シエラネバダ山脈 (スペイン)

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シエラ・ネバダ山脈
Sierra Nevada (Spain).jpg
山脈の景観
標高 3478 m
所在地 スペインの旗 スペイン アンダルシア州グラナダ県アルメリア県
シエラ・ネバダ山脈の位置(スペイン内)
シエラ・ネバダ山脈
シエラ・ネバダ山脈
山系 ペニベティカ山系スペイン語版
種類 アルプス造山運動英語版
Project.svg プロジェクト 山
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シエラ・ネバダ山脈({{lang||Sierra Nevada)は、イベリア半島南東部にある山脈スペインアンダルシア州グラナダ県アルメリア県に属する。ペニベティカ山系スペイン語版に含まれるとされる。年間を通じて雪が残っており、スペイン語では単にSierra Nevadaで「積雪のある山脈」を意味する。最高峰は標高3,478.6mのムラセン山である。

形成過程[編集]

新生代古第三紀新第三紀にかけて(6600万年前-180万年前)アルプス造山運動英語版が起こり、アフリカプレートユーラシアプレートが衝突することでシエラ・ネバダ山脈が形成された。この造山運動ではスイスやフランスとイタリアを隔てるアルプス山脈も形成され、ジブラルタル海峡を挟んだ北アフリカにあるアトラス山脈も形成されている。

地理[編集]

グラナダ近郊のアルケリア・デ・ファルゲから見た山脈

シエラ・ネバダ山脈はペニベティカ山系スペイン語版に含まれるとされる。山脈の中央部では、尾根は概して西南西から東北東の方向に伸びている。山脈の南側斜面には、距離が長いが川幅の狭い何本かの谷が南西方向に向かって伸びており、それらの谷は尾根によって分断されている。北側斜面は急勾配で岩がちであり、一定の向きを持った谷は少ない。北側斜面はムラセン山麓に源流を持つヘニル川英語版やその支流が支配的である。シエラ・ネバダ山脈の最高峰は標高3,478.6mのムラセン山であり、ムラセン山はスペイン本土でもっとも高い山である。スペイン最高峰は大西洋上のカナリア諸島テネリフェ島にある標高3,718mのテイデ山である。1999年には山脈の一部がシエラ・ネバダ国立公園スペイン語版に指定された。また、シエラ・ネバダ山脈は生物保護区にも指定されている。

山麓にある大都市としては北西麓のグラナダがあり、やや山脈から離れて地中海沿岸にアルメリアベレス=マラガモトリルマラガがある。グラナダはシエラ・ネバダ山脈観光の拠点であり、ベレッタ山に近いシエラ・ネバダ・スキー場英語版にはグラナダからA-395号線が通じている。

気候[編集]

標高3,000mを超えるシエラ・ネバダ山脈は、ケッペン気候区分によると地中海性亜寒帯気候(Dsc)である。スキー場があるプラドジャーノスペイン語版(観測地点は標高2,507m)における年平均気温は摂氏3.9度であり、年平均降水量は692mmである。

プラドジャーノ(標高2,507m)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温 °C (°F) 0.3
(32.5)
−0.9
(30.4)
0.6
(33.1)
3.2
(37.8)
4.6
(40.3)
14.2
(57.6)
21.6
(70.9)
19.8
(67.6)
14.2
(57.6)
10.4
(50.7)
3.5
(38.3)
2.6
(36.7)
7.8
(46)
日平均気温 °C (°F) −2.9
(26.8)
−4.4
(24.1)
−3.4
(25.9)
−0.6
(30.9)
0.9
(33.6)
9.9
(49.8)
16.6
(61.9)
15.2
(59.4)
9.9
(49.8)
6.3
(43.3)
0.1
(32.2)
−0.7
(30.7)
3.9
(39)
平均最低気温 °C (°F) −6.1
(21)
−7.9
(17.8)
−7.5
(18.5)
−4.3
(24.3)
−2.9
(26.8)
5.6
(42.1)
11.9
(53.4)
10.6
(51.1)
5.7
(42.3)
2.2
(36)
−3.3
(26.1)
−4.0
(24.8)
0.0
(32)
降水量 mm (inch) 86.7
(3.413)
91.2
(3.591)
78.8
(3.102)
53.8
(2.118)
53.6
(2.11)
29.7
(1.169)
6.1
(0.24)
11.7
(0.461)
33.7
(1.327)
69.0
(2.717)
85.2
(3.354)
93.1
(3.665)
692
(27.24)
出典: 1975年-1989年, UCM[1]

