新創世紀

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新創世紀
ゴダイゴスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル ニューミュージック
ロック
時間
レーベル コロムビアレコード
プロデュース ジョニー野村
チャート最高順位
ゴダイゴ アルバム 年表
新創世紀
(1976年)
「いろはの"い"」オリジナル・サウンドトラック
(1976年)
『新創世紀』収録のシングル
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新創世紀』(しんそうせいき、英語: Godiego Includes the Suite, GENESIS)は、日本ロックバンドゴダイゴ1976年7月25日コロムビアレコードから発売した1枚目のオリジナルアルバムである。

解説[編集]

LP発売当初の品番は、YX-7117。

全曲、作詞:奈良橋陽子作曲:タケカワユキヒデ編曲:ミッキー吉野(特記以外)

当初は、タケカワユキヒデのソロ・アルバムとして製作が進められていたが、ゴダイゴを結成することになったため、ゴダイゴ名義で発売された。 オリコンチャート最高位88位を獲得。アルバムとして初の圏内入りを果たした。

このアルバムの時点では、ドラム担当で知られているトミー・スナイダーはゴダイゴに加入しておらず、ドラムは浅野良治(ギター担当である浅野孝已の弟にあたる。1977年脱退。)及び、ミッキー吉野グループに在籍していた原田裕臣が担当していた。

このアルバムに収録されている曲は全詞英語であり、表題曲を除きライナー・ノーツ(歌詞カード)には歌詞とともに日本語による訳詞が記載されている。表題曲には訳詞のかわりに、各曲ごとの解説が記載されている。またゴダイゴのオリジナル・アルバムはほとんどの曲が全詞英語となっている。

このアルバム発売に先立ち、『SALAD GIRL(僕のサラダ・ガール)/YELLOW CENTER LINE(イエロー・センター・ライン)』がシングル・カットされているが、「SALAD GIRL(僕のサラダ・ガール)」はアルバムに収録されているものとは別録音のバージョンである。

「SUITE:GENESIS(組曲:新創世紀)」は、元々タケカワユキヒデが作詞した「THE PILED BLOCKS」を奈良橋陽子が書き改めたものである(歌詞の内容は異なる)。

当アルバムのうちA面曲が、映画『青春の殺人者』に使用されており、同映画のサウンドトラックを兼ねている[注 1]。さらに「SALAD GIRL(僕のサラダ・ガール)」はカネボウ化粧品CMソングとしても使用されており、後にゴダイゴのCMソング集アルバム『CMソング・グラフィティ VOL.1〜ゴダイゴ・スーパー・ヒッツ〜』にも、このアルバムのアレンジ・ヴァージョンが収録された。

『青春の殺人者』では、「IF YOU ARE PASSING BY THAT WAY(想い出を君に託そう)」は「オープニング」及び「回想ー更地にて」、「YELLOW CENTER LINE(イエロー・センター・ライン)」は「夕焼ー祭の街へ」、「MAGIC PAINTING(マジック・ペインティング)」は「回想ースナック開店風景」、「IT'S GOOD TO BE HOME AGAIN(憩いのひと時)」は「回想ー海岸のアイス・キャンディー売り」及び「エンディングー高速道路」という別名が付けられていた。

組曲の内容は、世界に1つしか国がなかった頃、その支配者である女王に三人の子供が生まれ、その王子たちが一人前になった頃、女王の男達への非情さに心を痛め、女王への反乱が始まるというもの。

組曲に登場する3人の息子は、Christo(キリスト)、Mahomet(マホメット)、Buddha(釈迦)である。

イギリスなどでは、1978年3月3日に「SALAD GIRL(僕のサラダ・ガール)」を「THE WATER MARGIN(水滸伝のテーマ)」に差し替えた『THE WATER MARGIN』をリリースしている他[注 2]、『IF YOU ARE PASSING BY THAT WAY(想い出を君に託そう)」/THE HUDDLE(男たちの凱歌)』をシングル・カットしてリリースしている。他にもスペインで『THE WATER MARGIN(水滸伝のテーマ」/THE HUDDLE(男たちの凱歌)』をシングル・カットしてリリースしている。ちなみに「THE WATER MARGIN(水滸伝のテーマ)」は後にシングル『ミラージュのテーマ』のB面曲として、日本に逆輸入された。

