ホルガ・ヴィートゥス・ヌースコウ・ルーネ(Holger Vitus Nødskov Rune, デンマーク語発音: [ˈhɔl'gɔ ˈviːtus ˈnøˌsgɔw' ˈʁuːnə][1]; 2003年4月29日 - )は、デンマーク・ゲントフテ出身の男子プロテニス選手。ATPランキング自己最高ランキングはシングルス10位、ダブルス174位。ATPツアーシングルス3勝を挙げている。身長188cm、体重77kg。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。
選手経歴
ジュニア時代
6歳からテニスを始めた。2016年からムラトグルー・テニス・アカデミーで養成している。2017年にヨーロッパジュニア選手権(U-14)で優勝。
2019年 ジュニア世界1位
2019年ジュニア全仏オープン(2019 French Open – Boys' Singles)決勝でトビー・アレックス・コダット(英語版)を下し優勝。同年のITFジュニアファイナル(英語版)決勝でもアロルド・マヨ(英語版)を下し優勝し、ITFジュニアランキングで1位となった。これらの活躍により、ルーネはデンマークの全スポーツで年間最優秀選手(Årets Fund)に選出された。ジュニア時代は2017年から2019年にかけてシングルスで7大会(クレー6・ハード1)・ダブルスで4大会(クレー3・ハード1)に優勝。2019年6月にブロワ(英語版)でチャレンジャーデビュー。同年7月にポンテデーラでフューチャーズデビュー。以降2020年3月までにチャレンジャーとフューチャーズに出場していたが、ここまでのシングルスでの最高成績はチャレンジャーが2回戦・フューチャーズが準々決勝までであった。
2020年 フューチャーズ初優勝
2020年9月のクロスタースのシングルス決勝で、イェスパー・デ・ヨングを下しフューチャーズ初優勝。翌週のメリーリャではシングルス決勝でチモフェイ・スカトフ(英語版)に敗れ準優勝となったが、同大会ヴァランタン・ロワイエとペアを組みダブルスでフューチャーズ初優勝を挙げた。その後2021年2月までフューチャーズのシングルス3大会で優勝・2大会で準優勝、ダブルス1大会で準優勝。
2021年 チャレンジャー初優勝
2021年3月のブエノスアイレスでワイルドカードとしてツアーデビューし、1回戦でラモス=ビニョラスと対戦[2]。6-2, 4-6, 3-6で敗れた。3月のサンティアゴの1回戦でセバスティアン・バエスを2-0で下しツアー初勝利を挙げると、2回戦で第2シードのブノワ・ペールも2-0で下し、トップ30相手に初勝利。3回戦でデルボニスに0-2で敗れた。
5月のオエイラス4(英語版)でチャレンジャーで初めて決勝進出したが、ガシュタン・エリアシュ(英語版)に1-2で敗れた。翌週のビエッラ7・チャレンジャー(英語版)の2回戦でオエイラス決勝で敗れたエリアシュを2-0で下すと、そのまま二週連続で決勝進出。トルンゲッリーティ(英語版)をフルセットタイブレークの末勝利し、チャレンジャー初優勝を挙げた。この大会準決勝のエチェベリー(英語版)戦で、"Din kussespiller, mand!", "Du kan kraftedeme ikke noget selv! Du går bare og spiller bøsserøv!", "Allez, bøsse!"など暴言を吐いたことで大きな批判を浴び、その後Instagram上で謝罪した。また、ATPはこの件でルーネに罰金1500ユーロを科した[3][4]。
8月第2週のサンマリノ(英語版)決勝でオルランド・ルス(英語版)を2-1で逆転勝利しチャレンジャー2勝目を挙げると、翌週のヴェローナ(英語版)決勝でセルダルシッチ(英語版)を2-0で下し2週連続となるチャレンジャー3勝目を挙げた。翌週の全米オープンで初めてグランドスラムの予選に参加。予選1回戦のラツコ、2回戦のクルーガー(英語版)、3回戦のモーライン(英語版)を下し、初のグランドスラム本戦入りを果たす。本戦1回戦で第1シードのノバク・ジョコビッチと対戦し、1-3で敗れた[5]。
9月にフランスで行われたモゼール・オープンでは予選から出場し、トーマス・ファビアーノを3-6,6-3,6-4、フィリップ・コールシュライバーを5-7,6-3,7-5とそれぞれフルセットで破り、予選通過者(Q)としてモゼール・オープン初出場を果たす。初戦はベルナべ・サパタ・ミラレスを6-0,6-0、2回戦目ではロレンツォ・ソネゴを6(6)-7,6-4,6-4で破った。準々決勝では第2シードのパブロ・カレーニョ・ブスタに4-6,6-3,4-6と敗れてしまうも、シーズン中のATPツアー250において2回目のベスト8入りを果たす。
11月のイタリアで行われたネクストジェネレーション・ATPファイナルで初出場を果たし、グループAに割り当てられる。初戦は同い年のカルロス・アルカラスに3(6)-4,2-4,0-4と敗れた。2試合目ではフアン・マヌエル・セルンドロに4-1,4-2,1-4,4-1と勝利したが、3試合目にブランドン・ナカシマ戦で4-3(3),1-4,1-4,3(1)-4と惜敗を喫してしまい、決勝トーナメントに進出することはできなかった。年間最終ランキングは123位。
