オリブリオス

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オリブリオス
Olybrius
西ローマ皇帝
Anicius Olybrius.png
オリブリオスの肖像が彫られたコイン
在位 472年7月11日 - 10月23日

全名 フラウィウス・アニキウス・オリュブリウス
出生 430年
死去 472年
配偶者 プラキディア
子女 アニキア・ユリアナ
父親 アニキウス・プロブス
母親 アデルフィア
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オリブリオスまたはフラウィウス・アニキウス・オリュブリウスFlavius Anicius Olybrius)は西ローマ帝国皇帝(在位:472年7月11日 - 10月23日)。ローマ貴族階級の出身。西ローマ皇帝ペトロニウス・マクシムスとは親戚関係がある。

生涯[編集]

家族と先祖、遠縁[編集]

430年頃、父アニキウス・プロブスと母アデルフィアとの間に生まれた。弟にアニキウス・プロブス(435年生誕)がいる。父方は有力貴族であるアニキア家で、母方の先祖を辿ると、ガイウス・ユリウス・カエサルとの権力闘争に敗れてエジプトで殺害されたポンペイウス、五賢帝の内の二人(アントニヌス・ピウスマルクス・アウレリウス・アントニヌス)、セウェルス朝の初代皇帝セプティミウス・セウェルスの兄プブリウス・セプティミウス・ゲタ(143年 - 203年/204年)、ゴルディアヌス1世とその孫ゴルディアヌス3世、初代ローマ皇帝アウグストゥスの姉小オクタウィアがいる。つまり、ネルウァ・アントニヌス朝直系子孫(女系子孫)の血筋であり、同時にユリウス・クラウディウス朝の女系かつ傍系子孫、セウェルス朝の男系の傍系子孫となる。その他に軍人皇帝の一人プロブスアレクサンドロス3世(大王)も先祖の一人とされている。また、上記の系譜から、トラヤヌスハドリアヌス、[カラカラ]]・ゲタ兄弟、ヘリオガバルスアレクサンデル・セウェルスの遠縁でもある。

コンスル就任と結婚[編集]

ローマ市がヴァンダル族の王ガイセリックによって455年に略奪された後、コンスタンティノープルに逃れ、464年に同地でコンスルに就任した。この頃に西ローマ帝国皇帝ウァレンティニアヌス3世の皇女プラキディア(Placidia)と結婚。

即位と死[編集]

ガイセリックはかねてより(すでに461年465年に)オリブリオスを西ローマ皇帝に担ぎ出そうと諮っていたが、オリブリオスが結婚によってガイセリックの息子フネリック(プラキデアの長姉エウドキアを娶っていた)と義兄弟になったため、ガイセリックはこの機をとらえて、オリブリオスを西ローマの帝位に祭り上げた。

472年東ローマ帝国皇帝レオ1世によって、西ローマ皇帝アンテミウスを支えるべくイタリア半島に遣わされるが、アンテミウスと対立するリキメルと交渉して、不本意ながらも皇帝として宣言し、競争相手を殺害して反対者のないなか帝位に就いた。オリブリオスはプラキディアと結婚したため、テオドシウス朝最後の皇帝と見做しうる。その治世はあっけなくもつつがなく終わった。プラキディア夫人や娘アニキア・ユリアナに先立ち、472年に自然死した。

子孫・後裔[編集]

娘アニキア・ユリアナは東ローマ帝国で51年間に渡って権力を持ったアスパルの曾孫(長男アルダブリウス(420年 - 471年とその妻アントウサの娘ゴディステア(445年 - 没年不明)の息子フラウィウス・アレオビンドゥス・ダガライフス(460年 - 512年)と結婚。オリブリオスの外孫となるアニキウス・オリュブリウス・ミノール(480年生誕)、アレオビンドゥス(485年生誕)の2男を儲け、この息子達の血筋は少なくとも8世紀まで存続している。

また、ユリアナにはもう一人子供(娘)がいたと唱える学者もいる。この娘はユスティニアヌス1世の従弟ゲルマヌス・ユスティヌス(505年以前 - 550年/551年)の母とされている。ゲルマヌスの後妻に東ゴート王国の初代国王テオドリックの孫娘マタスンタがおり、その間にはゲルマヌスという息子が生まれている。このゲルマヌスの去来については諸説あるが、一説にレオンティアという妻と娘2人がおり、上の娘はマウリキウスの長男テオドシウスと結婚、下の娘はヘラクレイオス王朝の初代皇帝となるヘラクレイオス1世の側室となり、ヨアンネス・アタラリックという庶子を儲けたという。このヨアンネス・アタラリックはヘラクレイオス1世の曾孫コンスタンティノス4世の妃アナスタシアの父で、ユスティニアノス2世の母方の祖父と言われている。こちらの血筋も少なくとも8世紀まで続いた。

参考文献[編集]

パブリックドメイン この記事にはアメリカ合衆国内で著作権が消滅した次の百科事典本文を含む: Chisholm, Hugh, ed. (1911). "OLYBRIUS". Encyclopædia Britannica (英語) (11th ed.). Cambridge University Press.