「SUITE:GENESIS(組曲:新創世紀)」は、ライヴ『MAGIC CAPSULE』でも演奏されているが、各曲の尺が短くなっており、メドレー形式で次の曲に繋がるようになっている。

2006年5月4日に公演された『ゴダイゴ in 東大寺』では「SUITE:GENESIS(組曲:新創世紀)」の一部である「BUDDAH'S SONG(釈迦の歌)」が、前後に「MIKUNI(御国)」(『DEAD END』の収録曲)を挟み、メドレー形式で演奏された。

2007年3月16日に公演された『2007 TOKYO 新創世紀』では「SUITE:GENESIS(組曲:新創世紀)」が大編成のロック・オペラとして披露され、『青春の殺人者』に出演していた市原悦子がナレーションと女王及び三人の息子の五役を担当した。また組曲の内容も「SUITE:GENESIS(組曲:新創世紀)」の中の曲のみならず、「MAGIC PAINTING(マジック・ペインティング)」「IT'S GOOD TO BE HOME AGAIN(憩いのひと時)」なども挿入されている。各曲の尺も、MAGIC CAPSULE版とは異なり、原曲に近いものとなっている。

収録曲[編集]

SIDE A
全作詞: 奈良橋陽子、全作曲: タケカワユキヒデ
#タイトル作詞作曲・編曲編曲時間
1.想い出を君に託そう(IF YOU ARE PASSING BY THAT WAY)奈良橋陽子タケカワユキヒデミッキー吉野
2.イエロー・センター・ライン(YELLOW CENTER LINE)奈良橋陽子タケカワユキヒデミッキー吉野
3.マジック・ペインティング(MAGIC PAINTING)奈良橋陽子タケカワユキヒデミッキー吉野
4.憩いのひと時(IT'S GOOD TO BE HOME AGAIN)奈良橋陽子タケカワユキヒデタケカワユキヒデ、石川鷹彦
5.僕のサラダガール(SALAD GIRL)奈良橋陽子タケカワユキヒデミッキー吉野
合計時間:
SIDE B(組曲:新創世紀)
全作詞: 奈良橋陽子、全作曲: タケカワユキヒデ、全編曲: ミッキー吉野。
#タイトル作詞作曲・編曲
6.誕生(CREATION)奈良橋陽子タケカワユキヒデ
7.女王の唄(QUEEN'S SONG)奈良橋陽子タケカワユキヒデ
8.恋する男の嘆き(LOVER'S LAMENT)奈良橋陽子タケカワユキヒデ
9.母と子(MOTHER & SON)奈良橋陽子タケカワユキヒデ
10.男たちの凱歌(THE HUDDLE)奈良橋陽子タケカワユキヒデ
11.釈迦の歌(BUDDHA'S SONG)奈良橋陽子タケカワユキヒデ
合計時間:

解説[編集]

  1. 想い出を君に託そう
  2. イエロー・センター・ライン
    1stシングルのカップリング曲。
  3. マジック・ペインティング
    タケカワユキヒデによるメロトロンを取り入れた楽曲。
  4. 憩いのひと時
    石川鷹彦によるアコースティックギターを前面に押し出した楽曲で、この楽曲のみタケカワと石川による共同編曲で制作されている。
  5. 僕のサラダガール
    1stシングルの表題曲。
  6. 組曲:新創世紀

参加ミュージシャン[編集]

ゴダイゴ
サポートミュージシャン

タイアップ[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 今まで、同映画のサウンドトラックは商品化されていなかったが、2010年11月24日にサウンド・トラック『青春の殺人者』が発売された。
  2. ^ オフィシャルサイトでは、『新創世紀』となっている。

出典[編集]