デニス・シャポバロフ

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デニス・シャポバロフ
Denis Shapovalov
2021年ウィンブルドンでのデニス・シャポバロフ
基本情報
フルネーム Denis Viktorovich Shapovalov
愛称 シャポ(Shapo)、デニ(Deni)
国籍 カナダの旗 カナダ
出身地 イスラエルの旗 イスラエルテルアビブ
生年月日 (1999-04-15) 1999年4月15日(25歳)
身長 185cm
体重 75kg
利き手
バックハンド 片手打ち
ツアー経歴
デビュー年 2017年
ツアー通算 1勝
シングルス 1勝
ダブルス 0勝
生涯獲得賞金 11,300,952 アメリカ合衆国ドル
4大大会最高成績・シングルス
全豪 ベスト8(2022)
全仏 3回戦(2023)
全英 ベスト4(2021)
全米 ベスト8(2020)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪 2回戦(2021)
全仏 1回戦(2020)
全米 ベスト8(2020)
国別対抗戦最高成績
デビス杯 優勝(2022)
ATP杯 優勝(2022)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 10位(2020年9月21日)
ダブルス 37位(2020年2月24日)
2024年3月6日現在

デニス・シャポバロフDenis Shapovalov,[2] ヘブライ語דניס שפובלוב, ロシア語: Денис Викторович Шаповалов[3], 1999年4月15日 - )は、カナダの男子プロテニス選手。イスラエルテルアビブ出身。ATPツアーでシングルス1勝を挙げている。身長185cm。左利き、バックハンド・ストロークは片手打ち。自己最高ランキングはシングルス10位。ダブルス37位。

生い立ち[編集]

ソビエト連邦国際テニスチームに所属していた母テッサと父ビクターの間に1999年4月15日に生まれた。シャポバロフの出生時はソビエト連邦の崩壊で国内が混乱していたため家族はイスラエルテルアビブに移り住むことにした。そこで母親はテニスコーチをすることにして、生計を立てていた。

その後はシャポバロフが1歳の誕生日を迎える前ににイスラエルからカナダへ移住。モントリオールヴォーンに家族で生活することになった。移住して2週間で母親がテニスコーチの仕事をすることになった「リッチモンドビルカントリークラブ」でシャポバロフは5歳からテニスを始めた。するとすぐにテニスの試合に魅了されて、メキメキと実力をつけていった。母が働きながら指導することは難しかったので、母はテニスコーチの仕事を辞めて、自身でテニスアカデミー「テッサテニス」を開設して、そこで自分の目が行き届くところで息子のシャポバロフと他のジュニアの育成をすることにした。まだコーチとして活躍している。

母親はイスラエル系ユダヤ人で父親はロシア正教徒である。シャポバロフには兄がひとりおり、名はエヴゲニーといい、同じくイスラエルで生まれた。

シャポバロフはロシア語を流暢に話すことができ、ロシア人コメンテーターともロシア語でインタビューに答えていた。カナダで生活していたため、カナダ英語も当然、堪能である。

現在はバハマナッソーを拠点に生活しているが、カナダを母国と思っており、カナダ代表としてデビスカップATPカップなどにも出場している。カナダ人としての市民権も取得している。

選手経歴[編集]

ジュニア時代[編集]

5歳からテニスを始める。ジュニア時代、2014年全米オープン男子ジュニアダブルスでは同胞のフェリックス・オジェ=アリアシムと組んで優勝した。ジュニアの自己世界ランキングでは2位を記録した。

2016年 プロ転向[編集]

2016年ウィンブルドン選手権男子ジュニアシングルスで優勝し、同年にプロに転向する。7月のシティ・オープンでツアーデビューした。ロジャーズ・カップワイルドカードで出場すると、1回戦でニック・キリオスを7-6(2), 3-6, 6-3で破り、ツアー初白星を挙げた[4]

2017年 最優秀新人賞[編集]

