プロテイン

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プロテイン(protein)は、タンパク質のことである。日本語でも通常「プロテイン」と言えば、まずタンパク質を意味している[1]

プロテインの1番目の意味に関しては、「タンパク質」という別記事が立てられているので、そちらで説明を行う。

「プロテイン」の2番目の意味として、タンパク質を主成分とするプロテインサプリメントのことを指す場合もある[1]

1番目の意味は別記事「たんぱく質」で行うので、以下では、主に2番目の意味の方の説明をする。

概要[編集]

プロテイン粉末(写真中央)をシェーカーに入った牛乳(写真左)に入れ、シェイクして(よく振って)、溶かしたところ(写真右)

プロテインサプリメントは、タンパク質を主成分とした粉末であり、この粉末を水やミルクなどに溶いて飲むものである。やや溶けにくい性質があるので、基本的にはコップで簡単には溶けないので、基本的には「シェイカー」と呼ばれる容器に水やミルクとプロテインサプリの粉末を入れてよく振って溶かしてから飲まれている。タンパク質が主成分でありタンパク質を摂る目的で飲まれるので「プロテイン」と呼ばれている。ただし健康に配慮してさまざまなビタミン類も配合している製品は多い。

日本のスーパーマーケットやドラッグストアやネット通販などでは、「健康食品」や「サプリメント」や「栄養補助食品」に分類され、該当の棚に配置されたりあるいは該当カテゴリのページに表示されている。分類名は店舗や通販によりまちまちであり一定していない。

「サプリメント」と言えば通常は錠剤やカプセルであるにもかかわらずプロテインサプリメントの場合はあくまで粉末状である。粉末状なのでプロテインパウダーとも呼ばれている[2][3]。つまり、実は呼び方もひとつに決まっているわけではない。それを理解していただいたうえで、以下の説明では「プロテインサプリメント」と呼ぶ。

種類

プロテインサプリメントは、タンパク質の原料により、「ホエイ」「ソイ」などと下位分類されている。「ホエイ」というのは牛乳の《ホエイ蛋白(乳清)》を原料としており、「ソイ」というのは《大豆たんぱく》を原料としている。前者はホエイプロテインともいい、後者をソイプロテインともいう。 #プロテインの種類

ホエイプロテインはさらに下位分類され、ホエイプロテインコンセントレート(WPC)とホエイプロテインアイソレート(WPI)に分類される。 WPCはWPIよりタンパク質の純度が低いが値段も安く、結果として一番購入されている。WPIはWPCよりもタンパク質を高純度に含有するが一般にWPCよりも値段が高く流通量が少ない。また、WPIはろ過の過程でタンパク質以外の栄養成分が失われる。WPIは日本人がお腹を壊す原因となることの多いラクトースも除去するので、もし乳糖不耐症の人が牛乳由来のプロテインを摂取するならWPCよりもWPIを選ぶ方がよい。(あるいは次に説明するように、ソイプロテインを選ぶとよい。)

日本人は乳糖不耐症の人の割合が非常に高く、「日本人は3人に2人が乳糖不耐症」とも言われており[4]、こういう人がWPCを飲んでしまうといわゆる「お腹がゴロゴロ」した状態になってしまい、ガスが大量に発生して、見るからにお腹が膨張したり、下痢を起こすなど悲惨な状況に陥る)。したがって、日本人の間では大豆由来の(つまり日本人が普段食べ慣れている豆腐と同じ原料の)ソイプロテインを選ぶ人も相当に多い。価格的にもWPCとソイプロテインはほぼ同等であり、その意味でもソイプロテインが好適な選択肢となる。(結局のところ、日本人の場合、WPCのほうを長期的に摂取できる人というのは、わずか3人に1人しかいないような「乳糖を分解できる酵素を持っている人」だけ、という状態になっている。自分が乳糖不耐症だと知らなかった人が、うっかりWPCを購入した場合、お腹の「ゴロゴロ感」に懲りて、ソイプロテインに切り替えてしまう(あるいは懲りすぎて、二度とプロテインサプリ全般を買わなくなってしまう。)。

