コンテンツにスキップ

国民党 (スペイン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Xapones (会話 | 投稿記録) による 2012年5月29日 (火) 06:15個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎歴史)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

スペインの旗 スペイン政党
国民党
Partido Popular
ロゴ
党首 マリアーノ・ラホイ・ブレイ
幹事長 マリア・ドローレス・デ・コスペダル・ガルシーア
成立年月日 1989年1月20日
本部所在地 マドリード
代議院議席数
186 / 350   (53%)
(2011年11月)
元老院議席数
121 / 264   (46%)
(2011年11月)
自治体議会
26,507 / 68,230   (39%)
(2011年5月)
政治的思想・立場 保守主義
キリスト教民主主義
自由主義
シンボル
国際組織 キリスト教民主主義インターナショナル
国際民主同盟
欧州人民党
公式サイト Partido Popular
自治体議会データは内務省ホームページ[1]より
テンプレートを表示

国民党(こくみんとう、スペイン語Partido Popular、略称:PP)は、スペイン中道右派の政党。中道左派スペイン社会労働党二大政党を形成する。日本の外務省では民衆党と表記される[2]

歴史

1976年マヌエル・フラガ・イリバルネら7人のフランコ体制の政治家を中心に結成された国民同盟(Alianza Popular、AP)を前身とする。1975年、フランコ総統が死去し、フアン・カルロス1世が即位してスペインに君主制が復活した。国王は前国民運動事務局長アドルフォ・スアレスを首相に任命し、国王と首相の協力のもとに民主化が進んだ。国民同盟は、フランコ政権内にいたもののスアレス政府からはずれた保守政治家を集め、フラガを党首として結成されたものである。

フラガもスペインの体制内改革を目指していたが、スアレスに改革の主導権を奪われ、国民同盟は保守層の支持を求めて極端に右傾化した。1977年6月15日に行われた第一回総選挙では、スアレスが率いる民主中道連合(Unión de Centro Democrático、UCD)が第一党、社会労働党が第二党となり、国民同盟は惨敗した。1979年の総選挙でも同様であった。

しかし、1981年にスアレスが首相を辞任すると寄り合い所帯であったUCDは内部分裂を起こし、1982年の総選挙でフェリーペ・ゴンサーレスの社会労働党政権が誕生した。この選挙で国民同盟は自壊したUCDに代わって保守票を集め、第二党に躍進した。

支持層を広げた国民同盟は中道右派に路線を変更し、1989年に国民党に改名して、フラガに代わってホセ・マリア・アスナールを党首に選んだ。1993年の総選挙で社会労働党に迫り、1996年の総選挙に勝利して、ゴンサーレス政権に代わってアスナール政権が誕生した。政権獲得後は高い経済成長率を達成し、2000年の総選挙でも再選された。

アスナール政権は、国内ではテロ活動を行うバスク祖国と自由(ETA)に対して強硬な態度を取り、また2003年に始まったイラク戦争ではいち早くブッシュ米政権に同調して対イラク武力行使に賛成し、有志連合の一員としてイラクにスペイン軍を派遣するなど、外交的には親米姿勢を鮮明にした。

2004年3月14日の総選挙では政権続投が確実視されていたが、投票2日前にマドリードで列車爆破テロが発生した。イラク派兵に反対するイスラーム過激派による犯行であったにもかかわらず、ETAによる犯行だとの誤った発表をしたこと、またイラク派兵に反対する市民のデモをテロと関連づけて批判するなど有権者の不信を買い、イラク撤兵を公約に掲げた社会労働党に政権を奪還された。

2008年10月22日、それまでナバーラ州内で協力関係にあったナバーラ住民連合(UPN)との関係が崩壊、2008年11月7日にナバーラ支部とも言うべきナバーラ国民党(Partido Popular de Navarra)が再結成された。

2011年総選挙では欧州危機を背景に過半数を制し、7年ぶりに政権奪回を果たした。

脚註

  1. ^ Consulta de Resultados Electorales, Municipales / Mayo 2011, Total nacional” (スペイン語). Gobierno de España, Ministerio de Interior, Subsecretaría Dirección General de Política Interior. 2011年11月24日閲覧。
  2. ^ スペイン、外務省

参考文献

  • 若松隆『スペイン現代史』岩波新書、1992年
  • 立石博高編『スペイン・ポルトガル史』山川出版社、2000年
  • Gilmour, John, Manuel Fraga Iribarne and the Rebirth of the Spanish Conservatism 1939-2000, The Edwin Mellen Press, 1999.

外部リンク