2022年 マスターズ初優勝 全仏ベスト8 ツアー初優勝 トップ10入り
4月のドイツで行われたBMWオープンでツアー初優勝を挙げる。2回戦目では第1シードのアレクサンダー・ズベレフを6-3,6-2を破り、決勝では第8シードのボーティック・ファン・デ・ザンスフルプの棄権により、男子シングルスではデンマーク人、そして自身もツアー初優勝を挙げた。ランキングは70位から45位に上げる。
5月の全仏オープンでは、初戦に第14シードのデニス・シャポバロフを6-3,6-1,7-6(4)のストレートで破り、2回戦目ではヘンリー・ラークソネン、3回戦目のユーゴ・ガストンをそれぞれストレートで破った。そして4回戦目では第4シードのステファノス・チチパスを7-5,3-6,6-3,6-4で破った。準々決勝では第8シードのキャスパー・ルードに1-6,6-4,
6(2)-7,3-6と敗れてしまうも、グランドスラムでは自身初のベスト8入りを果たす。ランキングは40位から28位に上昇。
10月にスウェーデンで行われたストックホルム・オープンでは、第7シードで出場し、ツアー2勝目を挙げる。第1回戦目ではチアゴ・モンテイロを7-5,6-2、2回戦目のクリスチャン・ガリンを7-6(2),6-1と、それぞれストレートで破った。第3戦目では第2シードのキャメロン・ノリーを6(4)-7,6-3,6-3で制し、準決勝では第5シードのアレックス・デミノーを4-6,7-6(1),7-5の接戦の末勝利し、決勝進出を果たす。第1シードのステファノス・チチパスとの決勝は、6-4,6-4のストレートで勝利し、ツアー2勝目を挙げる。
続くスイス・インドアでも順当に勝ち上がり、3週連続で決勝へ進むも、フェリックス・オジェ=アリアシムに3-6.5-7のストレートで敗れた。
マスターズ1000 初優勝
11月にフランスで行われたパリ・マスターズに出場する。ATPツアー・マスターズ1000は7回目の挑戦となる。初戦は元世界ランク3位のスタン・ワウリンカを、4-6,7-5,7-6(3)のフルセットを制した。2回戦目はフベルト・フルカチュを7-5,6-1で破り、ATPツアー・マスターズ1000において初のベスト16入りを果たす。続く3回戦目でアンドレイ・ルブレフを6-4,7-5のストレートで破り、準々決勝に進出する。準々決勝では2回目の対戦となるカルロス・アルカラスであったが、2セット目のタイブレークでアルカラスの棄権によりベスト4入りを果たす。準決勝でフェリックス・オジェ=アリアシムを6-4,6-2で破り、決勝進出をした。1000ポイントを懸けた決勝では元世界ランク1位のノバク・ジョコビッチとの対戦になったが、3-6,6-3,7-5のフルセットを制し、ATPツアー・マスターズ1000初優勝を挙げる。パリ・マスターズでの19歳の優勝は1986年の優勝者、ボリス・ベッカーに次ぐ2人目となる。
シングルス成績
- 略語の説明
W
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F
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SF
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QF
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#R
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RR
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Q#
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LQ
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A
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Z#
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PO
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G
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S
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B
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NMS
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P
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NH
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W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.