なおタンパク質は、体内で一旦アミノ酸に分解されてから吸収され、体内でタンパク質に再合成されているので、その意味で「プロテイン」よりもむしろ「アミノ酸」という名称を全面に押し出している商品もある。

他にも牛乳のカゼインプロテインを主原料にしたものや、卵のタンパク質を主原料としたものも、あると言えばある。(だが日本での流通量としては、ホエイプロテインとソイプロテインが多い。)[注 1]

風味に関しては基本的には、ホエイプロテインのほうは牛乳に似た風味であり、ソイプロテインのほうは豆乳に似た風味である。そのままの「プレーン」な風味のものもあるが、プロテインサプリメントにはさまざまなフレーバーを加えた製品も多く、たとえばココア風味、チョコレート風味、コーヒー風味、紅茶風味、抹茶風味、ヨーグルト風味、バナナ風味...などさまざまな風味の製品がある。

プロテインサプリメントを摂取する目的、状況

プロテインサプリメントを摂取する目的は人によりさまざまである。たとえば次のような目的で摂られている(あくまで例である)。

  • 筋肉隆々の身体にするため。ボディービルダーに似た体型をつくるため。あるいはすでにボディービルダーになっている人が、その身体を維持し大会で勝ち続けるため。
  • スリム(細身)な体型になるため。現状では体脂肪率が高すぎて、すっかり「肥満体型」になってしまっていて、お腹まわりに「ぶ厚い脂肪の層」ができていて、内蔵脂肪も増えすぎているので、その脂肪を減らすために栄養の構成比率を改善するため。
  • (サラリーマンなど)勤務先の周辺の飲食店で外食中心の食生活をしていると、炭水化物や脂質ばかりがやたらと多い料理ばかりを毎日提供されてしまうので、外食で崩れた栄養バランスを取り戻すため。(昼間に外食で炭水化物過剰の食事ばかりになってしまう人が、夕食はプロテインサプリに置き換えてバランスをとる、など。)
  • 忙しすぎて、あるいは無精で、ついつい毎日、毎食カップ麺(つまり炭水化物ばかりが過剰な食)ばかり食べている人が、栄養バランスを取り戻すために、不足しているタンパク質を補うために、毎食カップ麺に加えてプロテインを飲む。あるいは毎日3食のうち1食をプロテインサプリメントに置き換える。
  • (仕事が毎日極端に忙しくて、昼休みの数十分の食事休憩の時間すらまともに確保できないなど)食事の時間もまともにとれない人の場合、手早く、肥満になる要因の炭水化物を避けつつ、身体が必要としている基本栄養素を最低限とりあえず摂るため。(シェイカーに水と粉末を入れてシェイクしてコップに移して飲み終わるまで、わずか1〜2分ほどで済む)。多忙が原因の「食事抜き」や「絶食」という悲惨な状態を避けるため。(おにぎりやパンだとコンビニに買いに行かなければならず、仕事が忙しすぎる人はその時間すらとれないものだが、プロテインサプリメントなら職場のロッカーやデスクの引き出し内などに置いておくことができ、いつでも2分ほどで、基本的な栄養を、バランス良くとれるから。)
#用途

プロテインサプリメントを使えば、きわめて簡単にタンパク質(アミノ酸)を摂取することができる。 たとえばアスリートボディビルダーなど、トレーニング直後の効果的な時間に、タンパク質(アミノ酸)を摂取することができる。

プロテインサプリメントは、日々、普通の食材から栄養を得つつ、食事の時に一緒に飲むものだ、という前提で栄養素の構成が設計されている。

なお、プロテインサプリメントの一部(あるいは大半)は様々な機能性食品としての機能を持つものがある。たとえば不足しがちなビタミンミネラルなどを配合してある製品も多数ある。特にウェイトダウン(減量)向けのプロテインサプリメントでは、体脂肪を減らすのに効果があるとされるガルシニアのエキスを配合してある製品もある。