2月のデビスカップ2017イギリス戦では2勝2敗で迎えた最終試合に出場したが、カイル・エドマンドとの試合中にフラストレーションを溜めて観客席に打ち込んだボールが審判の左目を直撃して失格となった[5][6]カナダはイギリスに通算2勝3敗で敗れ[7]、シャポバロフは7000ドルの罰金処分を受けた[8]

2017年クイーンズ・クラブ選手権でのデニス・シャポバロフ

3月のガティノーのフューチャーズで優勝すると、2週間後のドラモンビル・チャレンジャーではチャレンジャーツアー初優勝を果たした。7月のウィンブルドン選手権でグランドスラムに初出場し、1回戦でイェジ・ヤノヴィッツに4-6, 6-3, 3-6, 6-7(2)で敗れた。8月のロジャーズ・カップでは、2回戦で元世界ランキング4位のフアン・マルティン・デル・ポトロを下す金星。3回戦では、第1シードのラファエル・ナダルを3-6, 6-4, 7-6(4)で破る大金星を挙げ、準々決勝ではアドリアン・マナリノに勝利し、ATPツアーおよびマスターズ1000で自身初のベスト4に躍り出た。準決勝では同じく若手のアレクサンダー・ズベレフにストレートで敗れた。

全米オープンでは予選を突破し、本戦2回戦で第8シードのジョー=ウィルフリード・ツォンガを6-4, 6-4, 7-6で破り4回戦進出。4回戦で第12シードのパブロ・カレーニョ・ブスタに6-7(3), 6-7(4), 6-7(2)で敗れた。10月23日には49位になり、トップ50入りを果たした。11月に、2017年から新設されたネクストジェネレーション・ATPファイナルに21歳以下のレースランキング4位で出場したが、ラウンドロビンで1勝2敗で敗退した。年始に250位だった世界ランキングは最終的に51位で終えた。2017年のATPワールドツアー・アワードで、最優秀新人賞と最も上達した選手賞に選ばれた[9]

2018年 トップ30入り[編集]

2018年シティー・オープンでのデニス・シャポバロフ

年明け早々行われたブリスベン国際では初戦でカイル・エドマンドに敗れた。2018年全豪オープンでは1回戦でステファノス・チチパスをストレートで破り、前年全米オープンで勝利した第15シードのジョー=ウィルフリード・ツォンガに2回戦でフルセットで敗れた。

デルレイビーチ・オープンではイボ・カロビッチテイラー・フリッツらを倒してベスト4の成績を記録した。メキシコ・オープンでは1回戦で錦織圭との初対戦を逆転勝利で制したが、2回戦では第3シードドミニク・ティームにストレートで敗れた。BNPパリバ・オープンでは1回戦でリカルダス・ベランキスを破り、2回戦でパブロ・クエバスに敗れた。マイアミ・オープンでは4回戦まで進出して、ボルナ・チョリッチに敗れた。

4月のモンテカルロ・マスターズではステファノス・チチパスに敗れた。5月のムチュア・マドリード・オープンではテニーズ・サングレンブノワ・ペールミロシュ・ラオニッチカイル・エドマンドらを下してマスターズで2度目のベスト4進出を果たしたが、準決勝でアレクサンダー・ズベレフに敗れた。BNLイタリア国際では3回戦まで進んだがトマーシュ・ベルディハラファエル・ナダルに敗れた。全仏オープンは第24シードとして出場。1回戦でジョン・ミルマンを倒して2回戦でマクシミリアン・マーテラーに敗退した。

2018年全仏オープンでのデニス・シャポバロフ

メルセデス・カップクイーンズ・クラブ選手権では初戦敗退。イーストボーン国際ではベスト8入りしたがミーシャ・ズベレフに敗れた。ウィンブルドン選手権では第26シードとして出場。1回戦でジェレミー・シャルディーを破る。2回戦ではブノワ・ペールに敗れた。