高峰[編集]

シエラ・ネバダ山脈の高峰(標高3,000m以上)
# ピーク 標高(m)
1 ムラセン山 3,480
2 ベレッタ山英語版 3,393
3 アルカサバ英語版 3,371
4 マチョス山 3,324
5 プンタル・デ・シエテ・ラグナス 3,248
6 プンタル・デ・ラ・カルデラ 3,226
7 エロリエタ峰 3,206
8 クレストーネス・リオ・セコ 3,198
9 ロマ・ペラーダ 3,187
10 ペラード山 3,179
11 ビルヘン峡谷 3,160
12 トサル・デル・カルトゥホ 3,152
13 アタラージャ峰 3,148
14 プンタル・デ・バカレス 3,143
15 ラセーロ山 3,139
16 ネベーロ峡谷 3,120
17 ラスポネス・リオ・セコ 3,120
18 アルトス峡谷 3,111
19 ヘレス峰 3,090
20 マチョス峡谷 3,088
21 レドンド山 3,058
22 フエゴ・デ・ボロス 3,018
23 カバージョ峰英語版 3,013

文化[編集]

スキー場[編集]

温暖な気候と豊富な日照時間で知られる地中海沿岸地域にあるが、3,000mを超える標高がヨーロッパ最南端のスキー場(シエラ・ネバダ・スキー場英語版)の成立を可能としており、シエラ・ネバダ山脈は人気のある観光地となっている。

1996年にはシエラ・ネバダ・スキー場で第33回アルペンスキー世界選手権が開催された。本来は1995年に開催される予定だったが、シエラ・ネバダ・スキー場の雪不足により1年遅れて開催されている。スペインで開催された唯一のアルペンスキー世界選手権であり、イタリア以外の南ヨーロッパで開催された唯一のアルペンスキー世界選手権である。このスキー場は何度かアルペンスキー・ワールドカップの開催地となっている。2015年にはグラナダがスロバキア・シトゥルブスケー・プレソ英語版とともに2015年冬季ユニバーシアードの共同開催地となり、シエラ・ネバダ・スキー場を中心とするグラナダ近辺で7競技(アルペンスキーカーリングフィギュアスケートフリースタイルスキーアイスホッケーショートトラックスピードスケートスノーボード)が開催された。

天体観測[編集]

シエラ・ネバダ山脈には二台の電波望遠鏡が設置されている。1981年にはシエラ・ネバダ天文台(OSN)の電波望遠鏡がロマ・デ・ディラルの標高2,896m地点に設置された。シエラ・ネバダ天文台は口径1.5mと0.9mのナスミス式望遠鏡を備えている。

1980年から1984年には、ミリ波電波天文学研究所(IRAM)の電波望遠鏡(IRAM30m望遠鏡)がベレッタ山ピーク近くの標高2,850m地点に設置された。IRAM30m望遠鏡は口径30mの電波望遠鏡であり、口径50mの大型ミリ波望遠鏡(メキシコ)に次いで世界で2番目に口径の大きなミリ波望遠鏡である。毎年200人以上の科学者が世界中から集まって観測を行っている。

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Datos climátológicos de Sierra Nevada” (Spanish). Phytosociological Research Center. 2015年4月22日閲覧。

文献[編集]

  • Francisco Pérez Raya, Joaquín Molero Mesa, Francisco Valle Tendero, 1992: "Parque Natural de Sierra Nevada. Paisaje, fauna, flora, itinerarios". Ed. Rueda. Madrid. ISBN 84-7207-067-0 (Spanish)
  • "Flora de la Tundra de Sierra Nevada". Pablo Prieto Fernández, Ed. Universidad de Granada. ISBN ISBN 84-600-1810-5 (Spanish)
  • "Sierra Nevada: Guía de Montaña". Aurelio del Castillo y Antonio del Castillo. Ed. Penibética, 2003. ISBN 84-932022-3-1 (Spanish)

外部リンク[編集]