注意点

プロテインサプリメントを摂る場合でも、3食全部を「プロテインサプリメントだけ」にしないほうがよい。 プロテインサプリメントは、ユーザーが、日々普通の食材からも栄養素を摂取することを前提に開発されている。つまり、あくまで普通の食材からの栄養摂取に加えて補助的に飲まれることを前提にして開発されている。たとえば明治のザバスのパッケージには「おすすめの飲用シーン」として「目安:1日2回。食事にプラス」と書いてある。たとえばアサヒのディアナチュラActiveのパッケージにも「おすすめのタイミング」として「目安:1日1〜2回。運動時(あるいは)食事時(あるいは)就寝前」と書いてある。プロテインサプリメントを開発しているメーカー自体が「3食すべてをプロテインサプリメント」にされることを望んでおらず、そういう極端に偏った異常な摂取のしかたは想定していないのである。

ストイックにダイエットしたりボディービルディングしている人でも、ある程度は普通の食材から栄養を摂ったほうがよく、少なくとも3食のうち1食は普通の鶏ササミ鶏ムネ肉、またたまねぎ長ネギレタスキャベツトマト大根しめじしいたけなどを摂ったほうがよい。炭水化物のとりすぎに気をつけている人の場合は、イモ類やカボチャなどを避けることに気をつけさえすれば、炭水化物を避けてカロリーを低く保ちつつさまざまな野菜を摂ることができる(細かい数値は各食材の栄養素の表を確認のこと)。

1日3食サプリメントだけで栄養摂取しようとする場合は、中長期的には栄養失調を起こす恐れがある。 おまけに「3食サプリメントだけ」で長期的に(3ヶ月だとか、1年だとか数年だとか)過ごすような人は(特に大会で入賞したり優勝することで頭が一杯になってしまったボディビルダーなどは、極端なことをやらかしがちで)、実際、原因不明の突然死など、短命に終わってしまうケースがそれなりにあるのでメーカーも警戒している。(そういう危険性があるから「おすすめの飲用シーン」とか「おすすめのタイミング」などという書き方で、プロテインサプリメントというのは3食、普通の食材から栄養をとることを前提にしていることを漠然と示している。それによって(一部の人がやらかしてしまうわけだが)「3食全部、プロテインサプリメントだけ」などという異常な摂取方法をしないように誘導しているわけである。)人間の身体というのは単純な機械ではない。自然科学や栄養学もまだまだ不完全であり発展途上であり、生体や生体で機能する微量物質に関してもまだまだ解明しきれていない部分は多い。つまり、単純な「栄養分類表」で「栄養素」として今のところ列挙されておらず、まだ研究されてもいなかったりまだ名前もつけられていないのに、実は生体にとって重要な働きをしていて、本物の野菜や本物の肉からしか摂取できないような微量物質というものは無数にある、と謙虚に理解したほうがよい。そうした物質を摂ることで安全を確保するためにも、できれば毎食少量でも普通の食材から、あるいは最低でも1日3食に1食は、サプリメントではない普通の食材から栄養を得たほうがよい。