シティ・オープンでは初戦でダニール・メドベージェフを破るが錦織圭に2回戦で敗れた。ナショナル・バンク・オープンではジェレミー・シャルディーファビオ・フォニーニを破るが3回戦でロビン・ハーセに敗退。ウエスタン・アンド・サザン・オープンではフランシス・ティアフォーカイル・エドマンドを破るが3回戦でミロシュ・ラオニッチに敗れた。全米オープンでは第28シードとして出場したが1回戦でフェリックス・オジェ=アリアシム(不戦勝)、2回戦でアンドレアス・セッピを下したが、3回戦でケビン・アンダーソンに敗戦。

2018年全米オープンでのデニス・シャポバロフ

サンクトペテルブルク・オープンではベスト8入りしたがマルティン・クリザンに敗退。深圳オープンでは2回戦で西岡良仁に敗れた。ジャパン・オープン・テニス選手権では鄭現スタン・ワウリンカらを制してベスト4入りしたが、準決勝でダニール・メドベージェフに敗れた。上海マスターズではニコロズ・バシラシビリに敗れた。ストックホルム・オープンでは2回戦でエルネスツ・ガルビスに敗退。スイス・インドアでは初戦でマリン・チリッチに敗退。パリ・マスターズでは初戦でリシャール・ガスケに敗退。年間最終ランキングを27位で終えて、トップ30位入りを果たした。

2019年 ツアー初優勝 マスターズ準優勝[編集]

全豪オープンは3回戦でノバク・ジョコビッチに敗れた。南フランス・オープンではベスト8入りしたが、ピエール=ユーグ・エルベールに敗れた。同大会のダブルスでもベスト8入り。 ABNアムロ世界テニス・トーナメントでもベスト8入りしたが、スタン・ワウリンカに敗れた。

BNPパリバ・オープンでは2回戦でマリン・チリッチに勝利したが、3回戦ではホベルト・ホルカシュに敗れた。マイアミ・オープンではアンドレイ・ルブレフステファノス・シチパスフランシス・ティアフォーを破りベスト4入りをした。準決勝ではロジャー・フェデラーに敗れた。また、ロハン・ボパンナ英語版と組んだダブルスでもベスト8に入った。

クレーシーズンではモンテカルロ・マスターズバルセロナ・オープンマドリード・オープンでは初戦敗退。BNLイタリア国際ではパブロ・カレーニョ・ブスタに勝利したが2回戦ではノバク・ジョコビッチに敗れた。リヨン・オープンでは3回戦でブノワ・ペールに敗れた。迎えた全仏オープンでは第20シードとして出場したが、1回戦でヤン=レナード・ストルフに敗れた。

芝シーズンになるとメルセデス・カップに出場したが、こちらも初戦でヤン=レナード・ストルフに敗れた。しかし同大会のダブルスでは準優勝。クイーンズ・クラブ選手権ではフアン・マルティン・デル・ポトロに初戦敗退。迎えたウィンブルドン選手権では第29シードとして出場したが、リトアニア出身のリカルダス・ベランキスに1回戦敗退。クレーだけではなく芝のシーズンでも早期敗退が続いた。

ナショナル・バンク・オープンでは2回戦でドミニク・ティームに敗れたが、同大会のダブルスではベスト4入り。ウエスタン・アンド・サザン・オープンでは2回戦でリュカ・プイユに敗れた。ウィンストン・セーラム・オープンではベスト4入りしてホベルト・ホルカシュに敗れた。全米オープンでは第18シーズンとして出場。1回戦で同胞のオジェ=アリアシム、2回戦ではヘンリ・ラクソネンを破り、3年連続の3回戦進出を果たした。3回戦でガエル・モンフィスと対戦し、7-6(5), 6-7(4), 4-6, 7-6(6), 3-6のフルセットの熱戦の末に敗れた[10]

レーバー・カップでは世界選抜で出場してドミニク・ティームにシングルスで敗れた。ジャック・ソックと組んだダブルスではロジャー・フェデラー/アレクサンダー・ズベレフ組に敗れた。成都オープンではベスト4入り。

