ホルガ・ルーネ

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ホルガ・ルーネ
Holger Rune
2022年全仏オープンでのホルガ・ルーネ
基本情報
フルネーム Holger Vitus Nodskov Rune
国籍  デンマーク
出身地 同・ゲントフテ
生年月日 (2003-04-29) 2003年4月29日(21歳)
身長 188cm
体重 77kg
利き手
バックハンド 両手打ち
ツアー経歴
デビュー年 2020年
ツアー通算 3勝
シングルス 3勝
ダブルス 0勝
生涯獲得賞金 1,934,018アメリカ合衆国ドル
4大大会最高成績・シングルス
全豪 1回戦(2022)
全仏 ベスト8(2022)
ウィンブルドン(英) 1回戦(2022)
全米 3回戦(2022)
4大大会最高成績・ダブルス
全米 2回戦(2022)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 10位(2022年11月7日)
ダブルス 174位(2022年9月26日)
2022年11月7日現在

ホルガ・ヴィートゥス・ヌースコウ・ルーネHolger Vitus Nødskov Rune, デンマーク語発音: [ˈhɔl'gɔ ˈviːtus ˈnøˌsgɔw' ˈʁuːnə][1]; 2003年4月29日 - )は、デンマークゲントフテ出身の男子プロテニス選手。ATPランキング自己最高ランキングはシングルス10位、ダブルス174位。ATPツアーシングルス3勝を挙げている。身長188cm、体重77kg。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。

選手経歴

ジュニア時代

6歳からテニスを始めた。2016年からムラトグルー・テニス・アカデミーで養成している。2017年にヨーロッパジュニア選手権(U-14)で優勝。

2019年 ジュニア世界1位

2019年ジュニア全仏オープン(2019 French Open – Boys' Singles)決勝でトビー・アレックス・コダット英語版を下し優勝。同年のITFジュニアファイナル英語版決勝でもアロルド・マヨ英語版を下し優勝し、ITFジュニアランキングで1位となった。これらの活躍により、ルーネはデンマークの全スポーツで年間最優秀選手(Årets Fund)に選出された。ジュニア時代は2017年から2019年にかけてシングルスで7大会(クレー6・ハード1)・ダブルスで4大会(クレー3・ハード1)に優勝。2019年6月にブロワ英語版チャレンジャーデビュー。同年7月にポンテデーラフューチャーズデビュー。以降2020年3月までにチャレンジャーとフューチャーズに出場していたが、ここまでのシングルスでの最高成績はチャレンジャーが2回戦・フューチャーズが準々決勝までであった。

2020年 フューチャーズ初優勝

2020年9月のクロスタースのシングルス決勝で、イェスパー・デ・ヨングを下しフューチャーズ初優勝。翌週のメリーリャではシングルス決勝でチモフェイ・スカトフ英語版に敗れ準優勝となったが、同大会ヴァランタン・ロワイエとペアを組みダブルスでフューチャーズ初優勝を挙げた。その後2021年2月までフューチャーズのシングルス3大会で優勝・2大会で準優勝、ダブルス1大会で準優勝。

2021年 チャレンジャー初優勝

2021年3月のブエノスアイレスでワイルドカードとしてツアーデビューし、1回戦でラモス=ビニョラスと対戦[2]。6-2, 4-6, 3-6で敗れた。3月のサンティアゴの1回戦でセバスティアン・バエスを2-0で下しツアー初勝利を挙げると、2回戦で第2シードのブノワ・ペールも2-0で下し、トップ30相手に初勝利。3回戦でデルボニスに0-2で敗れた。

5月のオエイラス4英語版でチャレンジャーで初めて決勝進出したが、ガシュタン・エリアシュ英語版に1-2で敗れた。翌週のビエッラ7・チャレンジャー英語版の2回戦でオエイラス決勝で敗れたエリアシュを2-0で下すと、そのまま二週連続で決勝進出。トルンゲッリーティ英語版をフルセットタイブレークの末勝利し、チャレンジャー初優勝を挙げた。この大会準決勝のエチェベリー英語版戦で、"Din kussespiller, mand!", "Du kan kraftedeme ikke noget selv! Du går bare og spiller bøsserøv!", "Allez, bøsse!"など暴言を吐いたことで大きな批判を浴び、その後Instagram上で謝罪した。また、ATPはこの件でルーネに罰金1500ユーロを科した[3][4]。 8月第2週のサンマリノ英語版決勝でオルランド・ルス英語版を2-1で逆転勝利しチャレンジャー2勝目を挙げると、翌週のヴェローナ英語版決勝でセルダルシッチ英語版を2-0で下し2週連続となるチャレンジャー3勝目を挙げた。翌週の全米オープンで初めてグランドスラムの予選に参加。予選1回戦のラツコ、2回戦のクルーガー英語版、3回戦のモーライン英語版を下し、初のグランドスラム本戦入りを果たす。本戦1回戦で第1シードのノバク・ジョコビッチと対戦し、1-3で敗れた[5]