  • 毎食や1日のタンパク質の摂取総量をよく計算して適量の範囲に収める。
    • タンパク質は適量摂取することは良いが、摂取のしすぎは腎臓に負担をかける。腎臓に負担をかけつづけるようなことを続けると、腎臓病の要因となり、将来、人工透析を受けなければ生きられないような身体になってしまい、早死する可能性が高まる。無節操に大量摂取するのではなく、次に説明する量をよく考慮して、毎食のタンパク質摂取総量や毎日の摂取総量をよく計算して、タンパク質の摂取量が「適量」の範囲に収めるように気をつけるべきである。たとえば鶏ササミや鶏ムネ肉や鶏卵などをたっぷり食べたら、そのタンパク質量を計算すれば分かるが、それだけでタンパク質の量は十分に足りているはずなので、それに加えてプロテインサプリを飲む必要はないはずである。タンパク質が足りている食事なのに、そこにプロテインサプリをさらに上乗せすると腎臓の負担になり害となる。
    • タンパク質は一度に大量摂取しても体内で消化吸収しきれず(そして腎臓の負担にもなるため)、タンパク質摂取量は(他の食事分も合わせて)1食あたり最大でも 30~50g 程度にするのがよいとされている。
    • 1日に必要なタンパク質の量は除脂肪体重1kg あたり 1~1.2g と言われているが、運動やトレーニングをする者はその頻度・強度あるいは年齢性別により、除脂肪体重 1kg あたり 1.5~3g が摂取の目安とされている。
    • なお(運動やトレーニングを大量に行っている)スポーツ選手やボディビルダー以外の、「普通の人」は、摂取しすぎると(かえって)肥満する[5]

プロテインの種類[編集]

ホエイプロテイン[編集]

  • 原料牛乳から作られるホエイ蛋白(乳清)を使用
  • 1990年代から浸透膜技術の発達により急速に安価になった
  • 他の製法ではどうしても残る「粉っぽさ」(これゆえにプロテインを敬遠する人も多かった)が無い為、後述のカゼインプロテインを駆逐した。現在では、水に溶かすと殆どスポーツドリンクと同じ口当たりの商品さえある
特徴
  • 摂取後の消化が速く、タンパク質合成を促進する(アナボリック)
  • 消化が速い分、異化(エネルギーとして消費されてしまうこと)を防ぎにくい(こまめに摂取することでカゼイン同様抗カタボリック効果が得られることが研究で示されている)
  • 他の原材料のプロテインと比較すると相対的に安価である
  • ホエイパウダー(乳清)、脱脂粉乳(スキムミルク)、粉ミルクを代用する人もいる。
ホエイのプロテインの種類
  • ホエイプロテインコンセントレート(WPC)
    ホエイプロテインの中では一番安価で、免疫をサポートする天然のタンパク質分画が含まれているが、ホエイプロテイン中でラクトース(乳糖)が一番多く含まれている。
    このため乳糖不耐症などの人は、WPC大量摂取をした際に消化・吸収しきれず下痢になる可能性もある。
  • ホエイプロテインアイソレート(WPI)
    WPCより高価だが、単位重量あたりのたんぱく質含有量がWPCより多く、炭水化物が少ない。
    精製方式により、クロスフローマイクロフィルトレーション(CFM)とイオン交換法がある。CFMの方がラクトフェリン等が残存しやすい。
  • 加水分解ホエイペプチド(WPH)
    ホエイプロテインの中で一番精製されているため、単位重量あたりのたんぱく質含有量がホエイプロテインの中で最も多い。ただし、ホエイプロテインの中では一番高価。WPCより溶かすのが容易

カゼインプロテイン[編集]

  • 原料に牛乳に含まれるカゼイン蛋白を使用
  • やや高価である
特徴
  • 摂取後の消化が遅く、異化を防ぎやすい(抗カタボリック)
カゼインプロテインの種類
  • カゼインカルシウム(カゼイン塩)
  • カゼインミセル(ミセラーカゼイン)

ソイプロテイン[編集]

  • 原料に大豆たんぱくを使用
  • ホエイプロテインより安価な製品がある。
特徴
  • 大豆イソフラボンの作用を受ける
  • 大豆由来のイソフラボンが持つエストロゲン様作用(ホルモンのように働いてしまうこと)をもたらす可能性がある
  • 摂取後の消化が遅く、異化を防ぎやすい(抗カタボリック)。体質により腹痛を起こす場合もある。
  • 消化が遅いため満腹感が有り、ダイエットフィットネスに用いる人もいる。
  • 粉っぽく、何で溶いても飲みにくい。
  • 大豆粉(きな粉とは異なる)、きな粉を代用する人もいる。

