キング (1980年代のイギリスのバンド)

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キング
King
出身地 イングランドの旗 イングランド コヴェントリー
ジャンル ニュー・ウェイヴ[1]2トーンポップ・ロックソウル
活動期間 1984年 – 1986年
レーベル CBS
旧メンバー ポール・キング
Mick Roberts
Anthony "Tony" Wall
Jim "Jackal" Lantsbery

キング (King) は、1984年に結成された、イギリスニュー・ウェイヴ[1]ポップバンド1985年に音楽チャートで成功を収め、全英シングルチャートで2位まで上昇した「ラブ&プライド (Love & Pride)」によって、最もよく知られている。一年あまりの間に、トップ20入りを果たしたアルバム2枚はいずれもゴールドディスクとなり、トップ30入りしたシングル5枚を出した。

バンド名は、リード・シンガーのポール・キング英語版の姓に由来する。

概要[編集]

このバンドは、もともとコヴェントリーで活動していたザ・リラクタント・ステレオタイプス (The Reluctant Stereotypes) というロック/スカ・バンドのメンバーの一部が、音楽プロデューサーのポール・サンプソン (Paul Sampson) と組んで結成したものである。ザ・リラクタント・ステレオタイプスが解散した後、ボーカルだったポール・キングはザ・ロー・スクリーンズ (The Raw Screens) を結成したが、このバンドは、ポール・キングやそのマネージャーだったペリー・ヘインズ (Perry Haines) が「2トーン」にかけて「マルチ・トーン (Multi Tone)」と称する独自の演奏スタイルを確立し、1983年にはグループを再結成して、バンド名を自分の姓から名付けキングと名付けた[2]

リード・ボーカルのポール・キングは、「オウム」を思わせる髪型に、スプレーでペイントされたドクターマーチンブーツという格好で、「まるで『チキ・チキ・バン・バン』のチャイルドキャッチャー英語版」と評された[3]。このバンドは全英アルバム・チャートのトップ20に入ったアルバムをCBSレコードから出したが、両作ともリチャード・ジェイムス・バージェス英語版がプロデュースとミックスを担当し、デビュー・アルバムの『Steps in Time』では、ほとんどのドラムスの演奏もした(2作目の『薔薇伝説 (Bitter Sweet)』では、エイドリアン・リリーホワイト (Adrian Lillywhite) がドラムスを担当した)。いずれのアルバムもゴールドディスクとなって、5曲がヒットシングルとなり、なかでも「ラブ&プライド」は全英2位のヒットとなった[4]

成功の最中にありながら、バンドは1986年に解散してしまう。ポール・キングは1987年に、アメリカ合衆国の音楽プロデューサーダン・ハートマンのプロデュースによって、ソロ・アルバム『Joy』をリリースした。。しかし1988年以降は、ミュージシャンとしてテレビへの出演の機会は少なくなったが、MTVVH1ビデオジョッキー(VJ:司会者)として1990年代まで活動した。21世紀に入るとシニアプロデューサーとして音楽番組製作の裏方に回った。

1998年には、『The Best of King - Love & Pride』と題されたコンピレーション・アルバムがリリースされ、バンドのヒット曲や特徴的な曲、ポール・キングのソロとしてのマイナー・ヒット「I Know」など18曲が収録された。

このバンドの楽曲で、アメリカ合衆国のチャートである Billboard Hot 100 に入ったのは、1985年9月に55位まで上昇した「ラブ&プライド」だけであった。

ラインナップ[編集]

  • ポール・キング - ボーカル
  • ミック・ロバーツ (Mick Roberts) - キーボードバッキング・ボーカル
  • アンソニー・"トニー"・ウォール (Anthony "Tony" Wall) - ベース
  • ジム・"ジャック"・ランツベリー (Jim "Jackal" Lantsbery) - ギター
  • ジョン・ヒューイット (John Hewitt) / エイドリアン・リリーホワイト / コリン・ヘインズ (Colin Heanes) - ドラムス

ディスコグラフィ[編集]

シングル[編集]

Year A面 B面 全英シングルチャート[4]
1984年4月

CBS

ラブ&プライド ("Love & Pride")

(12": Body & Soul Mix)

"Don't Stop"

"Classic Strangers" (12")

84
1984年8月

CBS

"Soul On My Boots"

(12": Rub-A-Dub Mix)

"Ain't No Doubt"

"Fools" (12")

-
1984年4月10日

CBS

"Won't You Hold My Hand Now"

(12": Heavy Times Mix)

"Endlessly"

"Never Ending" (12")

-
1985年1月

CBS A4948 再発売 7", 12"

ラブ&プライド ("Love & Pride")

(12": Body & Soul Mix)

"Don't Stop"

"Classic Strangers" (12")

2
1985年3月

CBS

7", limited double 7"**, 12"

"Won't You Hold My Hand Now" (remix)

(12":Youth Mix)

"Fish" (Reprise) (Live, Glasgow 26.1.85)

"Won't You Hold My Hand Now" (Encore, Live)**

"And As For Myself" (Live)**

24
1985年8月

CBS 7", 12"

愛のなごり ("Alone Without You")

(12": Scorcher Mix)

"I Kissed The Spiky Fridge" (Rock Hard Mix)

ラブ&プライド ("Love & Pride" USA Summer Mix) (12")

8
1985年10月

CBS A6618 7", 12"

薔薇に口づけ ("The Taste Of Your Tears")

(12": Breaker Heart Mix)

"Crazy Party"

"Alone Without You" - The Reprise (12")

11
1986年1月

CBS QTA6761

トーチャー ("Torture")

(12": PF Extended Mix)

"Groovin' With The Kings"

愛の掟 ("These Things" Reprise)(12")

23
1987年

CBS PKING1 Paul King solo

"I Know" "Some Risks"
59[5]
1987年

CBS PKING2 Paul King solo

"Follow My Heart"

(12": Heartbeat Mix)

"Love, Pride and Brutality"
-
1987年

CBS Paul King solo

"Smug and Irritating" ?
-

アルバム[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b Morris, Chris (29 October 1994). “Indie Labels Thrive By Mining Majors' Catalogs For Reissues”. Billboard 106 (44): 116. ISSN 0006-2510. https://books.google.com/books?id=YQgEAAAAMBAJ&pg=PA116&dq=%22new+wave%22. 
  2. ^ BBC - Coventry and Warwickshire - Entertainment - Pop into the Past
  3. ^ icCoventry - King of the charts
  4. ^ a b c d Roberts, David (2006). British Hit Singles & Albums (19th ed.). London: Guinness World Records Limited. p. 301. ISBN 1-904994-10-5 
  5. ^ Roberts, David (2006). British Hit Singles & Albums (19th ed.). London: Guinness World Records Limited. p. 302. ISBN 1-904994-10-5 

外部リンク[編集]