ブラックロッド

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ブラックロッド』は、古橋秀之による日本ライトノベル作品。第2回電撃ゲーム小説大賞受賞作品で、著者のデビュー作でもある。1996年メディアワークス刊。1997年電撃文庫にて文庫化。イラスト・題字は雨宮慶太。文庫版には古橋画のキャラクター設定資料がある。

概要[編集]

呪術用語をベースとしたサイバーパンク/オカルトパンクSF小説で、異形の町「ケイオス・ヘキサ」を舞台とした黒杖特捜官(ブラックロッド)の一人と少女の物語でもある。

続編に『ブラッドジャケット』『ブライトライツ・ホーリーランド』があり、「ケイオス・ヘキサ」三部作と呼ばれている。ラジオドラマ化も行われた。

第4回電撃ゲーム小説大賞受賞の『ブギーポップは笑わない』と共に、後進作家に強い影響を与え、後年のレーベル躍進の礎となった金字塔的作品である。黒丸尚が翻訳したウィリアム・ギブスンルディー・ラッカーらのサイバーパンクSFを、よりコンピューター・ゲーム的なSFファンタジー小説として描くことで、ライトノベルレーベルとしては後発だった電撃文庫の立ち位置を明確にした。

古橋は後書きにて、本作の舞台設定を「第二次世界大戦の前後を境に正調(?)『オカルト=科学』が発達した未来世界」としている。

あらすじ[編集]

3つの都市を奈落堕ち(フォールダウン)させた隻眼のテロリスト、ゼン・ランドーが異形の街「ケイオス・ヘキサ」に潜入。

巨大な黒い杖を持つ黒い男、公安局・魔導特捜官のブラックロッドと妖術技官のヴァージニア9はランドーを追う。一方、私立探偵のウィリアム・龍は、ある依頼をきっかけにランドーの起こす事件に関わっていく。

用語[編集]

ケイオス・ヘキサ
物語の舞台となる巨大な塔型の都市。同種の都市はバベル型積層都市と呼ばれ、ヘキサは六番目の積層都市の意。上からA、B、C、Dの四層にわかれ、C層は小市民的な街、D層はスラム街として描かれるが、A層、B層は直接的には描写されていない。ただ直射日光の当たる部位はリゾート地である、とされている。また続編ではA層は都市上層部の人間が暮らしていると描写された。なお、作中では<ケイオス・ヘキサ>と山括弧つきで表記される。
公安局
都市の治安をつかさどる機関。警察のような組織で、魔導特捜を擁する。
降魔局
作中で毎回のように陰謀を巡らす後ろ暗い機関。公安局とはゆるい緊張関係にある。研究機関であり、「神との接触」がその最終的な目的で、そのためには手段を選ばない傾向がある。
黒杖特捜官(ブラックロッド)または魔導特捜官
黒革のコートに巨大な呪力増幅杖を携え、己の感情を封印して都市の治安を守る特別捜査官。彼らは全員が達人級以上の魔術士によって構成され、とりわけ困難な魔導犯罪に対する。その黒色の杖からブラックロッドと呼ばれ、彼らで構成される組織・魔導特捜もまたブラックロッドと呼ばれる。ネーミングはおそらく黒杖官からと思われる。
機甲折伏隊(ガンボーズ)
戦闘訓練を受けた僧侶たちによって構成され、街外における魔物の掃討を目的とした集団。装甲倍力袈裟をはじめとして、軍隊並の武装をもつ。
妖術技官(ウィッチ・クラフト・オフィサー)
悪魔と共生関係を結んだ魔女の魂の複製で、魔女の持つ高い魔術的技能を安全に利用するために作られた。短時間であれば霊体のみでの行動も可能だが、通常は不安定な自我を固定するために人工的につくられた亜生体(ホムンクルス)を依代として使う。
牙持ち(ファンギー)
吸血鬼の牙を移植して吸血鬼のスタイルを真似する人々。

登場人物[編集]

ブラックロッド
黒杖特捜官の一人。ヴァージニア7、ヴァージニア9と組んでゼン・ランドーを追う。
ビリー・龍
ウィリアム・龍。D層に居を構える私立探偵。最後の牙持ち。
ヴァージニア9
妖術技官。降魔局から派遣され、ブラックロッドを補佐する。
ヴァージニア7
妖術技官。ヴァージニア9とは型番違いの姉妹。
ナオミ・J・ジェニスン
ビリーの事務所「ウィリアム龍探偵事務所」の大家の娘。
ゼン・ランドー
元大日本帝国の呪術将校。影男。三つの都市の奈落堕ちに関与したテロリスト。
オースン・D・ベイカー
呪紋屋。

シリーズ作品[編集]

ラジオドラマ版[編集]

スタッフ[編集]

作品リスト[編集]

第2回電撃ゲーム小説大賞・大賞受賞作品
第1回 ブラックロッド
古橋秀之
第3回
五霊闘士オーキ伝
土門弘幸
該当作品なし