高嶋弘之

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。花蝶風月雪月花警部 (会話 | 投稿記録) による 2016年2月12日 (金) 15:07個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (Geogie(会話)による ID:57405002 の版へ差し戻し (ポップアップ使用))であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

高嶋弘之(たかしま ひろゆき、1934年 - )は、日本の音楽ディレクタープロデューサー。高嶋音楽事務所代表。「ビートルズの日本での仕掛人」として有名。バイオリニスト高嶋ちさ子の父[1]

兵庫県神戸市生まれ[1]早稲田大学文学部卒業。1959年東京芝浦電気(株)レコード事業部(のちの東芝EMI→EMIミュージック・ジャパン)入社、洋楽ディレクターとしてスタート[1]。1964年ビートルズの初代ディレクターとなり、来日時にも担当[1]。その後、邦楽担当となり和製ポップスで数々のヒットを作る[1]。1969年退社[1]。1970年(株)キャニオン・レコード取締役制作部長就任[1]。1976年同社退社後、ポリグラム・グループ(現:ユニヴァーサル)のチャペル・インターソング(音楽出版社)社長に就任[1]。高嶋音楽事務所を設立し、J-クラシックスの流れを作る[1]

略歴

1959年東京芝浦電気に入社、レコード事業部に配属されディレクターとしてのキャリアをスタートさせる。翌1960年にレコード事業部が分社化され東芝音楽工業(現・ユニバーサルミュージック傘下のEMI Records Japan)となったことに伴い同社に移籍。以後主に洋楽担当のディレクターとして活動する。

当時東芝音工は既に英EMIと提携関係にあったことから、EMI傘下のパーロフォンからデビューしたビートルズについても本国からのデビュー当初からその存在を知っていたため、ビートルズの日本における仕掛人として国内で様々なプロモーション活動を仕掛けた。その結果ビートルズは日本においても大ヒットを連発し、高嶋も一躍その名を知られるようになる。

その後邦楽部門に移りザ・フォーク・クルセダーズ黛ジュン由紀さおりジローズなどのディレクターを手がけた。ちなみに由紀さおりのヒット曲「夜明けのスキャット」のタイトルを命名したのは高嶋その人である[2]

高嶋は1970年に、東芝音楽工業を離れてキャニオンレコード(現・ポニーキャニオン)の設立に参加し、同社取締役制作部長に就任した。

1976年にはポリグラムグループに移籍し、チャペル・インターソング(音楽出版社)社長、ロンドンレコード副社長、ポリドール・レコード(日本法人)常務を歴任した後、1991年に同社を退社して高嶋音楽事務所を設立。主にクラシック音楽のアーティストのマネジメントやプロデュース等を手がけている。

ビートルズとの関わり

  • ビートルズの初期の楽曲の邦題は、そのほとんどが高嶋が考えたものである。
  • ビートルズの日本での売り出しにあたっては、現代であれば確実に問題になるような数々のやらせや数字の不正操作などを裏でしかけていたことを著書やインタビュー等で明らかにしている[5]
    • ラジオのリクエスト番組等で自社のアーティストの曲の順位を上げるため、大学の後輩をそれらの番組にアルバイトとして送り込み、電話リクエスト等の集計の際に他社のアーティストのリクエスト数を減らし自社のアーティストの数字を増やすといったことを行わせていたという。
    • ビートルズの人気をメディアで取り上げてもらうため、東芝音工の社員らを床屋に連れて行って髪型をマッシュルームカットにさせた上で、その様子を週刊誌等に取材させ「今ビートルズカットがブーム」等の記事を書かせたこともある。

家族・親族

著書

  • 『ヒットチャートの魔術師 レコード・ビジネスの世界』(紀尾井書房、1981年
  • 『人生は愛の演劇―感動のメカニズム』(産能大学出版部、1992年
  • 『「ビートルズ! 」をつくった男 (レコード・ビジネスへ愛をこめて)』(DU BOOKS、2014年) 

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i 放送作家倉本美津留との対談
  2. ^ マスメディアを巻き込んだ「演出術」~由紀さおり「夜明けのスキャット」がヒットするまで 『ヒットの法則はビートルズが教えてくれた』ビートルズ初代担当ディレクター / プロデューサー 髙嶋弘之 Musicman-net
  3. ^ 東京スポーツ・2010年12月17日付 連載『高嶋弘之 ビートルズとカレッジポップス』
  4. ^ ビートルズ来日時を知る初代ディレクター高嶋弘之氏に聞きました! - EMIミュージック・ジャパン
  5. ^ 『人生は愛の演劇』『高嶋弘之 ビートルズとカレッジポップス』など。

外部リンク