遠距離恋愛
遠距離恋愛(えんきょりれんあい)とは、居住区における物理的距離が離れている状態での恋愛関係またはその状態のことをいう。
しかし、物理的距離が離れている場合以外でも「遠距離恋愛」とされるケースが存在するため明確な定義は存在しない。 『遠恋』と略される場合がある。
遠距離恋愛の場合、お互いが直接会う機会が少ないため、手紙や電話や電子メールが主な交流手段となることが多い。
定義
「遠距離恋愛」という言葉自体に明確な定義は存在しない。恋愛をしている当事者本人が遠距離恋愛だと感じれば、物理的に近距離とされる距離であろうとも遠距離恋愛とされる。
- 物理的距離が近いとされる遠距離恋愛の例
- 「同一都市圏内で遠距離恋愛をしている」というカップル
- →行動範囲の狭い小学生や中学生ならば、充分に遠距離恋愛になりうると考えられる。
- 「同一都道府県内で遠距離恋愛をしている」というカップル
- →同一県内だが、交通手段が大きく迂回をするようなルートしか存在しない。
- →相手が離島在住などにより交通費が大幅にかかる。
など。
つまり、年代や地域、経済力など、さまざまな条件により状況が違うため単に物理的な直線距離だけでは定義できないとされる。
言い換えれば「なかなか逢えない距離」が「遠距離恋愛」の定義となりうるものだと思われる。
ボッサードの法則
アメリカの心理学者ボッサードが発見した法則で、「男女間の物理的な距離が近いほど心理的な距離は狭まる」というものである。婚約中のカップル5000組を調査したところ33パーセントが半径5ブロック以内に住んでいた。2人の距離が離れているほど結婚に辿り着く確率は低かったという。
逆に言えば、遠距離恋愛は成就しにくいことを示すものである。この法則を打ち破るには、頻繁に連絡をとる等して互いの心理的距離が遠くならないようにすることが必要である。
遠距離の恋人に会いに行くには時間と交通費というコストがかかり、その対価として楽しい時間が得られる。恋人と少しでもうまくいかないことがあるとその大きなコストに抵抗を感じるようになる。人は社会的交換理論に基づいて損得勘定をする傾向があるからである。
(出典 『心理学のすべてがわかる本』 深堀元文 2007年 日本実業出版社 88頁 ISBN 978-4534041821)