シングルス
グランドスラム大会
大会最高成績
ATPツアー決勝進出結果
シングルス: 3回(3勝2敗)
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サーフェス別タイトル
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ハード (2–2)
|
クレー (1–0)
|
グラス (0–0)
|
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ATPチャレンジャーツアー・ITFワールドテニスツアー決勝
シングルス
記録 (7勝4敗)
|
ATPチャレンジャーツアー (3–1)
|
ITFワールドテニスツアー (4–3)
|
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サーフェス別
|
ハード (1–2)
|
クレー (6–2)
|
グラス (0–0)
|
|
結果
|
勝–敗
|
日時
|
トーナメント
|
サーフェス
|
対戦相手
|
スコア
|
優勝
|
1–0
|
2020年9月
|
F25 クロスタース
|
クレー
|
Jesper De Jong
|
6–4, 6–2
|
準優勝
|
1–1
|
2020年9月
|
M15 メリーリャ
|
クレー
|
チモフェイ・スカトフ(英語版)
|
6–3, 0–6, 1–6
|
優勝
|
2–1
|
2020年11月
|
M15 バイドレーシュ(英語版)
|
クレー
|
Javier Barranco Cosano
|
7–6(7–0), 6–3
|
優勝
|
3–1
|
2020年11月
|
M15 アンタルヤ
|
クレー
|
Filip Misolic
|
6–0, 4–0 (途中棄権)
|
準優勝
|
3–2
|
2021年1月
|
F15 マナコル
|
ハード
|
エヴァン・フルネス(英語版)
|
2–6, 7–5, 0–6
|
優勝
|
4–2
|
2021年1月
|
M15 ブレシュイール
|
ハード (室内)
|
Matteo Martineau
|
7–5, 4–6, 6–3
|
準優勝
|
4–3
|
2021年2月
|
M25 ビリェーナ
|
ハード
|
ガシュタン・エリアシュ(英語版)
|
6–3, 2–6, 1–6
|
準優勝
|
0–1
|
2021年5月
|
オエイラス4(英語版)
|
クレー
|
ガシュタン・エリアシュ
|
7–5, 4–6, 4–6
|
優勝
|
1–1
|
2021年6月
|
ビエッラ7
|
クレー
|
マルコ・トルンゲッリーティ(英語版)
|
6–3, 5–7, 7–6(7–5)
|
優勝
|
2–1
|
2021年8月
|
サンマリノ
|
クレー
|
オルランド・ルス(英語版)
|
1–6, 6–2, 6–3
|
優勝
|
3–1
|
2021年8月
|
ヴェローナ
|
クレー
|
ニーノ・セルダルシッチ(英語版)
|
6–4, 6–2
|
ダブルス
記録 (1勝1敗)
|
ATPチャレンジャーツアー (0–0)
|
ITFワールドテニスツアー (1–1)
|
|
サーフェス別
|
ハード (0–0)
|
クレー (1–1)
|
グラス (0–0)
|
|
結果
|
勝–敗
|
日時
|
トーナメント
|
サーフェス
|
パートナー
|
対戦相手
|
スコア
|
優勝
|
1–0
|
2020年9月
|
M15 メリーリャ
|
クレー
|
Valentin Royer
|
Jose Fco. Vidal Azorin Max Houkes
|
7–5, 6–3
|
準優勝
|
1–1
|
2020年11月
|
M15 バイドレーシュ(英語版)
|
クレー
|
Eric Vanshelboim
|
Pedro Vives Marcos Abedallah Shelbayh
|
5–7, 3–6
|
ジュニアグランドスラム決勝
脚注
外部リンク