プロテイン

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プロテイン(protein)は、タンパク質のことである。ただし、日常の日本語で「プロテイン」といった場合は、タンパク質を主成分とするプロテインサプリメントのことを指す場合が多く、本項でもこの内容を記す。

概要[編集]

プロテインサプリメントは日本でいう健康食品の一種である。これらは必須アミノ酸をバランス良く、あるいは極端に偏って配合してあり、不足が予測される栄養素を補助するために用いられる。その多くは粉ミルクに類似した外見を持つ乳白色の粉末であるが、風味を加えたものは様々な着色された製品も見られる(後述)。この粉末を水などの液体に溶いて流動食のようにして食べる(飲み下す)。

アスリートボディビルダーはトレーニングの後に損傷した筋肉の修復の為タンパク質を必要とし、このとき摂取したタンパク質は、筋肉の修復に使用され、場合によっては筋肉が肥大し、筋力が上昇する可能性が出る。筋肉が肥大し筋力が上昇するか否かは、トレーニング内容と強度、栄養状態、その他たくさんの条件から決定される。いわゆるアナボリックな状態で、筋肉に危機感を与えるトレーニングをしなければ、筋肥大はしない。トレーニング期間が浅い場合は、ある程度体が発達しやすいが、特に筋肉の大きい上級者は、筋肉が刺激に慣れていることからさらなる発達は難しく、ハードなトレーニングと複雑な工夫が必要となる。タンパク質はといった動物や、穀物ないしといった植物などからも摂取できるが、それらからタンパク質を大量に採取しようとすると、往々にして動物からは脂肪分が、植物の場合には炭水化物を大量に摂取することに繋がり、その結果としてカロリー摂取過多となり余分な体脂肪をつける原因となる。さらに、筋力質な体型を維持するだけでも1日に体重×1.5~2gのタンパク質が必要となる。このため炭水化物や脂肪分を除去し精製し、タンパク質含有率を高めたプロテインが必要となる。吸収効率の面から言っても普段の食品より、プロテインの方が優れている。従って現在ではアスリートにとってプロテインは必需品である。

原料は、特定の動植物から得られたものである場合もあれば、細菌など菌類を使って合成・抽出される場合もある。いずれの場合においても、不純物が混入しないよう、様々な化学的工程を経て精製されたものである。

プロテイン摂取の際でも、ミネラル類や各種ビタミン、その他の栄養素は通常の食事で摂取する必要がある。徹底してサプリメントを好む、あるいは栄養バランス調整を行っている者は、他の栄養素もサプリメントから得ようとする場合もみられる。この場合は栄養学的観点から必要摂取量を測っているなら問題は生じないが、生半可な知識で行うと栄養失調の恐れもある。

なお、プロテインサプリメントとしては様々な機能性食品(食物繊維など)としての機能を持つものがある。一般に行われるダイエットなどでは摂食制限から栄養失調に陥る危険性も指摘されているが、そのダイエット向けプロテインサプリメントでは、総合栄養食として不足しがちなビタミンミネラルなどの栄養素を配合してある、所定のダイエット食品と一緒に食べることを前提とした製品も見られる。これらはその前提に沿う限りにおいて、カロリー制限されながらも必須栄養素をバランス良く含む食事が行えるようになっている。

プロテインの用途と一般的な認知[編集]

主に、筋肉を維持または増強する目的で摂取されるが、プロテインサプリメント自体は単なる「高タンパク食品」でしかなく、薬物的な筋肉増強効果はない。適切なトレーニングや食事と併用し、これらを数ヶ月あるいは数年といった長期にわたって継続することで初めて効果が期待できる。

しかし、一部ではプロスポーツの選手やボディビルダーが愛用しているなどのイメージから、アナボリックステロイドのような筋肉増強剤と混同している者もおり(増強剤は市販されていない)、運動せずとも摂食すれば、筋肉がつくという誤ったイメージを持つ者もいる。プロテインは、食事からの摂取でも、粉末状にしたものでも、体内では同じように分解され同じアミノ酸として吸収されるので、食事で摂るタンパク質と同様である。

痩身目的でのプロテイン[編集]

健康ブームやダイエットブームの一端としては、痩身を目的として摂取するサプリメントとしても人気が高まっているが、プロテインは単なる栄養補助食品で、薬理効果はない。タンパク質は栄養学的に生理的熱量が存在する(プロテインサプリメント1gで3.5~4kcal程度)ので、運動やトレーニングを全くしていない者が、通常の食事に加えてプロテインを摂取するのは、普段の食事量が増える事と同じであり、肥満につながる事がある。ダイエット目的の場合は、食事に置き換えることが必要である。

食餌療法(ダイエット)での痩身は、消費カロリーよりも摂取カロリーを抑えることで行われる様式があるが、こういった食餌制限による方法では、往々にしてタンパク質摂取量までもが不足し、その結果体重は減ったものの、脂肪よりも筋肉や基礎代謝が大きく落ち込んでしまい、食餌制限の中途あるいは終了後に体調悪化やリバウンドを引き起こすという場合がある。これらの対策のため、プロテインが補助的に利用される。

またリバウンド防止の観点からウエイトトレーニングを通して筋肉の総量を増やし、基礎代謝を増加させようという場合もあり、この際にも筋量アップのためにトレーニングと平行してプロテインが利用される。

ただし同体積の筋肉は脂肪に比べて重いので、外見に痩身効果があっても、体重は減りにくいこともある。

プロテインの種類[編集]

ホエイプロテイン[編集]