エッグプロテイン[編集]

  • 原料に鶏卵などの卵白を使用
  • 海外では、卵白に黄色く色を付けることで利用者の心理的負担を和らげた商品なども存在する。
  • 日本ではマヨネーズメーカーが副産物として乾燥した卵白を、製菓材料向けに販売しているケースが見られる。
  • 卵の白身だけを摂取すればよいので、ある意味調達が容易。
  • 高価であり、専用の商品は入手が困難。
特徴
  • 自宅で卵から卵白を調達する場合、卵黄の処理方法を考える必要がある。

ビーフプロテイン[編集]

特徴
  • 肉の味がする。
  • 塩気がある。
  • クレアチンビタミンBが含有されている。
  • 高価であり、専用の商品は入手が困難。

ピープロテイン[編集]

特徴
  • 豆の味がする。
  • 塩気がある。
  • アルギニンなどの栄養価が高い。

ライスプロテイン[編集]

  • 原料に玄米などの天然酵素を使用。
特徴
  • 発芽玄米から作られている。
  • 高価であり、専用の商品は入手が困難。


用途[編集]

筋肉を増量するため[編集]

筋肉を隆々とさせるため。ボディービルダーのような体型になるため。あるいはすでにボディービルダーになった人が、その体型を維持したり、ボディービルダー大会で勝つため。

筋肉がどの程度増量するか、筋力がどの程度上昇するか否かは、タンパク質の量だけで決まるわけではない。 トレーニング内容と強度、栄養状態、その他たくさんの条件で決まる。いわゆるアナボリックな状態で、筋肉に危機感を与えるトレーニングをしなければ、筋肥大はしない。トレーニング経験がほとんど無いような入門者の場合は、とりあえず身体の変化が起きやすいが、すでに筋肉が大きくなっている上級者の場合は、筋肉がすでに刺激に慣れているので、さらなる発達は難しく、ハードなトレーニングと複雑な工夫が必要となる。タンパク質はといった動物や、穀物ないしといった植物などからも摂取できるが、それらからタンパク質を大量に採取しようとすると、(鶏肉ならササミを摂ればパーフェクトであり、豆腐でも十分なのだが) 往々にして肉を摂る時に牛肉や豚肉を選んでしまいそこから大量の脂肪分が、植物の場合には炭水化物もそれなりに摂取することに繋がり、その結果としてカロリー摂取過多となり余分な体脂肪をつける原因となる。このため炭水化物や脂肪分を除去しタンパク質含有率を極端に高めたプロテインサプリメントが、やや有利なのである。(そしてなにより簡便なので継続できる。鶏のササミやトリムネ肉や豆腐を毎回スーパーに買いに行くのは非常に手間がかかり、結局大半の人が、鶏ササミや豆腐でタンパク質中心の栄養摂取をしつづけることには挫折してしまう(たとえ「毎日ずっと毎食、鶏ササミを食べる」という立派な計画を立てても、ほとんどの人はやり始めて1〜2週間もするうちにかなり面倒くさいと気づいて途中で断念し、ただの空論に終わってしまう)が、プロテインサプリメントならばとても簡便なので継続でき、本当に実現可能な手法となる。)

