縮地
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縮地(しゅくち、縮地法あるいは縮地術などと呼ばれることも)とは、
- 仙人の特殊能力の1つで、短時間で長距離を移動する術(いわゆる瞬間移動)。「縮地」という名前は中国・晋代の『神仙伝』に登場する後漢の方士・費長房[1]の故事に由来する[2]。道士がいた朝鮮半島でも古くから知られており、新羅の時代には縮地が使われたという伝説が残っているほか、李氏朝鮮時代の小説『田禹治伝』等の書物に登場する。現代でも商人が下関から韓国まで縮地で帰ったという話が韓国にある[3]ほか、北朝鮮の歌謡曲にも登場する等、それなりに知られている技術である。
- 日本武術において近年生まれた用例で、瞬時に相手との間合いを詰めたり、相手の死角に入り込む体捌きを指して、1.の縮地から同じ呼び方をしたもの。伝統武術において同種の技術を「縮地」と呼んだ例は確認できない(無論、近づいている事を気付かせない移動法等のある意味で「瞬時に接近する」技術や、長い距離を少ない歩数で接近する技術自体は存在する)。ただし、合気道の開祖植芝盛平の逸話に数十メートルの距離を一瞬にして移動したという話がある。開祖の高弟である塩田剛三の著書には軍人に的の位置に立った開祖を撃たせ、発射の瞬間に距離をつめ、弾が的のあたりに当たる時には撃った兵士が投げられていたという記述がある。
- 上記のいずれかを元にした、小説・漫画・アニメ・ゲーム等のキャラクターが使用する架空の能力。本項目ではこれを中心に述べる。
縮地が登場する作品
- 魔法先生ネギま!(赤松健)
- 何人かのキャラクターが「縮地法」または「瞬動術」(瞬動)を使用。基本的には2だが、空中で発動する「虚空瞬動」については1の可能性もある。
- いぬかみっ!(有沢まみず)
- 妖狐のようことその父親・大妖狐が1を使用。自分以外の人や物も移動させることができる。
- トーキョーN◎VA(怪兵隊)
- 「XIV.チャクラ(車鞍)」のスタイルを持つキャラクターが2を使用。
- とっても!ラッキーマン(ガモウひろし)
- 世直しマンが1を使用。
- 終末少女幻想アリスマチック(キャラメルBOX)
- 月瀬小夜音が2を使用。
- テニスの王子様(許斐剛)
- 比嘉中学のテニス部員が2を使用。基本的には前後にしか移動できないが、部長の木手は全方向へ移動可能。
- 刀語(西尾維新)
- 浮義待秋が2を使用。
- HELLSING(平野耕太)
- 高木由美江が2を使用。
- 拳児(藤原芳秀)
- 実在の人物佐川幸義をモデルにした佐上幸義が2を使用。主人公の剛拳児を相手どり、パンチへ対し目の前から消えてみせた。
- 三国志(横山光輝)
- 司馬仲達との戦闘の際、諸葛孔明が敵前から退却する戦術として使用。実際には砂嵐を活用し、偽兵と偽の孔明を幾重にも使用した戦術だったが、仲達は1の仙術と思い込み、恐れ慄いた。
- チョン・ウチ 時空道士(原作者不詳。映画の監督はチェ・ドンフン)
- 『田禹治伝』の映画版。道術に長けた主人公が1を使用する。
- 封仙娘娘追宝録(ろくごまるに)
- 仙人の護玄が1を使用。
- るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-(和月伸宏)
- 瀬田宗次郎がこの名前の移動法を使用。宗次郎は初登場時、走行中の馬車に追いついて大久保利通を暗殺しており、対緋村剣心戦での彼の戦闘方法を考えていた和月が、この健脚を活かす形で「縮地」を登場させた。なお、この「縮地」は妖術や魔法の類ではないものの、単純に彼のずば抜けた脚力による常識外れのスピードであって技術で習得したものではないため、1とも2とも言い難いものである。
参考文献・脚注
- ^ 隋代の同名の仏教学者とは別人
- ^ a b 「しゅくち0 【縮地】」『web 版 「大辞林 第二版」』 三省堂 - Yahoo!辞書 2010年5月1日 閲覧
- ^ 力抜山 「借力拳法 その思想と技法」