  • 原料牛乳から作られるホエイ蛋白(乳清)を使用
  • 1990年代から浸透膜技術の発達により急速に安価になった
  • 他の製法ではどうしても残る「粉っぽさ」(これゆえにプロテインを敬遠する人も多かった)が無い為、後述のカゼインプロテインを駆逐した。現在では、水に溶かすと殆どスポーツドリンクと同じ口当たりの商品さえある
特徴
  • 摂取後の消化が速く、タンパク質合成を促進する(アナボリック)
  • 消化が速い分、異化(エネルギーとして消費されてしまうこと)を防ぎにくい(こまめに摂取することでカゼイン同様抗カタボリック効果が得られることが研究で示されている)
  • 他の原材料のプロテインと比較すると相対的に安価である
ホエイのプロテインの種類
  • ホエイプロテインコンセントレート(WPC)
    ホエイプロテインの中では一番安価で、免疫をサポートする天然のタンパク質分画が含まれているが、ホエイプロテイン中でラクトース(乳糖)が一番多く含まれている

このため乳糖不耐症などの人は、WPC大量摂取をした際に消化・吸収しきれず下痢になる可能性もある

  • ホエイプロテインアイソレート(WPI)
    WPCより高価だが、gあたりのたんぱく質含有量がWPCより多く、炭水化物が少ない。ただ、免疫をサポートする天然のタンパク質分画が製造過程でろ過されてしまっている。
    精製方式により、クロスフローマイクロフィルトレーション(CFM)とイオン交換法がある。CFMの方がラクトフェリン等が残存しやすい。
  • 加水分解ホエイペプチド(WPH)
    ホエイプロテインの中で一番精製されているため、gあたりのたんぱく質含有量がホエイプロテインの中で最も多い。ただし、ホエイプロテインの中では一番高価。WPCより溶かすのが容易

カゼインプロテイン[編集]

特徴
  • 摂取後の消化が遅く、異化を防ぎやすい(抗カタボリック)
  • やや高価である
カゼインプロテインの種類
  • カゼインカルシウム(カゼイン塩)
  • カゼインミセル(ミセラーカゼイン)

ソイプロテイン[編集]

  • 原料に大豆たんぱくを使用
特徴
  • 大豆イソフラボンの作用を受ける
  • 大豆由来のイソフラボンが持つエストロゲン様作用(ホルモンのように働いてしまうこと)をもたらす可能性がある
  • 粉っぽく、何で溶いても飲みにくい
  • ホエイプロテインより安価な製品がある。

エッグプロテイン[編集]

特徴
  • 高価である

プロテインのパッケージ形態[編集]

プロテインのパッケージには、様々な種類がある。
主なものは、プラスチックボトル、チャック付ポリラミネート袋などで、
開封後も内容物を湿気などから保護する機能を持つものが多い。

備考[編集]

最近はホエイプロテインが主流で、主にパウダー(粉)状に加工されている。
水に溶け難い難溶性のため、良く攪拌するためのシェイカーも市販されている。
プレーン味の他、バニラチョコストロベリーなど様々な風味がついた製品も多く登場している。
これらは大量に摂取する際に、味気ないプロテインをとりやすくするものだが、ダイエット用途では甘味料に低カロリー甘味料を使うなどの工夫が凝らされているものも見られる。

プロテインの消費・流通は日本よりも欧米などフィットネスや痩身行動の盛んな地域で活発であり、製品間の競争も激しく、市場原理の結果として価格面や製品特色の面で選択肢が広い。
生産量の差もあり、日本国内メーカーのプロテインは、欧米に流通している主要製品と比較し、かなり割高な価格設定となっている。
このため日本でも、米国をはじめとする国外メーカーのプロテインを個人輸入などの形で買い求める人も多いが、国内メーカーのプロテインにも、味の選択肢が豊富であったり、ビタミン類を含んでいる場合が多かったり、溶かしやすかったりと優れている点がある。

飲み方[編集]

  • パウダー1食分を牛乳や水など300ccに溶かし(シェイク)、食事の補助として飲むのが一般的である。決して美味なものではないため、味のある牛乳に溶かした方が初心者には飲みやすい。現在は固形物も出ている。
  • 溶かす容器は何でもいい。ネーム入りのシェイカー(シェイクすることを想定し、容量500ccの物が多い)を発売しているメーカーもある。シェイカーについて勘違いしている人が多いが、これはパウダーだけを持って外出し、遠征先などで作って飲む事のみを想定しており、ドリンク状にしたものを持ち歩くためのものではない。シェイカーの蓋に耐水シールは施されていないので、このような事をするとプロテイン溶液が漏れてバッグ内を汚す原因になる。
  • プロテイン(特にホエイプロテイン)は1回作るごとにその場で全部飲み干すこと(時間をおいた物は重篤な食中毒を引き起こす原因となる)。
  • トレーニング時は、トレーニング開始から30分前、トレーニング後は内臓の血流が落ち吸収が悪くなるのでBCAA等のアミノ酸の方が好ましい。
  • 筋肥大や維持に、就寝前などの摂取を勧めているものもある(就寝後は成長ホルモン分泌が活発になるため)。
  • タンパク質は一度に大量摂取しても体内で消化吸収しきれないため、タンパク質摂取量は(他の食事分も合わせて)1食あたり最大でも 30~50g 程度にするのがよいとされている。
  • 1日に必要なタンパク質の量は除脂肪体重1kg あたり 1~1.2g と言われているが、運動やトレーニングをする者はその頻度・強度あるいは年齢性別により、除脂肪体重 1kg あたり 1.5~3g が摂取の目安とされている。

主な日本の参入メーカー[編集]

日本のプロテイン(左ザバス、右ウィダー)

脚注[編集]


関連項目[編集]