マッチョ・ドラゴン
「マッチョ・ドラゴン」 | |
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藤波辰巳 の シングル | |
B面 | ドラゴン体操 |
リリース | |
規格 | シングルレコード |
ジャンル | J-POP |
レーベル | ポリドールレコード |
作詞・作曲 | 森雪之丞、エディ・グラント |
「マッチョ・ドラゴン」は、1985年11月1日にリリースされた藤波辰巳のシングルレコード。
解説
原曲はガイアナ出身のレゲエ歌手、エディ・グラントが1984年に発表した 「街角ボーイズ(原題:Boys in the Street)」である。これに原曲とは無関係の日本語の歌詞を付けた上で藤波がカバー、自身の入場曲として使用した。
シングルレコードとして発売され、藤波の独特の声質と歌唱力の低さ、アニメソングを彷彿とさせる歌詞などが相まって「藤波が歌う奇抜な曲」としてプロレスファンの間で知られるようになる。その後、1985年に『コサキンワールド なんでもねぇんだよゲベロッチョ』の人気コーナーだったコサキンソングとして取り上げられ[1]、『電気GROOVE ビリビリ行こうぜ』や『スーパーFMマガジン』でも紹介されるなど、ごく限られたカルト的な評価ではあるがプロレスファン以外の層に対する知名度を高めた。
その後
当初はボーカル入りのものを入場曲として使用していたが、後にインストゥルメンタル版に変更した。数年後にCD版が発売される予定だったが、藤波本人が断ったため見送られている。そのため最初に発売されたシングルレコード版が唯一のソフト化作品、入手も極めて困難という状態が長期間続いた。しかし1999年、キングレコードから発売されたオムニバスアルバム「格闘音楽大全プロレスQ第5回 プロレス紅白」内の1曲として収録され、初めてCD化された。同作以外では編曲者若草恵のオムニバスアルバム「若草恵 サウンドマジック 〜編曲美学〜」にも収録されている。また、インストゥルメンタル版は権利元への問い合わせで音源の存在があきらかになり、2000年発売の「格闘音楽大全 プロレスQ777DX」にて初めて音源化がなされた。2000年代に入るとインターネットの隆盛により、動画サイト等にこの楽曲を使ったMAD動画やMV本編がアップロードされ、若年層のプロレスファンにも認知される大きな原動力となった。
ケンドー・カシンが2004年頃にヨーロッパ遠征中、「マッチョ・ドラゴン」を入場曲に使用しており、2005年のG1 CLIMAXでも同曲で入場して会場を沸かせた。
2022年9月10日にNHK総合テレビジョンで放送された『1オクターブ上の音楽会』に藤波が出演し「マッチョ・ドラゴン」を披露した[2]。
評価
藤波本人が「決して上手いとは思っていない」と語るほどの歌唱力ではあるが、「お客さんに対してのサービスって言うのかな。気持ちでね、聞いてもらおうという感じでね、精魂込めて歌いました」と述べている。
関根勤は『コサキン』内で「幼稚園児のような歌い方」と評しており、後年フジテレビのバラエティー番組『とんねるずのみなさんのおかげでした』に出演した際にもこの曲について触れ「藤波さんね、若い頃にレコード出してるんだよ。でも小学生が歌ってるみたいなんだよね」と発言した。カシンは『週刊ゴング』のインタビューの中で「世界中どこで流しても客が笑う不思議な曲」と述べ、藤波の歌唱力を「日本語の曲とは思えない」と独特のジョークで表現している。
小林幸子は藤波の歌声について、「とても可愛らしく、優しい人柄が伝わってくる」「もっと歌が上手な人はたくさんいるが、藤波さんの歌は聴くだけで明るい気持ちになれる。これは誰にでも出来ることではない」と絶賛した。
前述の『みなさんのおかげでした』の他にも、山下達郎が『山下達郎のサンデー・ソングブック』で取り上げるなど再注目されている。
収録曲
シングル「マッチョ・ドラゴン」(7DX1391)のジャケット裏には「ドラゴン体操」のジャケットが掲載されており、事実上同シングルは両A面扱いである。
- マッチョ・ドラゴン
- ドラゴン体操
出典
- ^ 『コサキンのひとみと悦子 〜BURN THE BRIDGE BEHIND YOU〜』(シンコーミュージック、ISBN 4-401-61361-9、1992年、218頁)
- ^ “前代未聞の奇妙な音楽会が開演! 異色の歌謡曲はなぜ生まれた!? その秘話に迫る! レギュラー番組への道「1オクターブ上の音楽会」”. NHK_PR. NHKオンライン (2022年8月29日). 2022年9月19日閲覧。