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ドクターマーチン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ドクターマーチン
Dr. Martens plc
種類 公開会社
市場情報 LSE: DOCS
本社所在地 イギリスの旗 イギリス
NW1 7BY
28 Jamestown Rd, Camden, ロンドン
設立 1947年(79年前) (1947)
事業内容 靴および関連製品の製造・販売
代表者 ケニー・ウィルソン(CEO)
主要株主 ペルミラ・アドバイザーズ
外部リンク 公式オンラインショップ
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ブーツに入ったドクターマーチンのロゴ

ドクターマーチン(Dr. Martens)は、イギリスのDr. Martens plcが製造および販売を行っている靴・ブーツのブランド。代表的な商品として、独自の技術を用いた「エアクッションソール」と黄色い糸のステッチが特徴のブーツを販売している[1][2]。

ブランドの特徴である「エアクッションソール」は、1945年にドイツ人の軍医であるクラウス・マルテンス(クラウス・マーチン)博士が自らの負傷した足の負担を和らげる目的で開発した[3][4]。ワークブーツを作るイギリスのR.グリッグス社が特許を購入し、1960年に8ホールブーツの発売を開始した[5][6][7]。

当初はワーキングブーツとしてイギリス労働者階級の郵便配達員や工場労働者に多く履かれていたが[8]、1960年代後半から1970年代中頃にかけてジャマイカの音楽であるスカを好む初期のスキンヘッズに愛用され、サブカルチャーに不可欠な靴となった[8][9][10][11]。1970年代から1990年代にかけては若者カルチャーを象徴する靴としてイギリス、アメリカ、日本などで人気になった[9]。

2000年代には主要市場だったアメリカでの売り上げが急速に落ち込み、2003年に1つの工場を除いてイギリスの工場を閉鎖、生産拠点を中国とタイへ移転した[9]。ハンドメイド製法の再開などファッションとしてのイメージを強める戦略により、2000年代後半から2010年代にかけて業績の回復と事業の拡大が進められた[9]。

歴史

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ブーツ開発

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ドクターマーチン・ブーツ。靴底を一周する黄色い縫い目が特徴。

発案者のクラウス・マーチンは第二次世界大戦中にドイツ軍に属していたドイツ人医師である[3]。1945年の休暇中に、バイエルン地方のアルプス山脈でスキーをしている最中に足首に怪我を負った[3]。彼は軍から支給されるブーツが怪我を負った足には全く適さないことに気づいた。怪我から回復するまでの間に、柔らかい革と空気を充満させた靴底を用いたブーツの改良案を設計した。戦争が終わり、ドイツ人による都市からの貴重品略奪が始まったとき、マーチン博士は靴屋の店から革を略奪した。その革を用いて、現在有名となったエアークッションの効いた靴底と組み合わせ、彼は自身の手によってブーツを作り上げた。

商業化

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マーチンは1947年にミュンヘンで大学時代の友人であるヘルベルト・フンク博士に再会するまではその靴を販売する機会がなかった。Funckは新しい靴のデザインに興味をそそられ、二人はドイツ空軍飛行場から廃棄されるゴムタイヤを材料として、ドイツのゼースハウプトでその年の内に事業を開始した。快適で長持ちする靴底は主婦を中心に人気を博した。最初の10年の売り上げの80パーセントは40歳以上の女性からであった。

売上は1952年にはミュンヘンに工場を開くほどにまで増大した。1959年にはマーチンとFunckが国際的な履物市場を視野に入れるのに充分なほどにまで成長した。ほぼ同時期に、イギリスの靴製造メーカーであるR.グリッグス・グループLtd.が、イギリスにおける靴製作のための特許権を買い取った。グリッグスは名称を英国化し、よりぴったり合うように踵を細くし、トレードマークである黄色の縫い目を施し、靴底をAirWairとして商標登録した。

イギリスにおける人気

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イギリスにおける最初のドクターマーチンは、1960年4月1日に片側8個の紐孔、チェリーレッドの色、ナパ革のデザインで発売された。それは郵便屋、警察官、工場労働者などの間で人気を博した[8]。1960年代後半には、ジャマイカの音楽であるスカを好む初期のスキンヘッズがドクターマーチンのブーツに注目し[8]、チェリーレッドのブーツがストリートギャングの象徴的スタイルとなった。

1970年中頃、ドクターマーチンのブーツはイギリスのパンクロックスターの間で人気となり、そのファンもまたドクターマーチンのブーツを履くようになった。これらのブーツと靴が若者のサブカルチャーとして人気を集めるようになった。ドクターマーチンの名前はアレクセイ・セイルの歌の題名としても使われ、マッドネスのCDボックスセットThe Businessのカバーアートにも登場する。

