狩撫麻礼
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狩撫 麻礼(かりぶ まれい/Caribu Marley、1947年 - )は、漫画・劇画の原作者。ペンネームはジャマイカのあるカリブとボブ・マーレーに由来する。
東京下町出身。 小池一夫の主宰した漫画・劇画製作者を養成する私塾、『劇画村塾』(げきがそんじゅく)に一期生として学ぶ。
略歴
青年期にレイ・チャールズなどの黒人音楽に強く影響を受ける。その後ボブ・マーリーのレゲエミュージックにインスパイアされ、これが以後の作品に大きく影響する。1979年に『シリーズ輪苦の長い旅 ザ・リミット』(画・園田光慶、週刊漫画ジョー掲載)で原作者としてデビュー。
ボクシングや映画などをモチーフとした、骨太な筋立てのヒューマンドラマ的な作品が大半を占める。主人公の反時代的な思想が作者独特の語り口で表現される。
1986年に『ア・ホーマンス』が松田優作主演・監督で映画化されたのに続き、『迷走王 ボーダー』と『土岐正造トラブルノート ハード&ルーズ』がヒット、彼の代表作となる。
『タコポン』の1995年の連載終了以降は、狩撫麻礼名義での作品発表はなく、以後作品ごとに別個のペンネームを使用している。同一ペンネームの作品に対して読者が予断を持つことを避けるためと言われるが、その独特の作風=狩撫節から、狩撫麻礼作品と特定することは比較的容易である。カリブ・マーレィ、ひじかた憂峰、土屋ガロン、椿屋の源、marginal、ダークマスターなど数多くの別名が知られている。
最近の単行本の表記では、これらの別名のあとにカッコつきで狩撫麻礼とクレジットされることもあるが、編集サイドの意図によるものと思われる。
『ルーズ戦記 オールドボーイ』(画・嶺岸信明、原作は土屋ガロン名義、週刊漫画アクション連載)は、2007年のアイズナー賞最優秀日本作品部門を受賞した。また、同作を原作として、韓国にて朴贊郁(パク・チャヌク)監督のもとに映画化された『オールド・ボーイ』が2004年のカンヌ映画祭審査委員大賞を受賞。
エピソード
- いしかわじゅんのギャグ漫画に「風博士」という役名で登場している。
- 一度だけ合作をしたことがある江口寿史の『江口寿史の正直日記』によると、狩撫のマンションに招かれると、冷蔵庫の中はすべてビールであるとか、サンドバッグがあるとかの、「完全に狩撫麻礼的なハードボイルドな部屋」で、圧倒されたという。
- 劇画村塾の同期である山本貴嗣の漫画に本人をモデルにした狩魔無礼もしくはカリマというキャラクターが良く登場してくる。
主な作品
狩撫麻礼名義
- ア・ホーマンス (画・たなか亜希夫) - 松田優作により映画化
- 迷走王 ボーダー (画・たなか亜希夫、週刊漫画アクション連載) ※続編『ネオ・ボーダー』は、ひじかた憂峰名義で執筆
- 天使派リョウ (画・中村真理子、ビッグコミックスピリッツ連載)
- タコポン (画・いましろたかし、週刊漫画アクション連載)
- ハード&ルーズ (画・かわぐちかいじ、別冊アクション→アクション・キャラクター連載)
- ナックル・ウォーズ (画・谷口ジロー、プレイコミック連載)
- 青の戦士 (画・谷口ジロー、ビッグコミックスピリッツ連載)
- LIVE! オデッセイ (画・谷口ジロー、平凡パンチ連載)
- BOX (画・池上遼一、ビッグコミック連載)
- 少女ネム (画・木崎ひろすけ、コミックビーム連載)
- POWER FOOL (画・守村大、モーニング連載)
- ギィルティ (画・中村真理子、ビッグコミックスピリッツ連載)
- ライブマシーン (画・松森正、アクションヒーロー連載)
- ルードボーイ (画谷口ジロー)
別名義
- オールド・ボーイ(土屋ガロン名義、画・嶺岸信明、漫画アクション連載)
- 湯けむりスナイパー(ひじかた憂峰名義、画・松森正、漫画サンデー連載)
- リバースエッジ 大川端探偵社(ひじかた憂峰名義、画・たなか亜希夫、週刊漫画ゴラク不定期連載)
- 殺気ゆえ(不動チカラ名義、画・木村直巳、近代麻雀ゴールド連載)
外部リンク
- らくえんのうた(作品の情報が詳しい) ※サイト消滅
- 月の宴(「らくえんのうた」ミラー)
- 映画「オールド・ボーイ」公式サイト(日本語) ※サイト消滅
- ハードスキン(画・ひろき真冬)の考察