ザラ (ファッションブランド)

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ザラ店舗の例(香港)

ザラ (ZARA) は、スペインガリシア州アパレルメーカーであるインディテックスが展開するファッションブランドガリシア語スペイン語でではサラ ['θaɾa] と濁らずに読む。2011年10月末現在で世界中に1,603店舗を持つ。

歴史[編集]

1975年にスペインのア・コルーニャに1号店を開店[1]。1988年にポルトガルに店舗を開店させて国外進出を開始すると、1989年にはアメリカ合衆国・ニューヨークとフランス・パリにも店を構えた[2]。2005年にはスペインの全企業中第21位の売上高をあげるまでに成長した[1]。2008年時点で世界60か国で展開しており、その大半は直営店だった[1]。2008年にはリーマン・ショックの影響で世界的に大不況に見舞われたが、2009年9月期のザラの総売上高は110億8,400万ユーロであり、前年比8%の増収を記録した[2]。ザラ単独では、2010年4月末時点で76か国に1,631店舗を展開している[2]

人種差別問題[編集]

2007年、ナチスハーケンクロイツ(鉤十字)がデザインされたハンドバッグを販売したが、批判を受け即刻回収する騒動に発展した[3]。2014年、ユダヤ人強制収容所で着用した服を思わせる胸に黄色の星形が付いたシャツを販売。再び批判を招き商品を撤去した[3]。2015年、ZARAで元社内弁護士を務めていたイアン・ジャック・ミラーが、同社の「企業風土に反ユダヤ主義が含まれる」として訴訟を起こした。それによるとザラでは人種差別的なことが平然と行われており、同士もユダヤ系であることが会社に知れた途端、差別の標的にされ7年間務めた会社を解雇されたという[3]

日本での展開[編集]

株式会社ザラ・ジャパン
ZARA JAPAN CORP.
種類 株式会社
略称 ザラ
本社所在地 150-0021
東京都渋谷区恵比寿西1-10-11 藤原ビル6階
設立 1997年8月
業種 卸売業
代表者 イヴァン・バルベラ・トラスプエスト
代表取締役社長
資本金 10億円
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1997年に日本法人が設立された。この時は日本のビギグループとの合弁(ビギ51%、インディテックス49%)であったが、2005年にインディテックスの100%出資に引き上げられ、スペイン本社の完全子会社となった。1998年には日本第1号店を渋谷に開店させ[4]、2002年には原宿店を開店させた[5]。当初は日本での知名度は低く、店舗数の伸びは緩やかだったが、2003年4月に銀座店と六本木ヒルズ店を同時開店させてから急激な伸びを記録[4]。2008年にはH&Mが日本に上陸したことでファストファッションブランド全体が注目され、一気に店舗数を増やした[4]。2007年4月時点では27店舗だったが[5]、2009年に渋谷に50号店をオープンさせ[2]、2012年8月時点では79店舗を構えている[4]。2011年10月20日にオンラインショップが開設された。

特徴[編集]

ファッション性に優れた服を手ごろな価格で提供することで成功[5]。200人以上のデザイナーが1シーズンに3万以上のモデルをデザインしている[2]。企画・デザインから製造・販売までを自社で担い、卸売業者を介さないことで、コストダウンや在庫管理の円滑化、消費者ニーズへの素早い対応などを可能にした[5][2]。このような戦略を可能にした理由のひとつとして、デル(パソコン)やトヨタ自動車(自動車)と同様の「サプライチェーン方式」を採用している点がある。流行が広告戦略と密接なアパレル業界では、意図的な流行創出のために広告と流行服を大量供給する前の準備期間が必要であり、新商品が発売されるまでにおよそ9か月かかるのが業界平均である。[独自研究?]しかしザラでは流行と同期しない製品作りをしているため、[要出典]2週間単位で新商品が投入され、店頭には常に新しい商品が並べられている[2]。それまでのスペインでは百貨店などの大型店よりも専門店が占める割合が大きく、多数の店舗を展開するザラは革新的な存在だった[5]ただし、流行と同期しないことはデッドストックが発生するリスクがあり、その回避のために商品1種類あたりの在庫点数を少なくしており、売り切れても補充はされない。このような商品サイクルにより、消費者に決定権がありがちな商品寿命をメーカーが握る形になり、結果的に商品の入れ替わりが激しくなるので、「今のうちに買っておかないと、もう入手できないかもしれない」という消費者の心理を利用することにもつながっている。[独自研究?]生産拠点はスペイン、ポルトガル、中国、インド、トルコに分散しており、生産された商品はいったんスペインの物流センターに集められた後、ヨーロッパの国に対しては24時間以内に、アメリカ・アジアの国に対しては48時間以内に届けることができる[2]

パリのオペラ座やニューヨークのソーホー地区など世界の主要都市の繁華街に大型店を展開し、店舗を広告塔とすることで広告宣伝費を抑える戦略を取っているが[2][5]、現在では市場に合わせて一定の広告宣伝も行っている[5]子供服から婦人服・紳士服まで幅広く展開する。アメリカヨーロッパアジアに進出しており、特にヨーロッパでの人気が高い。かつてはスペイン国内に充分安い労働力が存在していたため、工賃の安い国外での商品の製造はしていなかったが、[独自研究?]現在は東欧西アジア南アジア中国などでの製造を行っている。

出典[編集]

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  1. ^ a b c 碇順治『ヨーロッパ読本 スペイン』河出書房新社, 2008年, pp.235-236
  2. ^ a b c d e f g h i 川成洋・坂東省次『スペイン文化事典』丸善, 2011年, pp.88-89
  3. ^ a b c ZARAの従業員「人種差別」問題 40億円訴訟に発展
  4. ^ a b c d 坂東省次『現代スペインを知るための60章』明石書店, 2013年, pp.138-139
  5. ^ a b c d e f g 坂東省次・戸門一衛・碇順治『現代スペイン情報ハンドブック 改定版』三修社, 2007年, pp.259-260

関連項目[編集]

外部リンク[編集]