ベータ関数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

数学に於いて、ベータ関数(ベータかんすう, beta function)とは、ルシャンドル定義に従って第一種オイラー積分とも呼ばれる特殊関数である。

定義[編集]

\Re(x)>0, \Re(y)>0を満たすx, yに対して、


 \mathrm{\Beta}(x,y) = \int_0^1t^{x-1}(1-t)^{y-1}\,dt
\!

に拠って定義される関数ベータ関数と呼ぶ。

性質[編集]

対称性

ベータ関数は次のような対称性を持つ。


 \mathrm{\Beta}(x,y) = \mathrm{\Beta}(y,x).
\!


関数等式

ベータ関数は次の関係式を満たす。

  • 
x \mathrm{\Beta}(x,y+1) = y \mathrm{\Beta}(x+1,y).
\!
  • 
 \mathrm{\Beta}(x,y) = \mathrm{\Beta}(x+1,y) + \mathrm{\Beta}(x,y+1).
\!
  • 
(x+y) \mathrm{\Beta}(x,y+1) =y \mathrm{\Beta}(x,y).
\!


積分表示

積分に拠る定義に於いて、変数変換を行うことで、以下の形にも表示できる。

  • 
 \mathrm{\Beta}(x,y) =
  2\int_0^{\pi/2}\sin^{2x-1}\theta\cos^{2y-1}\theta\,d\theta,
  \qquad \Re(x)>0,\ \Re(y)>0
\!
  • 
 \mathrm{\Beta}(x,y) =
  \int_0^\infty\frac{t^{x-1}}{(1+t)^{x+y}}\,dt,
  \qquad \Re(x)>0,\ \Re(y)>0
\!
  • 
 \mathrm{\Beta}(x,y) =
\frac{1}{2^{x+y-1}}
  \int_{-1}^{1} (1+t)^{x-1}(1-t)^{y-1} \,dt,
  \qquad \Re(x)>0,\ \Re(y)>0
\!


ポッホハマーの表示

\log(\zeta(\zeta-1))リーマン面上の積分路として、実軸上の(0,1)内の点から出発し、1を正の向きに、0を正の向きに、1を負の向きに、0を負の向きの順で回って、元の点に戻るポッホハマーの積分路を取れば、次のポッホハマーの表示が成り立つ。


 \mathrm{\Beta}=
\frac{e^{-i\pi(x+y)}}{4\sin{\pi x}\sin{\pi y}}
\int_{C}\zeta^{x-1}(1-\zeta)^{y-1} \, d\zeta


ガンマ関数との関係

ベータ関数は、次のようにガンマ関数と結び付く。


 \mathrm{\Beta}(x,y)=\frac{\Gamma(x)\,\Gamma(y)}{\Gamma(x+y)}
\!


級数表示


 \mathrm{\Beta}(x,y) =
  \frac{1}{y}\sum_{n=0}^\infty(-1)^n\frac{y^{\underline{n+1}}}{n!(x+n)}
\!

但し、x^{\underline{n}}は下降階乗冪

x^{\underline{n}}=x(x-1)(x-2)\cdots(x-n+1)

である。


特殊値

x=y=\frac{1}{2}のとき、以下が成り立つ。

\Beta \biggl ( \frac{1}{2}, \frac{1}{2} \biggr )= \pi
 \,

整数l, mに対して、以下が成り立つ。

\Beta(l,m)= \frac{(l-1)!(m-1)!}{(l+m-1)!}
 \,

参考文献[編集]

  • E. T. Whittaker and G. N. Watson, A Course of Modern Analysis. Cambridge University Press 1927.

関連項目[編集]

外部リンク[編集]