ネズ
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ネズ | |||||||||||||||||||||
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![]() 盆栽に仕立てたネズ
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保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) ![]() | |||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Juniperus rigida Sieb. et Zucc. (1844) | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
ネズ(杜松)、ネズミサシ、ムロ、モロノキ | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
temple juniper、needle juniper |
ネズ(杜松、学名: Juniperus rigida)は、ヒノキ科ビャクシン属に属する針葉樹。別名はネズミサシ[2]、ムロ、モロノキ、トショウ。
和名はネズの硬い針葉をネズミ除けに使っていたこと[3]から、「ネズミを刺す」という意で「ネズミサシ」となり、それが縮まったことに由来する。
分布[編集]
日本では東北地方以南の日当たりの良い丘陵地帯や花崗岩地に自生している。痩せた土地でも育ち、松枯れによって松が消えた跡地に増えることもある[4]。
特徴[編集]
ネズなどビャクシン属の雌の花序は、受粉後に多くの針葉樹と同様に球果となるが、通常の針葉樹のように乾燥した松ぼっくり状に熟すのではなく、受粉の1-2年後の10月頃に黒紫色漿果状の肉質に熟し、果実食の鳥に食われて内部の種子が散布される。
利用[編集]
庭木、生垣として利用され、盆栽では音読みの「トショウ」の名で親しまれている。球果は杜松子(トショウシ)と呼ばれ、中国では古くから漢方の生薬として利用されている。
有効成分として精油、ジテルペン酸などが含まれ、利尿・発汗、去風薬(きょふう)で尿道疾患や水腫(すいしゅ)などに用いる。
広島県立世羅高等学校がアロマオイルの抽出と商品化に取り組んでいる[4]。
脚注[編集]
- ^ Farjon, A. (2013). “Juniperus rigida”. IUCN Red List of Threatened Species 2013: e.T42248A2966458. doi:10.2305/IUCN.UK.2013-1.RLTS.T42248A2966458.en 2023年9月21日閲覧。.
- ^ 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “ネズミサシ”. 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList). 2023年9月21日閲覧。
- ^ 家屋などでネズミの出入りしやすい穴にネズの枝葉を詰めてやると、鋭い葉を痛がってネズミが通らなくなる。
- ^ a b 【若者】広島県立世羅高校/ネズでアロマオイル 選手と里山を元気に『日本農業新聞』2020年55月11日
参考文献[編集]
- 茂木透写真『樹に咲く花 合弁花・単子葉・裸子植物』高橋秀男・勝山輝男監修(改訂第3版)、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2003年、644-645頁。ISBN 4-635-07005-0。