しとやかな獣

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しとやかな獣
監督 川島雄三
脚本 新藤兼人
出演者 若尾文子
音楽 池野成
撮影 宗川信夫
編集 中野達治
製作会社 大映
配給 大映
公開 1962年12月26日
上映時間 96分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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しとやかな獣』(しとやかなけもの)は、1962年12月26日に公開された日本映画[1]ブラックコメディキネマ旬報ベストテン6位。 東京都中央区晴海団地が舞台[2]

概要[編集]

新藤兼人の脚本を大映と仕事をし始めていた川島雄三が首脳部に企画提案して映画化したもの[3]。主人公は、郊外にある文化的な高層団地群の、安いタイプのほうに住む4人家族。元日本海軍中佐としての外面を気にする父親、上品ぶった言葉遣いを崩さない母親、その息子、実には会社の金の横領を、娘には有名作家の暮らしを指南し、その金で暮らしている。彼らを取り巻く登場人物も、偽外人の歌手、不正経理で荒稼ぎする芸能事務所社長、男を騙して旅館経営に乗り出す女など、裏表を使い分け強欲に生きる者ばかり。団地のリビングを定点にワイドスクリーンの効果を巧みに使い[4]、戦後復興から高度成長期を迎えた日本で化かし合い騙し合って生き抜く人々の姿を描く。

あらすじ[編集]

前田時造は元海軍中佐で前田家は団地の一角を占めている。戦後のどん底の生活を経験した彼は二度とそんな生活に戻りたくないと、子どもたちをあやつり他人の金を巻き上げて暮している。息子の実は勤め先の芸能プロから使い込み、娘の友子は時造が紹介した小説家吉沢の二号になっている。ある日、友子が別れ話をもって帰って来た。友子を追って現れた吉沢に未練があるとみると、時造夫婦は極力恐縮したふりをして金づるの吉沢を巧みに引き留める。一方、実は会社の会計係三谷幸枝と関係をもち、幸枝に貢いでいた。その幸枝が念願の旅館が開業の運びになったからと別れ話をもってきた。夫に死なれた子持ちの幸枝にとって唯一の道は体を張って生きることだった。男たちの誘惑を巧みに利用し、大いに貢がせる。実との取引は既に終っていると言い放つ。芸能プロにも辞表を出した。社長の香取が恩を仇で返したと怒るが、幸枝は香取の尻っぽを握っている。香取は幸枝のために使い込んだ金のことで税務署の神谷を抱き込んでいるのだ。幸枝は神谷に払われた金がそっくり自分に戻ってくるのは、ホテルへ行って愛情の代償として貰うものであるから関係ないとうそぶく。さすがの時造一家も感嘆するばかりだった。幸枝への嫉妬で怒り狂った実は報復を目論む。税金未納の責任で神谷がクビになったと聞いて、幸枝は一瞬驚くが、香取や実は当然罪に問われても私は傷つくことはないと言い放ち、キッパリと男たちに絶縁の言葉を残して去る。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

舞台版[編集]

劇団青年座、1964年に公演
映画で母親役だった山岡久乃(劇団員だった)も出演
ぷれいす版、2007年にシアター1010にて公演
演出:髙平哲郎:出演:うつみ宮土理山田まりや坂本あきら松田洋治清郷流号菊地凡平小林のり一根本和史渡辺信子真琴つばさ
オリガト・プラスティコ版、2009年に東京:紀伊國屋ホール/大阪:シアター・ドラマシティにて公演
演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:浅野和之緒川たまき広岡由里子近藤公園すほうれいこ佐藤誓大河内浩玉置孝匡山本剛史吉添文子

出典[編集]

  1. ^ allcinema:しとやかな獣
  2. ^ 東京文化会館などで知られる建築家前川国男が設計した「晴海高層アパート」はエレベーター付きの10階建てで、入居の条件となる最低月収は当時の33歳のサラリーマンがもらう平均月収の2倍を超えた(井上秀樹「理想の団地、渦巻く欲」朝日新聞 be 2014年7月26日)。
  3. ^ 『新藤兼人オリジナルシナリオ集』新藤兼人、ダヴィッド社, 1979, p280
  4. ^ ワイドスクリーン時代の日本映画北浦寛之、『映画研究』6号、2011年、日本映画会

外部リンク[編集]