国鉄タキ11350形貨車
国鉄タキ11350形貨車 | |
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タキ11350形、コタキ11354 蘇我駅 | |
基本情報 | |
製造所 | 川崎重工業 |
製造年 | 1981年(昭和56年) |
製造数 | 30 |
消滅 | 1992年(平成4年) |
常備駅 | 魚津駅、村田駅 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | 生石灰 |
化成品分類番号 | 94 |
軌間 | 1,067 |
全長 | 10,800mm、11,100 |
全幅 | 2,700mm、2,700 |
全高 | 3,644mm、3,665 |
タンク材質 | 耐候性高張力鋼 |
荷重 | 31 |
実容積 | 34.4m³、34.4 |
自重 | 14.1t、13.8 |
換算両数 積車 | 4.5 |
換算両数 空車 | 1.4 |
台車 | TR213C、TR41C |
軸距 | 6,700mm、7,000 |
最高速度 | 75 |
備考 | *寸法関係は新製車、改造車の順 |
国鉄タキ11350形貨車(こくてつタキ11350がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。
概要
本形式は、生石灰専用の31t 積タンク車として1981年(昭和56年)5月27日に10両(コタキ11350 - コタキ11359)が川崎重工業にて製作された。1983年(昭和58年)11月24日から1984年(昭和59年)3月30日にかけてタキ11500形貨車20両(コタキ11513 - コタキ11519、コタキ11523、コタキ11543 - コタキ11548、コタキ11550 - コタキ11554、コタキ11556)の専用種別がセメントから生石灰に変更され、日本車輛製造にて改造のうえ本形式に編入された。以上合計30両(コタキ11350 - コタキ11379)が落成した。
記号番号表記は、特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「コタキ」と標記する。化成品分類番号「94」(有害性物質、禁水指定のもの)が標記された。
本形式の他に生石灰を専用種別とする形式には国鉄貨車、私有ホッパ車(4形式)には存在したが私有タンク車では本形式が唯一の存在であった。
落成時の所有者は日本カーバイド工業の1社のみであり、その常備駅は北陸本線(現・あいの風とやま鉄道線)の魚津駅であった。1989年(平成元年)8月に4両(コタキ11366 - コタキ11369)が日本陸運産業(現・日陸)へ名義変更され、同時に常備駅は村田駅(現・千葉貨物駅)へ変更した。この4両は名義変更後わずか4ヶ月で廃車となっている。
タンク体は、耐候性高張力鋼製であり、荷役方式は圧送式併用のエアスライドである。前記のタキ11500形からの改造車のその改造内容は、荷役装置改造、ブレーキ倍率変更、安全弁取替えであった。
車体色は黒色、寸法関係は新製車とタキ11500形からの改造車とでは違いがありここでは新製車について記す。全長は10,800mm、全幅は2,700mm、全高は3,644mm、軸距は6,700mm、実容積は34.4m³、自重は14.1t、換算両数は積車4.5、空車1.4であり、台車はベッテンドルフ式のTR213Cである。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には全車(30両)の車籍がJR貨物に継承されたが、1992年(平成4年)4月に最後まで在籍した10両(コタキ11350 - コタキ11359)が廃車となり同時に形式消滅となった。落成後11年と短命な車両であった。
参考文献
- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)