負荷をかけたトレーニングで筋肉はミクロレベルで損傷する。損傷した筋肉を修復する為、身体はタンパク質(アミノ酸)を必要とし、特にトレーニング直後にタンパク質を口にいれると効果的に筋肉の修復に使用される。もちろん鶏肉のささみや、トリムネや、鶏卵や、魚肉(魚の白身など)を食べればタンパク質はとれるのだが(大金を出して自宅にトレーニング場を作ったような人はそういうやり方もできる。「鶏肉と豆腐中心の食生活で十分ボディービルダーの体型をつくることができ、ボディービルダー大会でも勝てる」という人もいる)が、実際問題としてはトレーニング場所は自宅から離れている人々のほうが多く、通常、トレーニング場所には自分の冷蔵庫もキッチンもないので、トレーニング直後に鶏肉や鶏卵や魚を調理することができない。またトリムネ肉や魚の白身などを調理済みの状態で持ち歩くのは、衛生的な観点からしても、結構困難である。そういう意味で、プロテインサプリメントは、タンパク質(アミノ酸)を非常に簡単に摂取する手段を提供している。プロテインサプリメントを持ち歩き、トレーニングを終えたらすぐに袋に入ったプロテインサプリとシェイカーを取り出し、水だけは水道の蛇口をひねり、シェイカーに入れて振って飲めば、筋肉の修復に必要なタンパク質が即座に摂れるのである。

増えすぎた体脂肪率を下げるため[編集]

炭水化物に偏りすぎた食事(日本で街中の飲食店に溢れかえっているような、米飯、丼もの、うどん類、パスタ類、パン類、お好み焼き など)ばかりを取り続け、体脂肪率が上がりすぎた人が、(医師などから注意されて)、自分の食事の栄養バランスを改善し、摂取する栄養素の中でタンパク質の比率を意識的に上げつつ、炭水化物の割合のほうはしっかり減らすためにプロテインサプリメントを活用する場合がある。

女性の場合は特に、「太りすぎてしまったので、スリムになりたい」という理由でプロテインサプリを飲むという人が多い。(女性の場合は、純粋にスリムになりたいのであって、ボディビルダーのような体型には全然なりたくない、と思っている人も多い)(分かりやすく言うと、自分がいわゆる「デブな体型」になってしまった...と感じた人が、「普通の体型」になりたくてプロテインサプリメントを活用する場合があるのである。)

男性でも勤め人(サラリーマン)などの場合、職場の近くの街中で外食をしていると炭水化物過剰の食事になりがちで、そういう食生活を続けていると、35歳や40歳を過ぎる頃にはブクブクと太っていってしまう。特に残業が多いような会社だと、夕食も自宅でとれず、ひどいことに昼食と夕食、毎日2回の食事が外食の炭水化物過剰になってしまうことになりがちで、見るからにお腹が膨らんだ肥満体型になり、医師などからも厳重注意されるようになるので、3食のうち一食をプロテインサプリメントに置き換えることで、1日トータルで見た栄養比率として、炭水化物の比率を下げつつタンパク質の比率を上げる、という場合があるのである。(こういう男性の場合は、外見的な要素に特にこだわっているわけではなく、ボディビルダーのような体型になりたいわけでもなく、女性がイメージするようなスリムでスレンダーなボディになりたいわけでもなく、とにかく健康のために体脂肪率を下げようとしている。医師などから「体脂肪率が高い状態で中性脂肪値も高い状態を放置すると、循環器系に問題が生じますよ。動脈硬化も起き、やがて心疾患狭心症など)も起きますよ。早死しますよ。」などと、肥満が招く恐ろしい現実をつきつけられて、ようやく自分の命を守るために体脂肪率を下げようとしているのである。)


高齢者向け[編集]

筋肉が減りがちな高齢者にプロテイン摂取が勧められている場合もある。

高齢者は若者・中年に比べて必要なカロリー数が減少するため、それに伴い食べる絶対量が減る傾向がある。しかし、たんぱく質の必要量はカロリー数ほど減少しない。

厚生労働省発表の第6次改定日本人の栄養所要量によれば、30代から40代の男性と比べて70代の男性は必要摂取カロリーは2550kcal 2050kcalと2割減少するが、必要タンパク質は70g→65gと1割も減少しない。

なお、ビタミンやミネラルは必要摂取量は年代による違いはほぼない[6]。そのため、純粋に食べる量を減らすことで摂取カロリーを減らすと、高齢者はたんぱく質摂取量が不足しがちになる。

