チャップリンの替玉
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チャップリンの替玉 | |
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The Floorwalker | |
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監督 | チャーリー・チャップリン |
脚本 |
チャーリー・チャップリン ヴィンセント・ブライアン |
製作 | チャーリー・チャップリン |
撮影 |
ウィリアム・C・フォスター ローランド・トザロー |
配給 | ミューチュアル・フィルム・コーポレーション |
公開 | 1916年5月15日 |
上映時間 | 24分 |
製作国 |
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言語 |
サイレント映画 英語字幕 |
『チャップリンの替玉』(The Floorwalker)は、チャーリー・チャップリンがミューチュアル社で最初に製作したサイレント映画である。1916年の作品。原題の"Floorwalker"は、「売り場監督」[1]。別邦題に『チャップリンのエスカレーター』がある。チャップリンは百貨店の客として登場し、店の売上金を持ち逃げしようとする売り場監督と鉢合わせし、身代わりの売り場監督にされてしまう。
追いかけっこの場面は、エスカレーターで繰り広げられ、どんなに速く走っても、エスカレーターが逆送しているため人物が同じ位置に留まってしまうギャグなど、スラップスティック・コメディならではの効果が発揮されている。また本作は、エスカレーターが映画に登場した最初の作品として知られる(本作を見たマック・セネットは「なぜ今までこのエスカレーターという手を使用しなかったのか」と悔やんだという[2])。
百貨店の店長を演じたエリック・キャンベルは、本作がチャップリン作品における初出演であり、以後ミューチュアル社時代の作品に出演する[3]。エドナ・パーヴァイアンスは、キャンベル演じる店長の秘書という小さな役で出演している。
(なお、本作の残存するNGシーンがドキュメンタリー『知られざるチャップリン』で紹介されている。外部リンク「Unknown Chaplin: Ep. 1 -- My Happiest Years」を参照。)
キャスト
[編集]- 百貨店の客(放浪者):チャーリー・チャップリン
- 百貨店の店長:エリック・キャンベル
- 店長の秘書:エドナ・パーヴァイアンス
- 売り場監督:ロイド・ベーコン
- 店員:アルバート・オースチン
- 美人の店内監視員:シャーロット・ミノー
- 探偵:トム・ネルソン
- 上品な顧客:レオ・ホワイト
- 年寄りの男:ヘンリー・バーグマン
- エレベーターボーイ:ジェームズ・T・ケリー
- 警官:ジョン・ランド、ウェズリー・ラックルス
- 用務員:フランク・J・コールマン、
- 役名不明:スタンレー・サンドフォード
日本語吹替
[編集]俳優 | 日本語吹替 |
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チャールズ・チャップリン | 杉田智和 |
エリック・キャンベル | 宝亀克寿 |
エドナ・パーヴァイアンス | 野沢雅子 |
アルバート・オースチン | 羽佐間道夫 |
(ナレーター) | 近石真介 |
- この作品はサイレント映画だが、チャップリンのデビュー100周年を記念し、日本チャップリン協会監修のもと、日本語吹替が製作された[7]。
背景
[編集]チャップリンはニューヨークで、高架鉄道の駅のエスカレーターの上で一人の通行人が足を滑らせてエスカレーターに引きずられるように下に滑り落ちていくのを目撃し、そこから本作を発想したという[2]。
関連項目
[編集]- 『キートンの強盗騒動(悪太郎)[8]』 - バスター・キートン監督・主演の喜劇映画。1921年。本作同様、エレベーターを利用した追っかけシーンがある[9]。
- 『キートンの電気屋敷(電気館)[10]』 - バスター・キートン監督・主演の喜劇映画。1922年。本作同様、エスカレーター上を逆走するギャグシーンがある[11]。
脚注
[編集]- ^ “floorwalkerの意味・使い方・読み方”. eow.alc.co.jp. 2025年5月18日閲覧。
- ^ a b “ウェブマガジン「キネプレ」で、チャップリン誕生日記念イベントを紹介‼|インフォメーション|新着情報|おもちゃ映画ミュージアム”. おもちゃ映画ミュージアム. 2025年5月16日閲覧。
- ^ travsd (2014年5月15日). “Charlie Chaplin in “The Floorwalker”: His First Mutual Film” (英語). (Travalanche). 2025年5月18日閲覧。 “His first Chaplin film was The Floorwalker (1916), playing the role of the villainous heavy, reprised in subsequent classics like The Rink (1916), The Pawnshop (1916), The Adventurer (1917), The Cure (1917), The Immigrant (1917), Easy Street (1917) and Chase me Charlie (1917). By the summer of 1917 Campbell was Chaplin's favorite co-star and foil, and almost as famous as the little comedian. In early 1917 Campbell filmed his last Chaplin Mutual, The Adventurer, after which Chaplin began construction on his own studio on LaBrea Avenue in Hollywood (which still stands today).”
- ^ “The Floorwalker (Short 1916) - Full cast & crew -” (英語). IMDb. 2025年5月17日閲覧。
- ^ “Stanley “Tiny” Sandford: Roach Heavy” (英語). Travalanche (2014年2月26日). 2025年5月17日閲覧。
- ^ “吹替で蘇る!チャップリン笑劇場”. STAR CHANNEL. 2014年8月28日閲覧。
- ^ “チャップリンの替玉”. STAR CHANNEL. 2014年8月28日閲覧。
- ^ 株式会社つみき (2023年8月27日). “映画『キートンの強盗騒動/悪太郎』の感想・レビュー[171件 | Filmarks]”. filmarks.com. 2023年9月14日閲覧。
- ^ Angelin Fonda (2021-10-07), The Goat (1921) – Buster Keaton (music score by Angelin Fonda) 2025年5月17日閲覧。
- ^ 株式会社つみき (2023年7月18日). “映画『キートンの電気屋敷/電気館』の感想・レビュー[94件 | Filmarks]”. filmarks.com. 2023年9月14日閲覧。
- ^ Sharleen Francis (2017-03-02), Buster Keaton, Edward Cline - The Electric House (1922) 2025年5月17日閲覧。
外部リンク
[編集]- チャップリンのエスカレーター - allcinema
- The Floorwalker - IMDb
- Unknown Chaplin - インターネットアーカイブ(Episode 1(My Happiest Years)で本作の残存するNGシーンを紹介している。)
- The Floorwalker - YouTube - BGM有り