レプティクティス目
レプティクティス目 Leptictida | ||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Leptictidium auderienseの化石
| ||||||||||||||||||||||||
地質時代 | ||||||||||||||||||||||||
白亜紀 - 漸新世 | ||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||
科 | ||||||||||||||||||||||||
レプティクティス目(レプティクティスもく、Leptictida)は、哺乳類の絶滅した目の一つ。名前はラテン語で「優美なイタチ」を意味する[2]。
年代と地域
真獣下綱のうち最も初期に出現したグループであり、最古の化石記録はモンゴルの白亜紀前期の地層[3]から発掘されている。白亜紀後期・暁新世にかけて発展し、地理的にもヨーロッパ・北アメリカ大陸へ広がった。始新世からは衰退し、漸新世の前期には絶滅した。
形態
概してツパイかトガリネズミに似た吻の長い小動物で、食虫性だったと考えられている。始新世のヨーロッパに分布したレプティクディウム属 Lepticdium では、前肢が短く後肢と尾が長い形態になっており、おそらくは似た外形のトビネズミやハネジネズミのように後肢だけで跳躍走行していた。この属はレプティクティス目としては大型で、全長(尾を含む)は60 - 90cmあった[3]。
系統
かつては初期の食虫目に属するものと誤認されていたが、同様に扱われていた幾つかのグループとともに「原正獣亜目」として半ば分離され(1960年代)、後にレプティクティス目として完全に分離された。後続する多くの真獣類の祖先だとする意見[4]もあるが、身体構造の特殊性(頭頂骨が後頭骨の近傍で三角形に突き出す)からそれを否定する見解[5]もある。
マッケナ & ベルの分類体系(1997年)においては、エピテリア巨目(異節類以外の真獣類)に含まれ、上目(Superoder)の分類階級を与えられている。[1]
- 真獣下綱
- 異節巨目 Magnorder Xenarthra
- エピテリア巨目 Magnorder Epitheria
- レプティクティス上目 Superoder Leptictida
- プレプトテリア上目 Superoder Preptotheria
- (それ以外の全ての真獣類)
(上図はあくまでMcKenna & Bellの分類体系による物であることに留意。「巨目」の階級の使用、エピテリア仮説の採用、プレプトテリア上目の設定は必ずしも一般的ではない。)
下位分類
以下の科に分けられる[6]。上述のレプティクディウム属はプセウドリンコキオン科に入る。
- ケンナレステス科 Kennalestidae
- ジプソニクトプス科 Gypsonictopidae
- レプティクティス科 Leptictidae
- プセウドリンコキオン科 Pseudorhyncocyonidae
脚注
関連項目
参考文献
- 遠藤秀紀『哺乳類の進化』東京大学出版会、2002年。ISBN 4-13-060182-2。
- エドウィン・H・コルバート、マイケル・モラレス、イーライ・C・ミンコフ 著、田隅本生 訳『コルバート・脊椎動物の進化(原著第5版)』築地書館、2004年。ISBN 4-8067-1295-7。
- 冨田幸光文『絶滅哺乳類図鑑』伊藤丙雄・岡本泰子イラスト、丸善、2002年。ISBN 4-621-04943-7。
- McKenna, Malcolm C.; Bell, Susan K. (1997). Classification of Mammals: Above the Species Level. New York: Columbia University Press. ISBN 0-231-11013-8