三島屋変調百物語

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三島屋変調百物語』(みしまやへんちょうひゃくものがたり)は、宮部みゆきによる日本のホラー時代小説のシリーズ。2014年8月からNHK BSプレミアムにて『おそろし〜三島屋変調百物語』のタイトルでテレビドラマ化された。

シリーズ第1作『おそろし』は、JAグループが発行する雑誌『家の光』に2006年1月号から2008年7月号まで連載された後、角川書店から刊行、第2作『あんじゅう』は『読売新聞』に2009年1月から2010年1月まで連載された後、中央公論新社から刊行、第3作『泣き童子』は『オール讀物』と『別冊文藝春秋』に2011年から2012年にかけて不定期連載された後、文藝春秋より刊行された。

シリーズ一覧

  • おそろし 三島屋変調百物語事始(ことはじめ)(2008年7月 角川書店 / 2010年6月 新人物ノベルス / 2012年4月 角川文庫)
    • 収録作品:「曼珠沙華」「凶宅」「邪恋」「魔鏡」「家鳴り」
  • あんじゅう 三島屋変調百物語事続(ことのつづき)(2010年7月 中央公論新社 / 2012年2月 新人物ノベルス / 2013年6月 角川文庫)
    • 収録作品:「逃げ水」「藪から千本」「暗獣」「吼える仏」
  • 泣き童子(わらし) 三島屋変調百物語参之続(さんのつづき)(2013年6月 文藝春秋)
    • 収録作品:「魂取の池」「くりから御殿」「泣き童子」「小雪舞う日の怪談語り」「まぐる笛」「節気顔」

あらすじ

川崎宿旅籠の娘・おちかは、とある事情から江戸で袋物屋「三島屋」を営む叔父夫妻の元へ行儀見習いとして身を寄せている。しかし店主の身内として習い事に励むよりも、女中として忙しく働くことで自らの過去を頭の隅へと追いやろうとしていた。

ある日、叔父の伊兵衛が急な所用のため、訪問が予定されていた客への対応をおちかに任せて外出してしまう。他人に心を閉ざしているおちかは不安に駆られるが、自分を信用してくれた叔父のためにも、客に非礼があってはならないと覚悟を決める。

客は、庭に咲く曼珠沙華に恐れおののくが、おちかに対して自分の過去にまつわる怪をぽつり、ぽつりと話し始める。

帰宅後、おちかから事の顛末を聞いた伊兵衛は、江戸中から不思議な話を集めるとして、おちかにその聞き役を務めるよう言い渡すのだった。(「曼珠沙華」より)

登場人物

おちか
川崎宿の旅籠・丸千の一人娘。ある事件を境に他人に心を閉ざす。江戸で袋物屋を営む叔父夫妻を頼り、行儀見習いの名目で身を寄せている。
ある客の話し相手をしたことを機に、伊兵衛が市井の人々が持ち込む不思議な話を百集めるという計画を立て、おちかは客の聞き手となる。
伊兵衛(いへえ)
おちかの叔父。神田三島町の袋物屋「三島屋」の主人。振り売りから一代で店を築いた。
袋物の名店として知られる、斬新な意匠が売りの「越川(えちかわ)」と、おっとりと風雅を愛でる柄が売りの「丸角(まるかく)」の、どちらにもありそうでない柄の品物を妻と共に作り、職人を雇えるまでに成長し、 池之端仲町の越川と、本町二丁目の丸角の中間地点(少し丸角寄り)に店を構えた。商いが軌道に乗ると、三島屋を知らぬなら数奇者にあらずとまで評されるまでになった。住み込みと通いの職人が増え、頼れる番頭も得て、2人の息子が跡取りとして立派に育つと、に親しむようになり、かつて作業場に使っていた座敷を「黒白(こくびゃく)の間」と名付け、碁敵を招くようになった。
お民(おたみ)
伊兵衛の妻。
おしま
三島屋の古参女中。
八十助(やそすけ)
三島屋の番頭
新太(しんた)
三島屋の丁稚
灯庵(とうあん)
三島屋に出入りしている口入れ屋の主人。

テレビドラマ

おそろし〜三島屋変調百物語』のタイトルでNHK BSプレミアムザ・プレミアム」にて2014年8月30日から9月27日まで放送された[1]。全5回。キャッチコピーは「生と死の間に、答(わたし)がある。」。

キャスト

主要人物

ゲスト

第1夜「曼珠沙華」
第2夜「凶宅」
第3夜「邪恋」
第4夜「魔鏡」

スタッフ

放送日程

話数 放送日 サブタイトル 脚本 演出
第1夜 8月30日 曼珠沙華(まんじゅしゃげ) 金子修介
江良至
金子修介
第2夜 9月06日 凶宅 金子修介
第3夜 9月13日 邪恋(じゃれん) 金子修介
江良至
第4夜 9月20日 魔鏡 金子修介 榎戸崇泰
最終夜 9月27日 家鳴り(いえなり) 金子修介
江良至
金子修介

出典

  1. ^ 宮部みゆき原作『おそろし〜三島屋変調百物語』 制作開始!”. ドラマトピックス. NHK (2014年6月10日). 2014年9月4日閲覧。

外部リンク