9月にフランスで行われたモゼール・オープンでは予選から出場し、トーマス・ファビアーノを3-6,6-3,6-4、フィリップ・コールシュライバーを5-7,6-3,7-5とそれぞれフルセットで破り、予選通過者(Q)としてモゼール・オープン初出場を果たす。初戦はベルナべ・サパタ・ミラレスを6-0,6-0、2回戦目ではロレンツォ・ソネゴを6(6)-7,6-4,6-4で破った。準々決勝では第2シードのパブロ・カレーニョ・ブスタに4-6,6-3,4-6と敗れてしまうも、シーズン中のATPツアー250において2回目のベスト8入りを果たす。

11月のイタリアで行われたネクストジェネレーション・ATPファイナルで初出場を果たし、グループAに割り当てられる。初戦は同い年のカルロス・アルカラスに3(6)-4,2-4,0-4と敗れた。2試合目ではフアン・マヌエル・セルンドロに4-1,4-2,1-4,4-1と勝利したが、3試合目にブランドン・ナカシマ戦で4-3(3),1-4,1-4,3(1)-4と惜敗を喫してしまい、決勝トーナメントに進出することはできなかった。年間最終ランキングは123位。

2022年 マスターズ初優勝 全仏ベスト8 ツアー初優勝 トップ10入り

4月のドイツで行われたBMWオープンでツアー初優勝を挙げる。2回戦目では第1シードのアレクサンダー・ズベレフを6-3,6-2を破り、決勝では第8シードのボーティック・ファン・デ・ザンスフルプの棄権により、男子シングルスではデンマーク人、そして自身もツアー初優勝を挙げた。ランキングは70位から45位に上げる。

5月の全仏オープンでは、初戦に第14シードのデニス・シャポバロフを6-3,6-1,7-6(4)のストレートで破り、2回戦目ではヘンリー・ラークソネン、3回戦目のユーゴ・ガストンをそれぞれストレートで破った。そして4回戦目では第4シードのステファノス・チチパスを7-5,3-6,6-3,6-4で破った。準々決勝では第8シードのキャスパー・ルードに1-6,6-4, 6(2)-7,3-6と敗れてしまうも、グランドスラムでは自身初のベスト8入りを果たす。ランキングは40位から28位に上昇。

10月にスウェーデンで行われたストックホルム・オープンでは、第7シードで出場し、ツアー2勝目を挙げる。第1回戦目ではチアゴ・モンテイロを7-5,6-2、2回戦目のクリスチャン・ガリンを7-6(2),6-1と、それぞれストレートで破った。第3戦目では第2シードのキャメロン・ノリーを6(4)-7,6-3,6-3で制し、準決勝では第5シードのアレックス・デミノーを4-6,7-6(1),7-5の接戦の末勝利し、決勝進出を果たす。第1シードのステファノス・チチパスとの決勝は、6-4,6-4のストレートで勝利し、ツアー2勝目を挙げる。 続くスイス・インドアでも順当に勝ち上がり、3週連続で決勝へ進むも、フェリックス・オジェ=アリアシムに3-6.5-7のストレートで敗れた。

マスターズ1000 初優勝

11月にフランスで行われたパリ・マスターズに出場する。ATPツアー・マスターズ1000は7回目の挑戦となる。初戦は元世界ランク3位のスタン・ワウリンカを、4-6,7-5,7-6(3)のフルセットを制した。2回戦目はフベルト・フルカチュを7-5,6-1で破り、ATPツアー・マスターズ1000において初のベスト16入りを果たす。続く3回戦目でアンドレイ・ルブレフを6-4,7-5のストレートで破り、準々決勝に進出する。準々決勝では2回目の対戦となるカルロス・アルカラスであったが、2セット目のタイブレークでアルカラスの棄権によりベスト4入りを果たす。準決勝でフェリックス・オジェ=アリアシムを6-4,6-2で破り、決勝進出をした。1000ポイントを懸けた決勝では元世界ランク1位のノバク・ジョコビッチとの対戦になったが、3-6,6-3,7-5のフルセットを制し、ATPツアー・マスターズ1000初優勝を挙げる。パリ・マスターズでの19歳の優勝は1986年の優勝者、ボリス・ベッカーに次ぐ2人目となる。

シングルス成績

略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

シングルス

グランドスラム大会

大会 2021 2022 通算成績
全豪オープン A 1R 0–1
全仏オープン A 0–0
ウィンブルドン選手権 A 0–0
全米オープン 1R 0–1

大会最高成績

大会 成績
ATPファイナルズ A
インディアンウェルズ 2R 2022
マイアミ Q1 2022
モンテカルロ 2R 2022
マドリード A
ローマ Q1 2022
カナダ 2R 2021
シンシナティ 1R 2022
上海 A
パリ W 2022
オリンピック A
デビスカップ Z2 2018-2021
ATPカップ A

ATPツアー決勝進出結果

シングルス: 3回(3勝2敗)

