小学生将棋名人戦

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さなる杯小学生将棋名人戦( -はい しょうがくせいしょうぎめいじんせん)は、日本将棋連盟主催、NHK後援、さなる(第41回より[1])の協賛で行われている、小学生の将棋大会である。「小学生将棋名人戦」、「小学生名人戦」とも呼ばれる。

概要

第23回から第32回までは公文教育研究会特別協賛であったため、「公文杯小学生将棋名人戦」という名称であった。第33回から小学館が協賛となり「小学館杯小学生将棋名人戦」という名称になり、第35回から第40回は集英社が協賛に加わったことで「小学館・集英社杯小学生将棋名人戦」となっていた。

準決勝以降の3局は、「決定! こども将棋名人」という番組名で、NHK教育テレビジョンで毎年4 - 5月頃にテレビ放送される(録画)。将棋のアマチュア大会で、NHKで毎年決まって放送されるのは、この大会と「全日本アマチュア将棋名人戦」(決勝のみ、録画)だけである。

この大会は、羽生善治佐藤康光森内俊之屋敷伸之渡辺明久保利明といった、のちに何度もプロ将棋界でタイトルホルダーとなった者を輩出した。

大会概要

  • 各都道府県予選大会(3月頃) … 各都道府県で代表1名(道府県各1名、東京区内1名、東京多摩地区1名の合計48人)を決める。
  • 東日本大会・西日本大会(4月) … 東西それぞれで行われる。中部地方のうち福井県の代表だけは、西日本大会に出場する。まず、都道府県代表24名(加えて招待選手も若干名いる場合あり)が原則4名ずつに分かれてリーグ戦を行い、半数程度をリーグ通過者とする。そして、リーグ通過者(原則12名)が2つの山に分かれてトーナメント戦を行い、準決勝進出者2名(東西合わせて4名)を決める。
  • 準決勝・決勝(4月下旬 - 5月上旬頃) … 東京・渋谷のNHK放送センター将棋会館で行われる。その模様はNHKが収録し、後日、NHK教育テレビで放送される。