White社

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ドクターマーチンには1990年代後半までAir Wair社製とイギリスで製造していたホワイト社製があった。ホワイト社製のドクターマーチンは1990年代終わりごろに製造中止となった。ホワイト社のドクターマーチンはトゥの部分の丸みが可愛くて人気があり、Air Wair社と競合していた時代もホワイト社の方が多少人気があった。しかし、Air Wair社の方が多少製品の精度がよかった点と箱がAir Wair社のような綺麗な箱ではないことが難点として上げられる。特にホワイト社の箱は、ダンボール製の無地の箱で、横に一枚ラベルが貼ってあるだけだった。

Air Wair社製とホワイト社のドクターマーチンを比較すると、ホワイト社の製品はタグが「DrMartens」になっていること、サイドにあるマーチンの刻印が無いこと、先に記載した通りトゥの部分の丸みがあること、紐が丸紐ではなく平紐であること、インソールの刻印のデザインが違う上に文字が金色であること、そのあたりが大きな違いである。インソールの刻印のない模造品も存在する。

近年の情勢

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2000年代に入り、ドクターマーチンはAir Wairの名のもとで伝統的な黒い靴、サンダル、つま先に鋼の入ったブーツといったさまざまなスタイルが提供され、独占的に販売された。その後2003年4月1日にドクターマーチンはイギリス国内での生産を停止し、中華人民共和国とタイ王国で生産されることになった。Air Wair International Ltd.は、ブランドの永久ライセンシーであるR.グリッグス・グループLtd.(ノーサンプトンシャー州)の子会社の位置付けにあるが、R.グリッグズ・グループLtd.は、2013年にイギリスのプライベート・エクイティ・ファンドであるペルミラ・アドバイザーズ傘下のファンドに3億ポンドで買収された[12]。

2021年1月、ペルミラはドクターマーチン(Dr. Martens plc)のIPOを発表[13]、同年2月にドクターマーチンは株式公開企業となった[14]。

世界展開

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1960年にイギリスで設立されたのちに、1980年にアメリカ、1989年にイタリア、1997年にドイツ、1998年にフランスと日本、2007年に中国にて法人が設立されて世界中で販売されている[15]。収益はEMEAが48%、アメリカが37%、アジア太平洋が15%となっている(2025年時点)[15]。

脚注

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  1. ↑ “歩きやすい靴、履き心地の良い靴はソール(靴底)がポイント|”. jp.drmartens.com. 2025年12月24日閲覧。
  2. ↑ “ドクターマーチン類似品に販売差し止め命令 「黄色いステッチ」根拠:朝日新聞”. 朝日新聞 (2023年4月13日). 2025年12月24日閲覧。
  3. 1 2 3 “ドクターマーチン・エアウエアジャパン FULL STORY”. www.dr-martens.co.jp. 2017年3月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年3月26日閲覧。
  4. ↑ “歩きやすい靴、履き心地の良い靴はソール(靴底)がポイント|”. jp.drmartens.com. 2025年12月24日閲覧。
  5. ↑ “歩きやすい靴、履き心地の良い靴はソール(靴底)がポイント|”. jp.drmartens.com. 2025年12月24日閲覧。
  6. ↑ “ブランドヒストリー|”. jp.drmartens.com. 2025年12月24日閲覧。
  7. ↑ “あの「ドクターマーチン」日本で激売れする理由”. 東洋経済オンライン (2019年7月10日). 2025年12月24日閲覧。
  8. 1 2 3 4 “ブランドヒストリー|”. jp.drmartens.com. 2025年12月24日閲覧。
  9. 1 2 3 4 “あの「ドクターマーチン」日本で激売れする理由”. 東洋経済オンライン (2019年7月10日). 2025年12月24日閲覧。
  10. ↑ 例えば、Fascinating pictures show skinheads on Southend rampage 40 years ago | Daily Mail Onlineや、The History Of Dr. Martens And My Lifelong Love Affair With The Subcultural Bootなど(いずれも2017年3月26日 閲覧)
  11. ↑ “History of Dr. Martens & Punk | Journeys”. www.journeys.com. 2025年12月24日閲覧。
  12. ↑ “投資会社が「ドクターマーチン」買収”. 繊研plus (2013年10月25日). 2015年10月13日閲覧。[リンク切れ]
  13. ↑ “「ドクターマーチン」が新規上場へ オーナーの英投資会社ペルミラが発表”. WWD Japan (2021年1月13日). 2021年6月20日閲覧。
  14. ↑ “「ドクターマーチン」が新規上場 公募価格を23%上回る初値”. WWD Japan (2021年2月4日). 2021年6月20日閲覧。
  15. 1 2 “Where we operate” (英語). Dr. Martens plc. 2025年12月25日閲覧。

外部リンク

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