渡り鳥コース
渡り鳥コース(de:Vogelfluglinie,da:Fugleflugtslinien,en:bird flight line)はデンマークの首都コペンハーゲンとドイツ北部の主要都市ハンブルクを結ぶ交通幹線(回廊)である。中央ヨーロッパから北極やスカンジナビアへ渡る鳥の重要なルートと重なるため名付けられた。
フェリー
自動車と鉄道共通の接続として、デンマークのロービュ(Rødby)とドイツのプットガルテン間の19kmはフェリーで結ばれている。運航はデンマークとドイツ両政府合弁のスカンラインによって行われている。45分で結ばれ、毎日24時間1時間当たり2往復している。フェリーは車と同時に列車も航送している。フェリーに替わる横断交通として、フェーマルン・ベルト海峡を跨ぐフェーマルン・ベルト橋の建設計画がある。デンマーク・ドイツ両政府の交渉で2018年までに基本的にデンマークの資金提供により橋を完成させることで合意している。
陸上側の接続
- 道路の接続
- ヨーロッパルートE47 デンマーク側
- アウトバーン1号線A1(E47・E22ルート) ドイツ側
- 鉄道の接続
- デンマーク・ヴォーディングボー間118km(最高速度140~180km/h複線、リングステッド(Ringsted)までの64kmは電化)
- ヴォーディングボー・ロービュ間65km(最高速度120km/h、単線)
- プットガルテン・リューベック間89km(単線)
- リューベック・ハンブルク間64km(複線、電化が進行中)
旅客サービスは現在、コペンハーゲン・ハンブルク間に毎日3~5往復のIC3を使用したユーロシティやICE TD(2007年12月~)が運行されている。過去には気動車急行「コペンハーゲン・エクスプレス」号(コペンハーゲン~ハンブルク)や客車急行が運行されていたほか、1974年5月~1978年5月の4年間はTEE「メルクール(Merkur)」号(コペンハーゲン~ハンブルク~シュトゥットガルト)も運行されていた。
大ベルト橋が完成してからは、貨物列車はロービュ、プットガルテン間を直接経由しなくなったが160km長い、フュン島やユトランド半島を経由している。これは同様に、コペンハーゲン・ドルトムント・バーゼルを結ぶ夜行列車ユーロナイトもそうである。
- 現在の大陸ヨーロッパとデンマークの連絡施設
- Masnedsund橋, デンマーク (鉄道)
- Storstrøm橋, デンマーク (鉄道)
- Frederick IX 橋, デンマーク (鉄道)
- Farø Bridges, Denmark (高速道路)
- Guldborgsund トンネル, デンマーク (2車線道路, 4車線化も開始)
- Fehmarn Sound 橋, ドイツ (複線鉄道、2車線道路)
沿革
渡り鳥ルートの接続は1963年に完成している。以前のコペンハーゲン・ハンブルク間の連絡はグレートベルトを直接横断するフェリーと、フュン島・ユトランド半島間、ゲサ(Gedser)・ヴァーネミュンデ(Warnemünde)のフェリーであった。より直接的に結ぶ渡り鳥ルート(bird flight line)が提案されたのは1920年代にさかのぼる。1941年にナチの占領に押され工事が開始されたが、1946年工事は中止されてしまう。第二次世界大戦後、ヴァーネミュンデは東ドイツになり、西ドイツとデンマーク間の交通にとって不都合となった。 渡り鳥コースは1949年再び建設が再開され、1951年から1963年にGedserからGroßenbrodeのフェリーが当面の解決案として動いた。