フラットランド 多次元の冒険

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原書カバー第6版だが初版とほぼ同じ)

フラットランド 多次元の冒険(フラットランド たじげんのぼうけん、Flatland: A Romance of Many Dimensions)は、エドウィン・アボット・アボットの小説である。1884年刊。二次元平面世界を舞台とした風刺小説である。

2002年イアン・スチュアートが数学的な観点から詳注を付けた The Annotated Flatland: A Romance of Many Dimensions が刊行された。現在日本で入手可能なのは、それを訳した『フラットランド 多次元の冒険』である。

邦訳[編集]

派生作品[編集]

  • イアン・スチュアート (2001年)『2次元より平らな世界―ヴィッキー・ライン嬢の幾何学世界遍歴』 Flatterland
『フラットランド』の主人公の孫娘「ヴィッキー・ライン」が主人公の続編。数学だけでなく様々な物理学などの世界を巡る。
  • アイドゥン・ブユクタシによる写真シリーズ『Flatland』 
トルコ人写真家による時空がねじれているように見える写真。ブユクタシは『フラットランド』にインスピレーションを受けたと述べている[1]。講談社より刊行された『フラットランド たくさんの次元のものがたり』の表紙写真として採用されており、巻末にも写真が収録された[2]

現代の文化における言及[編集]

物理学者であるカール・セーガンスティーブン・ホーキングは『フラットランド』についてコメントしている。セーガンは自身が手がけるテレビドキュメンタリー及び書籍の『コスモス』において、物理的宇宙の高次元の可能性を議論する際に言及している[3]。ホーキングは、2次元空間で生活する住民達は、平面であるため消化器官を持つことができず、食べ物を消化できないことを指摘している[4]

カリフォルニア大学デービス校の物理学者ジェームス・スカーギルは2次元の宇宙で生命が存在可能かを検証した。

2+1次元の生命の可能性に反対する主要な反論が2つあります。1つは3次元宇宙における一般相対性理論から導かれる局所的な重力の欠如とニュートン力学の制限です。もう一つは、平面トポロジーの制約は生物が存在するには”非常に単純すぎる“というものです

彼は計算により、2次元宇宙でもスカラー重力場が存在可能であると示した。次に、神経ネットワーク、つまり生物の複雑なについて検証している。生物の脳は3次元上に存在し、神経ネットワークは2次元上では機能しないと考えるかもしれない。スカーギルは特定のタイプの平面的な2次元グラフが、生物に見られる神経ネットワークと特性を共通していることを実証した。このような2次元グラフは、神経ネットワークのモジュラー機能に似た方法で組み合わせることができ、複雑なネットワークを少数のステップで横断できるスモールワールド現象と知られるものを示すことさえできる [5][6]

テレビアニメ『スペース・ダンディ』のエピソード「次元の違う話じゃんよ」。主人公のダンディ達が住む3次元宇宙に2次元宇宙がワープアウトしてくる。3次元人の主人公ダンディ、その元恋人の4次元人のカトリーヌ、カトリーヌに恋する2次元宇宙の王子と次元を跨いだ三角関係が描かれる。

脚注[編集]

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  1. ^ まるで時空がねじ曲がったように感じられる異様な風景写真:画像ギャラリー”. WIRED. 2020年2月4日閲覧。
  2. ^ フラットランド たくさんの次元のものがたり”. 講談社. 2020年2月4日閲覧。
  3. ^ Tremlin, Todd (2006). Minds and Gods: The Cognitive Foundations of Religion. USA: Oxford University Press. p. 91. ISBN 978-0199739011. https://books.google.com/books?id=BLKvDNpSvBAC&pg=PA91 
  4. ^ Gott, J. Richard (21 May 2001). Time Travel in Einstein's Universe: The Physical Possibilities of Travel through Time. USA: Houghton Mifflin Company. p. 61. ISBN 978-0395955635. https://books.google.com/books?id=MME33bSTCDsC&pg=PA61&lpg=PA61&dq=a+brief+history+of+time+flatland&source=bl&ots=MslIxWYQ6B&sig=2L_JyJOWl7I6EWTY_P6TiJhyfsY&hl=en&sa=X&ei=O0UiU5O3G6yMyAHOloHYDQ&ved=0CC0Q6AEwAQ#v=onepage&q=a%20brief%20history%20of%20time%20flatland&f=false 
  5. ^ Can Life Exist in 2 + 1 Dimensions?”. J. H. C. Scargill. arxiv. 2020年2月4日閲覧。
  6. ^ A Physicist Has Calculated That Life Really Could Exist in a 2D Universe”. DAVID NIELD. ScienceAlert. 2020年2月4日閲覧。

関連項目[編集]