夕陽のガンマン
夕陽のガンマン | |
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Per qualche dollaro in più | |
監督 | セルジオ・レオーネ |
脚本 |
フルヴィオ・モルセッラ セルジオ・レオーネ ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ |
製作 |
アルトゥーロ・ゴンザレス アルベルト・グリマルディ |
出演者 |
クリント・イーストウッド リー・ヴァン・クリーフ ジャン・マリア・ヴォロンテ |
音楽 | エンニオ・モリコーネ |
撮影 | マッシモ・ダラマーノ |
編集 |
ユージェニオ・アラビソ ジョルジョ・セッラロンガ |
配給 | ユナイト映画 |
公開 |
1965年12月18日 1967年1月27日 |
上映時間 | 132分 |
製作国 | イタリア |
言語 | イタリア語 |
前作 | 荒野の用心棒 |
次作 | 続・夕陽のガンマン |
『夕陽のガンマン』(原題: Per qualche dollaro in più, 英題: For a Few Dollars More)は1965年製作のイタリアの映画。セルジオ・レオーネ監督作品。クリント・イーストウッド主演のマカロニ・ウェスタン。
概要
マカロニ・ウェスタンの傑作として名高い。セルジオ・レオーネの他の監督作品である『荒野の用心棒』、『続・夕陽のガンマン』と併せて「ドル箱三部作」と呼ばれることもある。エンニオ・モリコーネが『荒野の用心棒』に引き続き楽曲を担当している。
『荒野の用心棒』のイタリアでの大ヒットで実力を認められたレオーネが、前作を大幅に上回る予算を与えられて製作した作品である。映画の大部分はスペインのアルメリア地方で撮影された。レオーネたちは本作品の撮影に当たり、エル・パソの町並みのセットを砂漠に作り上げた。当時のセットは現存し、同地方の観光名所になっているという。本作品でレオーネは独自の演出スタイルを確立、名実共にマカロニ・ウェスタンの巨匠と目されるようになった。
原題を直訳すると「もう数ドルの為に」で、前作に当たる『荒野の用心棒』の原題(直訳すると「一握りのドル」)に引っかけたものである。
ストーリー
早撃ちの達人モンコと超一流の狙撃手ダグラス・モーティマー。
二人の凄腕の賞金稼ぎが時に協力しながら、時にお互いを出し抜きながら凶悪なギャングの頭目であるエル・インディオを追い詰めていく。
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | |
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テレビ朝日版 | DVD版 | ||
モンコ | クリント・イーストウッド | 山田康雄 (多田野曜平) | 山路和弘 |
ダグラス・モーティマー | リー・ヴァン・クリーフ | 納谷悟朗 (納谷悟朗) | 有川博 |
エル・インディオ | ジャン・マリア・ヴォロンテ | 小林清志 (小林清志) | 谷口節 |
()内は「日本語吹替完声版」での追加収録部分の担当声優
備考
前作の『荒野の用心棒』に引き続き主役をクリント・イーストウッドが演じている。イーストウッドが演じるモンコは寡黙な凄腕のガンマンという前作と同じような役柄だが、彼が『荒野の用心棒』のジョーと同一人物であるかどうかは映画中ではわからない。
『荒野の用心棒』で悪役を演じたジャン・マリア・ヴォロンテが麻薬中毒の凶暴なギャングを演じている。舞台俳優として出発したヴォロンテの演技は映画のキャラクターとしては大げさに過ぎるとして、レオーネは撮影中ヴォロンテに何度も抑えた演技をするように要請したと言われている[1]。『荒野の用心棒』のラモーン役と本作品のエル・インディオ役の成功は、ヴォロンテの俳優としての名声を大いに高めた。その一方でヴォロンテはマカロニ・ウェスタンで悪役を演じ続けることに嫌気が差していたという。本作品の後ヴォロンテはマカロニ・ウェスタンから距離を置き多くの政治映画に出演、そちらでキャリアを積んでいくことになる。
主役のモンコ、敵役のエル・インディオと同等かそれ以上の存在感を映画中で示しているのが初老の賞金稼ぎダグラス・モーティマーである。当初レオーネはモーティマー役にリー・マーヴィンを起用しようとした。しかしマーヴィンは『キャット・バルー』に出演するためにレオーネのオファーを辞退、困ったレオーネが白羽の矢を立てたのが当時半ば俳優業から引退状態にあったリー・ヴァン・クリーフだった[1]。ヴァン・クリーフはモーティマー役を演じ、一躍スター俳優にのし上がった。
特記事項
- クリント・イーストウッド演じる主人公のあだ名「モンコ」は、「不具者」「片端」を意味するイタリア語のスラング「monco」に由来している。イーストウッドは映画中では銃を撃つときしか右手を使わず、葉巻に火を付ける、ホテルで記帳するといった日常の所作殆ど全てを左手で行っている。
- レオーネはモーティマー役にヘンリー・フォンダを希望していたといわれる[2]。当時レオーネが殆ど無名であったためスーパースターのフォンダの起用は実現しなかったが、後にフォンダは同じくレオーネの監督作品である『ウエスタン』に出演、レオーネの念願が数年越しに叶うことになった。
- 映画中では早撃ちではクリント・イーストウッドに、精密射撃ではリー・ヴァン・クリーフにそれぞれ分があるというような描写であったが、ヴァン・クリーフは自分の方がより早撃ちであると主張していたという。
- 当時英語を殆ど喋れなかったレオーネが、身振り手振りでイーストウッドやヴァン・クリーフに直接演技指導をしたといわれる[1]。
夕陽コレクターズBOX
- 2009年12月11日、セルジオ・レオーネ監督の生誕80周年を記念して『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン』、『夕陽のギャングたち』を収録した6枚組のDVDセットが日本で発売された。「日本語吹替完声版」と題され、『夕陽のガンマン』、『続・夕陽のガンマン』はテレビ放送[3]でカットされた部分の吹き替えが追加収録されている。イーストウッドの吹き替えは逝去した山田の代わりに多田野曜平が担当し、それ以外の主要な役はテレビ版と同じ声優陣が再び声を当てている。
この節の加筆が望まれています。 |
脚注