治療
治療(ちりょう)とは、病気やけがをなおすこと。病気を治癒させたり、症状を軽快にさせるための行為のことである[1]。
概要
ヒポクラテスは、「医師が病を治すのではなく、身体が病を治す。」と表現した。つまり、人の体にはもともと「治ろうとする機能」があり、医師の役割というのは、その機能を補助することにすぎず、治療や医療行為というのは治る機能を補助するものでなければならない、としているのである。
現代の医療現場ではおおむね、病気や怪我(疾病や創傷)などを、(問診なども含めつつ)観察し、(必要と判断されれば)さまざま臨床検査を行って、疾患名等を推定し(診断)、治療の方針を決めたり、あるいは治療行為は行わずそのままにし観察を続けることが選択されている。
また、主に看護師によって行われる、清拭(せいしき)、入浴介助などの看護、介護などをcare(ケア)と呼ぶ。患者の状態の把握や、精神的なフォロー(メンタルケア)は、転帰(治癒、寛解、軽快など)に大きな影響がある。
治療方針と呼び名
高血圧症、糖尿病などの慢性疾患、精神疾患などの長期的な治療を加療(かりょう)と呼ぶこともある。また予後不良と考えられる、非可逆治療方法の確立されていない重度の進行性疾患・疾病などの治療に対して、致命的な状態を回避し続け「延命」することだけを目的とした行為を「延命治療」または「終端医療(ターミナルケア)」と呼ぶこともある[要出典]。その一方で、こういった延命治療ないし終端医療が回復を目指したものではないことから、患者の苦痛を引き伸ばす傾向も否定できないとして、安楽死のような処置も生まれた[要出典]。
しかし、安楽死が当人が望んだ結果(自殺)であるということで、処置を施した側の自殺幇助などが社会問題となったりもしている。こういった議論のある分野のもう一つの方向性として、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)と呼ばれる、無理な延命は行わず、生活の質を落とさずに苦痛を和らげる処方などで、より健全な状態で末期を迎える思想・医療方針も登場している。
脚注
- ^ デジタル大辞泉