石橋冠
いしばし かん 石橋 冠 | |
---|---|
生年月日 | 1936年 |
出生地 | 日本 東京都 |
職業 | 演出家 |
ジャンル | テレビドラマ、映画 |
石橋 冠(いしばし かん、1936年 - )は、日本の演出家。山田太一、倉本聡らの脚本家と組み、多くの作品を手掛けた。日本テレビのディレクターを経て、現在はフリー。
経歴
東京都出身[1]。小学生のときに北海道札幌市に移る[1]。北海道札幌南高等学校を経て[1]、1960年、早稲田大学政治経済学部を卒業し[1]、日本テレビに入社[1][2]。
「ラブレター」で2003年度芸術選奨文部科学大臣賞を受賞[1][2]。「点と線」で2007年度、「なぜ君は絶望と闘えたのか」で2010年度にそれぞれ文化庁芸術祭賞大賞を受賞[2]。「シューシャインボーイ」でソウル国際ドラマアワード2010・グランプリを受賞[2]。2011年、旭日小綬章[2]。
2016年、『人生の約束』で映画監督デビューを果たす[3]。
人物
昨今のテレビドラマについて石橋は、「映像がファッション化し、本来描くべき人間たちの生活とか心情が遠くなってしまったように思われる。テレビドラマの使命は、日常の生活にしっかり寄り添い、そこに生きる人の心情や、他者との絆を丹念に描いて<人生への応援歌>であるべき。その特質が衰退していく気配は、個人的には淋しい。」と述べている[2]。また、「良いドラマは良いサスペンスの文体を持っている」という自論を持つ[4]。見る側にある種の混乱を与えることが大切であり、その点今のテレビドラマはわかりやすさを重視し過ぎている面がある、と主張している[4]。
原田芳雄とはテレビドラマ『冬物語』より『高校生レストラン』まで長く仕事をしており、原田の告別式の際には石橋蓮司とともに弔辞を読んだ[5]。
独身時代、映画監督の岡本喜八の離れに下宿していたことがあり、直接助監督についたことはないが師と仰いでいる[6]。岡本宅の下宿人は牢名主的な俳優中谷一郎を筆頭に、脚本家の長野洋、少し遅れて女優の大谷直子ら多士済々であった。
主な作品
テレビドラマ
日本テレビ時代
- 2丁目3番地(1971年)
- 冬物語(1972年 - 1973年)
- 池中玄太80キロシリーズ(1981年 - 1992年)
- ホームスイートホーム(1982年)
- 明石貫平35才(1983年)
- 昨日、悲別で(1984年)
- 恋する時間です(1986年)
- 恋人の歌がきこえる(1989年)
- 火の用心(1990年)
- 外科医 有森冴子(1990年)- 制作と演出を兼務
- 外科医 有森冴子2(1992年)- 制作と演出を兼務
フリー以降
- 嵐の中の愛のように(1993年、読売テレビ)
- 新宿鮫・無間人形(1995年、NHK)
- 新宿鮫・屍蘭(1996年、NHK)
- 新宿鮫・毒猿(1997年、NHK)
- 黄昏流星群〜恋をもう一度(1998年、NHK)
- 兄弟(1999年、テレビ朝日) - 第17回ATP賞優秀賞、1998年度ギャラクシー奨励賞受賞
- 玩具の神様(1999年、NHK) - 第17回ATP賞優秀賞受賞
- 角筈にて(1999年、テレビ東京)
- 菊次郎とさきシリーズ(2001年 - 2007年、テレビ朝日)
- てのひらの闇(2001年、テレビ東京)
- 松本清張没後10年記念 張込み(2002年、テレビ朝日)
- ラブ・レター(2003年、テレビ東京) - 芸術選奨文部科学大臣賞、第21回ATP賞優秀賞受賞
- にんげんだもの 相田みつを物語(2004年、テレビ朝日)
- ドリーム〜90日で1億円〜(2004年、NHK)
- 黄落、その後(2005年、テレビ東京) - 日本民間放送連盟賞優秀賞受賞
- 終りに見た街(2005年、テレビ朝日)
- マグロ(2006年、テレビ朝日)
- 点と線(2007年、テレビ朝日) - 文化庁芸術祭大賞、東京スポーツ映画大賞「監督・ばんざい!」賞受賞
- シリウスの道(2008年、WOWOWドラマW)
- 刑事一代 平塚八兵衛の昭和事件史(2009年、テレビ朝日)
- シューシャインボーイ(2010年、テレビ東京)
- なぜ君は絶望と闘えたのか(2010年、WOWOW ドラマWスペシャル)
- 愛・命 〜新宿歌舞伎町駆け込み寺〜(2011年、テレビ朝日)
- 松本清張 黒い福音〜国際線スチュワーデス殺人事件〜(2014年、テレビ朝日)
映画
脚注・出典
- ^ a b c d e f 「<ひと2004>石橋冠さん*芸術選奨の文部科学大臣賞を受賞した*心揺さぶるドラマを」2004年3月11日 北海道新聞朝刊全道 2頁
- ^ a b c d e f 演出家・石橋 冠 テレビドラマは視聴者との「対話」 、文化庁月報 > 連載「文化人の気魄」文化庁月報、平成23年9月号(No.516)
- ^ a b “江口洋介は短髪!石橋冠監督作「人生の約束」に西田敏行&ビートたけしら主演級ずらり”. 映画.com (2015年3月18日). 2015年3月18日閲覧。
- ^ a b 「毎日新聞」、2003年6月16日
- ^ “石橋蓮司、原田芳雄さんの遺志継ぐ次回作を約束”. Sponichi Annex (2011年7月23日). 2013年6月29日閲覧。
- ^ 『kihachiフォービートのアルチザン―岡本喜八全作品集』東宝1992年