歴代ベスト4

  • 氏名欄、備考欄の中の数字は、学年を表す(都道府県予選の時点での学年より1つ上の学年で表すのが慣例になっているので、それに従った)。
  • 赤塗りは、後にプロの棋士または女流棋士になった者。
  • 青塗りは、2度目のベスト4入り。
  • 氏名の太字は女子。
優勝 準優勝 3位 3位 備考
1 1976 坂東明朗
大阪・天美南・6
日浦市郎
5
2 1977 達正光
大阪・呉服・6
庄司俊之
3
駒田常明 古口基
3 1978 吉田圭吾
千葉・稲丘・6
中山禎一 君島英史 伊藤直寛
4 1979 庄司俊之
宮城・南光台・5
木村哲典 鈴木修 中座真
4
5 1980 小寺淳人
千葉・高浜第二・6
畠山成幸
5
高田一正 杉本昌隆
6
6 1981 高谷新也
大阪・神津・6
中井広恵
6
佐藤康光
6
畠山成幸
6
敗退: 羽生5,村山聖6,畠山鎮6,近藤4
7 1982 羽生善治
東京・元木・6
山下雄
北海道・幌西・6
斎田純一
5
森内俊之
6
8 1983 斎田純一
神奈川・小糸・6
山内得立 屋敷伸之
6
高橋一恵
9 1984 窪田義行
茨城・寺原・6
金沢孝史
5
松本秀介 池本秀史
10 1985 野月浩貴
北海道・札幌光陽・6
上田純一 竹内俊弘 行方尚史
6
11 1986 鈴木大介
東京・金井・6
三浦邦治 久保利明
5
立石径
12 1987 田村康介
東京・大久保・6
北浜健介
6
青木雄一郎 金内辰明
13 1988 松尾哲也
大阪・登美丘西・6
西尾明
3
林光 小堀晃広
4
14 1989 小堀晃弘
神奈川・中津・5
阪口悟
5
津山慎悟 西野嘉一
15 1990 中野智弘
神奈川・市場・6
徳竹元気 阪口悟
6
西尾明
5
敗退: 本田6
16 1991 清水上徹
北海道・栄南・6
飯島栄治
6
津山慎悟 村田智弘
4
17 1992 島村健一
東京・戸塚第三・6
佐藤恵介 山崎隆之
6
横山泰明
6
18 1993 村田智弘
兵庫・高砂・6
斎藤貴臣 片上大輔
6
馬見塚明 敗退: 渡辺明3
19 1994 渡辺明
東京・宝木塚・4
長生治彦 吉川隆弥 山崎健太
20 1995 村山慈明
東京・日野第三・5
大下慧香 和田真治 酒井真理
21 1996 中平寧
富山・長岡・5
天野貴元 福間貴斗 山本正樹
22 1997 和田澄人
兵庫・末広・5
山口大志 石井直樹 田中明郎
23 1998 髙﨑一生
宮崎・大宮・6
船江恒平
兵庫・東神吉南・5
荒木宣貴
東京・豊玉・6
戸辺誠
茨城・勝倉・6
東敗退: 金井6,中村太4,広瀬6
西敗退: 糸谷4,佐藤天5,牧野4
24 1999 丹波健二
大阪・・6
伊藤大悟 吉田拓未
4
西村尚通
25 2000 都成竜馬
宮崎・江平・5
中村太地
6
増本敬 伊藤康了
26 2001 吉田拓未
広島・西深津・6
黒沢怜生
埼玉・熊谷市立東・4
澤田真吾
三重・4
横田淳史
兵庫・上甲子園・5
西敗退: 大石6
27 2002 北山開生
大阪・太子橋・6
横田淳史
兵庫・上甲子園・6
黒沢怜生
埼玉・熊谷市立東・5
澤田真吾
三重・玉垣・5
28 2003 杉本和陽
東京・多摩川・6
工藤俊介
青森・長島・6
西田拓也
京都・東和・6
菅井竜也
岡山・御津・5
西敗退: 里見6
29 2004 佐々木勇気
埼玉・鷹野・4
菅井竜也
岡山・御津・6
伊藤沙恵
東京・武蔵野市第二・5
寺尾侑也
福井・日新・6
東敗退: 永瀬6
30 2005 入山稜平
愛知・東桜・6
青木翔
埼玉・妻沼南・6
児玉星湖
滋賀・京女大附・6
桝田悠介
兵庫・大野・6
東敗退: 高見6
31 2006 石川優太
三重・川越北・6
島田健太
広島・世羅町立中央・6
長谷部浩平
栃木・小山城東・6
千田翔太
大阪・箕面市立北・6
32 2007 佐伯駿介
新潟・女池・4
近藤誠也
千葉・勝田台・5
古森悠太
大阪・五百住・6
佐々木大地
長崎・鶏鳴・6
33 2008 山岸亮平
青森・小中野・5
黒田尭之
愛媛・味酒・6
下西哲伸
奈良・奈教大附・5
増田康宏
東京・武蔵野・5
34 2009 徳田拳士
山口・周南市立福川・6
山川泰熙
東京・松沢・5
川村悠人
神奈川・西梶ヶ谷・5
山口孝貴
宮崎・沖水・6
35 2010 山川泰熙
東京・松沢・6
本川卓佐
京都・北白川・6
中七海
兵庫・本山第三・6
堀田久里生
大阪・豊島・5
36 2011 宮嶋健太
岐阜・本郷・6
岡部怜央
山形・朝暘第六・6
上野絢矢
京都・長岡第五・6
横山友紀
兵庫・平岡北・6
37 2012 森本才跳
兵庫・平木・5
森田富裕
千葉・稲毛・6
武沢涼介
北海道・砂川市立中央・6
新田霧斗
宮崎・住吉南・6
38 2013 大中智哉
山口・徳山・5
岡本詢也
兵庫・東神吉・5
松村幸輝
埼玉・明峰・6
伊藤裕紀
三重・三重西・6
39 2014 北村啓太郎
東京・毛利・5
髙田明浩
岐阜・綾南・6
村田楽
広島・湯田・6
岡本詢也
兵庫・東神吉・6
40 2015 岩松達哉
東京・東深沢[2]・6
正道直
茨城・白山西・5
片山史龍
東京・元加賀・5
上野裕寿
兵庫・野口南・6

エピソード

  • 第35回(2010年)の東日本大会では、招待選手2名が2名とも準決勝に進出し、予選を勝ち上がった各都道府県代表が全滅した。その2名とは、第7回小学館学年誌杯争奪全国小学生大会グランドチャンピオン戦(2009年12月)の優勝・準優勝者であるため、準優勝の堀田久里生は大阪府在住でありながら東日本の代表となった。
  • 第36回(2011年)は、東日本大震災の影響で日程が大幅に延期され、ベスト4以降の決勝大会は8月14日に行われた[3]
  • 第37回(2012年)の準決勝で、反則負けである「二歩」が出現(新田対森田との対局で、新田が「二歩」を指した)。

脚注

  1. ^ 第41回さなる杯小学生将棋名人戦のお知らせ --小学生将棋名人戦、「株式会社さなる」が協賛に--日本将棋連盟、2015年10月1日
  2. ^ 京都府予選に出場し西日本代表となったが、4月より東京に移住している。
  3. ^ 第36回小学生将棋名人戦【決勝大会】

関連項目

外部リンク