ドネペジル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
ドネペジル
Donepizil-Enantiomers V 1.png
Donepezil 1EVE.png
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
法的規制
  • (Prescription only)
投与方法 Oral tablet, 5 & 10 mg
薬物動態データ
生物学的利用能 100 (%)
血漿タンパク結合 96%
半減期 70 hours
排泄 0,11-0,13 (l/h/kg)
識別
CAS番号
(MeSH)
120014-06-4
ATCコード N06DA02 (WHO)
PubChem CID: 3152
DrugBank APRD00039
ChemSpider 3040
KEGG D07869
化学的データ
化学式 C24H29NO3
分子量 379.492 g/mol

ドネペジル (donepezil) はコリンエステラーゼ阻害剤の一種であり、アルツハイマー型認知症(痴呆)[1]レビー小体型認知症進行抑制剤として利用される[2]エーザイ杉本八郎[3]らにより開発された。機能性胃腸症に使用されるアコチアミドアコファイド)に機序が似ているため、併用すると効果が強く現れる場合がある[4]

ドネペジル塩酸塩は、アリセプトという商品名でエーザイから発売され、かつては海外市場おいてはファイザーとの提携により、同名(Aricept)で販売されている。「新薬開発におき、欧米企業に後れをとる」と批判されがちな日本の製薬業界であるが、アリセプトは日本国外市場でも市場占有率8割以上を誇る。

適用・効能[編集]

  • 軽から中程度のアルツハイマー型認知症(AD)の認知症症状の進行抑制に用いられる[1]。ADの早期に使用することによって認知機能の一時的な改善をもたらす。ADの病態を治療したり、最終的に認知症が悪化することを防ぐ薬剤ではない。
    • 投与は最小用量から開始しなければならない[1]。投与12週以降、臨床認知機能評価尺度の点数を改善する。
    • 数年以上の長期にわたる投与試験は行われておらず、現時点で長期投与の有効性についてのデータはない。これは、投薬対象人口が高齢であり、ランダムサンプルを用いた縦断的研究データ収集が難航しているからである。
  • レビー小体型認知症 - 2014年に世界初の治療薬として認可を受けた[2]
  • 機能性胃腸症

作用機序[編集]

アルツハイマー型認知症では、脳内コリン作動性神経系の障害が認められる。本薬は、アセチルコリンを分解する酵素であるアセチルコリンエステラーゼを可逆的に阻害することにより脳内アセチルコリン量を増加させ、脳内コリン作動性神経系を賦活する[5]

禁忌・副作用[編集]

ピペリジン誘導体に過敏反応のある者は使用できない。また心筋梗塞、消化性腸潰瘍、肝障害、錐体外路症状が現れた場合は医師に相談し服用を中止する。

用量・用法[編集]

1日1回3mgから開始し、2週間程度で5mgに増量する。高度アルツハイマー型認知症に対しては、5mg 4週間投与後に10mgまで増量することも認められているが、5mg投与時より副作用が出現し易いので増量には充分な注意を要する。

エピソード[編集]

アリセプトの開発者の一人、杉本が認知症になった母親に誰かと尋ねられ「息子の八郎ですよ」と声をかけたところ、「そうですか、私にも八郎という子どもがいるんですよ」との返事を受けた[5][6]。これをきっかけに、杉本は、会社から2度も認知症の開発を中止するよう厳命を受けたにもかかわらず、拒否し、5年以上の歳月をかけて、認知症薬アリセプトの創製に結びつけた[要出典]。 1998年、杉本はドネペジル開発の功労が認められ、イギリスのガリアン賞を受賞している[7]

関連項目[編集]

脚注[編集]

[ヘルプ]

外部リンク[編集]