たんぱく質の不足は筋力の低下(筋肉減少症:サルコペニアともいう[7]。)を招き、高齢者の一度落ちた筋力の回復は困難であることや床ずれの原因ともなることから、問題は深刻となる。その対策としてプロテインサプリメントの適量の摂取を呼びかける動きがある[8]

飲み方[編集]

  • (基本的にはシェイカーという混ぜるための容器をあらかじめ用意し)規定量の水や牛乳などを入れ、規定量のパウダーを入れ、シェイクして溶かし、飲む。
  • シェイクするための容器は特別な限定は無く、振った時に液体が漏れなければよい。たとえばタッパーウェアーの円筒形のものでもよい。ネーム入りのシェイカーを発売しているメーカーもある(シェイクすることを想定し、容量500ccの物が多い)。なおシェイカーはドリンク状にしたものを持ち歩くためのものではない。パウダーと空のシェイカーを持って外出し、遠征先などで飲む場面になってから、シェイカーに水(やミルク)と粉を入れて振って(コップなどにうつして)飲むのである。シェイカーの蓋に耐水シールは施されていないので、持ち運ぶとプロテイン溶液が漏れてバッグ内を汚す原因になる。粉は乾燥している間は大丈夫だが、水を混ぜてしばらくすると腐敗が始まるので、その意味でも良くない。
  • プロテイン(特にホエイプロテイン)は1回作るごとに必ずその場で全部飲み干す。(水やミルクを混ぜてから数時間もすると細菌が増え始め、重篤な食中毒を引き起こす原因となるので。)。
  • トレーニング時は、トレーニング開始から30分前、トレーニング後は内臓の血流が落ち吸収が悪くなるのでBCAA等のアミノ酸の方が好ましい。
  • 「おすすめのタイミング」に就寝前を挙げている製品もある(たとえばアサヒのディアナチュラのパッケージには「おすすめ」の3タイミングのひとつに「就寝前」を挙げている)これは就寝後は成長ホルモン分泌が活発になり、筋肉を大きくさせるのにも効果があると考えられるため)。

注意点[編集]

タンパク質を摂るためには、本来なら、粉末などという人工的な方法に頼らなくてもいいわけであり、他の普通の食材から得る方法が本当は望ましい。そしてそういう方法(食材)は多数ある。たとえば低脂肪乳製品(低脂肪ヨーグルト、低脂肪牛乳、チーズ)、豆類(レンズ豆大豆など)、魚、鶏肉鶏卵赤身の肉、ナッツ、種子などの全食品からまんべんなくタンパク質を摂取することが本当は望ましい[9]

ハーバード大学医学部は([要出典]文献名や論文名、指摘した時期、が必要)、プロテインパウダーにこっそり追加された砂糖、カロリー、あるいは有毒な化学物質が含まれているリスクを警告した。プロテインパウダーに本当にメーカーがパッケージの内容表示で主張しているもの(だけ)が含まれているかどうかを知る方法はない。またタンパクの大量摂取をすれば副作用(腎臓障害など)が起きる可能性もある。さらに消化器系の苦痛を引き起こす可能性もある、と指摘した。

クリーンラベルプロジェクトと呼ばれる非営利グループが[いつ?]、プロテインパウダー中の毒素に関するレポートを発表した。研究者は、130種類の毒素について134の製品をスクリーニングし、多くのタンパク質粉末に重金属ヒ素カドミウム水銀)、ビスフェノールAプラスチックの製造に使用されるBPA)、農薬、またはその他の関連する汚染物質が含まれていることを発見した。1つのプロテインパウダーには、BPAの許容限度の25倍が含まれていました。クリーンラベルプロジェクトは、製造プロセスまたは土壌中の毒素の存在(タンパク質粉末にされる植物によって吸収される)を指摘した[要出典]


備考[編集]

