編『図説 宮中晩餐会』(河出書房新社、2012年)p.78
  4. ^ 松平(2012年)、p.78
  5. ^ 松平(2012年)、p.80
  6. ^ 松平(2012年)、pp.81-83
  7. ^ a b 松平(2012年)、pp.82-83
  8. ^ a b 松平(2012年)、p.83
  9. ^ “典子さん「皇族ノ身分ヲ離ル」 宮内庁が皇統譜に署名”. 朝日新聞. (2014年10月6日). http://www.asahi.com/articles/ASGB634Z8GB6UTIL01N.html 2016年1月8日閲覧。 

参考文献[編集]

外部リンク[編集]