大会カテゴリ
グランドスラム (0–0)
ATPファイナルズ (0–0)
ATPツアー・マスターズ1000 (1–0)
ATPツアー500 (0–1)
ATPツアー250 (2–1)
サーフェス別タイトル
ハード (2–2)
クレー (1–0)
グラス (0–0)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
優勝 1. 2022年5月11日 ドイツの旗 ミュンヘン クレー オランダの旗 ボーティック・ファン・デ・ザンスフルプ 3-4 途中棄権
準優勝 1. 2022年10月2日 ブルガリアの旗 ソフィア ハード (室内) スイスの旗 マルク=アンドレア・ヒュースラー英語版 4–6, 6–7(8–10)
優勝 2. 2022年10月23日 スウェーデンの旗 ストックホルム ハード (室内) ギリシャの旗 ステファノス・チチパス 6–4, 6–4
準優勝 2. 2022年10月30日 スイスの旗 バーゼル ハード (室内) カナダの旗 フェリックス・オジェ=アリアシム 3–6, 5–7
優勝 3. 2022年11月6日 フランスの旗 パリ ハード (室内) セルビアの旗 ノバク・ジョコビッチ 3–6, 6–3, 7–5

ATPチャレンジャーツアー・ITFワールドテニスツアー決勝

シングルス

記録 (7勝4敗)
ATPチャレンジャーツアー (3–1)
ITFワールドテニスツアー (4–3)
サーフェス別
ハード (1–2)
クレー (6–2)
グラス (0–0)
結果 勝–敗 日時 トーナメント サーフェス 対戦相手 スコア
優勝 1–0 2020年9月 スイスの旗 F25 クロスタース クレー オランダの旗 Jesper De Jong 6–4, 6–2
準優勝 1–1 2020年9月 スペインの旗 M15 メリーリャ クレー カザフスタンの旗 チモフェイ・スカトフ英語版 6–3, 0–6, 1–6
優勝 2–1 2020年11月 スペインの旗 M15 バイドレーシュ英語版 クレー スペインの旗 Javier Barranco Cosano 7–6(7–0), 6–3
優勝 3–1 2020年11月 トルコの旗 M15 アンタルヤ クレー オーストリアの旗 Filip Misolic 6–0, 4–0 (途中棄権)
準優勝 3–2 2021年1月 スペインの旗 F15 マナコル ハード フランスの旗 エヴァン・フルネス英語版 2–6, 7–5, 0–6
優勝 4–2 2021年1月 フランスの旗 M15 ブレシュイール ハード (室内) フランスの旗 Matteo Martineau 7–5, 4–6, 6–3
準優勝 4–3 2021年2月 スペインの旗 M25 ビリェーナ ハード ポルトガルの旗 ガシュタン・エリアシュ英語版 6–3, 2–6, 1–6
準優勝 0–1 2021年5月 ポルトガルの旗 オエイラス4英語版 クレー ポルトガルの旗 ガシュタン・エリアシュ 7–5, 4–6, 4–6
優勝 1–1 2021年6月 イタリアの旗 ビエッラ7 クレー イタリアの旗 マルコ・トルンゲッリーティ英語版 6–3, 5–7, 7–6(7–5)
優勝 2–1 2021年8月 サンマリノの旗 サンマリノ クレー ブラジルの旗 オルランド・ルス英語版 1–6, 6–2, 6–3
優勝 3–1 2021年8月 イタリアの旗 ヴェローナ クレー クロアチアの旗 ニーノ・セルダルシッチ英語版 6–4, 6–2

ダブルス

記録 (1勝1敗)
ATPチャレンジャーツアー (0–0)
ITFワールドテニスツアー (1–1)
サーフェス別
ハード (0–0)
クレー (1–1)
グラス (0–0)
結果 勝–敗 日時 トーナメント サーフェス パートナー 対戦相手 スコア
優勝 1–0 2020年9月 スペインの旗 M15 メリーリャ クレー フランスの旗 Valentin Royer スペインの旗 Jose Fco. Vidal Azorin
オランダの旗 Max Houkes
7–5, 6–3
準優勝 1–1 2020年11月 スペインの旗 M15 バイドレーシュ英語版 クレー ウクライナの旗 Eric Vanshelboim スペインの旗 Pedro Vives Marcos
ヨルダンの旗 Abedallah Shelbayh
5–7, 3–6

ジュニアグランドスラム決勝

結果 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
優勝 2019年 全仏オープン クレー アメリカ合衆国の旗 トビー・アレックス・コダット英語版 6–3, 6–7(5–7), 6–0

脚注

  1. ^ デンマーク語の固有名詞 カナ表記小辞典”. 大阪大学 世界言語研究センター (2009年). 2021年2月28日閲覧。
  2. ^ Christian Kjær (2021年2月28日). “Holger Rune skal møde specialist i ATP-debut” (デンマーク語). sport.tv2.dk. 2021年2月28日閲覧。
  3. ^ TENNIS PLAYER INVESTIGATED OVER HOMOPHOBIC ON COURT EXPLETIVES”. GayNation.co (2021年6月9日). 2021年6月9日閲覧。
  4. ^ Holger Rune straffes for homofobiske tilråb”. sport.tv2.dk (2021年6月14日). 2021年6月29日閲覧。
  5. ^ Novak Djokovic tops Danish teen Holger Rune in 1st round of US Open; Alexander Zverev rolls”. www.espn.com. ESPN (2021年9月1日). 2021年9月2日閲覧。

外部リンク