プロテインの消費・流通は日本よりも欧米などフィットネスや痩身行動の盛んな地域で活発であり、製品間の競争も激しく、市場原理の結果として価格面や製品特色の面で選択肢が広い。生産量の差もあり、日本国内メーカーのプロテインは、欧米に流通している主要製品と比較し、かなり割高な価格設定となっている。

プロテインのパッケージには、様々な種類がある。主なものは、チャック付ポリラミネート袋、プラスチックボトル、容量の多いものは缶などで、開封後も内容物を湿気などから保護する機能を持つものが多い。

固形物の「プロテインバー」というものが、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ドラッグストアなどで販売されているが、これの栄養構成を見てみると、たとえば「森永製菓 inバープロテイン ウェファーナッツ」の栄養構成比は「たんぱく質:10.5g/脂質:10.5g/炭水化物14.8g」で炭水化物のほうが1.5倍も多い[10]。つまり「プロテインバー」と謳っていても、実態としては「炭水化物バー」なのである。こんなものを間食で食べていれば、当然肥満体型になっていってしまう(しかもかなりの速度で太ってゆく)ので、当記事で紹介しているプロテインサプリメントとは全然別物である。プロテインを多めに摂取して、炭水化物のほうの量は減らしたいのであれば、やはり粉末状で溶かして飲むプロテインサプリメントのほうが優れている。

主な日本の参入メーカー[編集]

日本のプロテイン(左ザバス、右ウィダー)
  • アサヒ(アサヒグループ食品株式会社。「ディアナチュラ・アクティブ(Dear-Natura Active)」ブランド)
  • アスウェル (「ボディウイング」ブランド)
  • アルプロン(「アルプロン」「IZMO」ブランド)
  • イフジ産業(「REVOPRO」ブランド)
  • 江崎グリコ(「グリコパワープロダクション」ブランド)
  • 健康体力研究所 (「Kentai」ブランド)
  • ドーム(「DNS」ブランド)
  • ニチエー (「nichie」ブランド)
  • 日本ガーリック (「NICHIGA」ブランド)
  • 八宝商会 (「LIMITEST」ブランド)
  • ヘルシーカンパニー
  • ボディプラスインターナショナル (「バルクスポーツ」ブランド)
  • マルマンH&B
  • 明治(「ザバス」ブランド)
  • 森永製菓(「ウイダー」ブランド)
  • リアルスタイル (「ビーレジェンド」ブランド)
  • 浪花屋商店 (「540プロジェクト」ブランド)
  • ANOMA (アノマプロテイン)
  • FIX IT (「FIX ITプロテイン」ブランド)
  • S-ING (「SAVE ホエイプロテイン」ブランド)
  • X-PLOSION(「X-PLOSION」ブランド)

主な海外の参入メーカー[編集]


脚注[編集]

  1. ^  一部には、ごくまれに、特定の動植物から得られたものや、細菌など菌類を使って合成・抽出される製品もある。いずれの場合においても、不純物が混入しないよう、様々な化学的工程を経て精製されたものである。
出典類
  1. ^ a b コトバンク、プロテイン
  2. ^ [1]
  3. ^ [2]
  4. ^ [3]
  5. ^ 青春出版社「日本人の9割がやっている残念な健康習慣 健康 病気 アンチエイジングの121項目」
  6. ^ 第6次改定日本人の栄養所要量について
  7. ^ 筋肉減少症とホエイプロテインに関する研究報告
  8. ^ [4]
  9. ^ Publishing, Harvard Health. “The hidden dangers of protein powders”. Harvard Health. 2020年11月5日閲覧。
  10. ^ “プロテインバー徹底解説:21種食べ比べ、おすすめの食べ方や種類・タイプ・目的別選び方まで”. スポーツブル (株式会社 運動通信社). (2020年10月1日). https://sportsbull.jp/p/846691/ 2021年5月7日閲覧。 


関連項目[編集]