2019年パリ・マスターズでのデニス・シャポバロフ

10月のストックホルム・オープンでツアー初優勝を果たす[11]。ATPマスターズ年間最終戦であるパリ・マスターズではアレクサンダー・ズベレフらを下して決勝に進出、ノバク・ジョコビッチに3-6, 4-6で敗れたが[12]、ランキングは自己ベストを更新する15位となった。

2020年 全米ベスト8 トップ10入り[編集]

年始の新設されたATPカップではカナダエースとして出場。予選のグループステージでギリシャステファノス・チチパスドイツアレクサンダー・ズベレフを破る奮闘を見せる。オーストラリアアレックス・デミノーには敗れたが、カナダは予選通過してベスト8入り。準々決勝ではノバク・ジョコビッチ率いるセルビアに敗退。

ASBクラシックではユーゴ・アンベールに敗れてベスト8入り。全豪オープンでは第13シードとして出場したが、1回戦でマートン・フチョビッチに敗退。南フランス・オープンでは同胞のバセク・ポシュピシルに、ABNアムロ世界テニス・トーナメントではグリゴール・ディミトロフに初戦敗退。オープン13ではベスト8入り。アレクサンダー・ブブリクに敗退。

新型コロナウィルスの蔓延によるツアー中断と減少により、9月までツアーが縮小された。ウエスタン・アンド・サザン・オープンでツアー再開し、3回戦でヤン=レナード・ストルフに敗れた。全米オープンでは第12シードとして出場して3回戦でテイラー・フリッツ、4回戦でダビド・ゴファンらを破り、グランドスラムで初めてベスト8に進出。準々決勝でパブロ・カレーニョ・ブスタに敗れた。ダブルスでも同大会でベスト8入り。

BNLイタリア国際ではユーゴ・アンベールグリゴール・ディミトロフらを破り、ベスト4入り。準決勝でディエゴ・シュワルツマンに敗れるも、大会後のランキングで10位となりトップ10入りを果たす[13]全仏オープンでは2回戦敗退。サンクトペテルブルク・オープンではスタン・ワウリンカを破り、ベスト4入り。準決勝でアンドレイ・ルブレフに敗れた。その後は初戦敗退が続き、シーズン終了。ATPファイナルズには補欠してレースランキングに残った。年間最終ランキングは12位。

2021年 ウィンブルドンベスト4[編集]

全豪オープンでは第11シードとして出場して1回戦でヤニック・シナーをフルセットで破り、2回戦ではバーナード・トミックをストレートで破る。3回戦では同胞のカナダの期待の新鋭であるフェリックス・オジェ=アリアシムにストレートで敗退する。カタール・エクソンモービル・オープンではベスト8入り。ドバイ・テニス選手権ではベスト4入り。マイアミ・オープンでは同大会で優勝するホベルト・ホルカシュに3回戦で敗れる。

ムチュア・マドリード・オープンでは3回戦でアレクサンダー・ブブリクに敗れた。BNLイタリア国際では4回戦進出。クレーキングラファエル・ナダル相手に1セットを奪う奮闘を見えるが逆転で敗退。ジュネーブ・オープンでは今季初のツアー決勝進出。決勝ではキャスパー・ルードに敗れた。

メルセデス・カップではベスト8入り。クイーンズ・クラブ選手権ではベスト4入り。ウィンブルドンでは3回戦で元世界ランキング1位の復帰したアンディ・マリーをストレートで勝利。4回戦では2019年同大会でベスト4入りしたロベルト・バウティスタ・アグートでストレート、準々決勝ではカレン・ハチャノフ。フルセットで破り、自身初のグランドスラムベスト4入りを果たした。準決勝では第1シードのノバク・ジョコビッチにストレートで敗れたが、この活躍によりトップ10に返り咲いた。

2021年ウィンブルドン選手権でのデニス・シャポバロフ

ナショナル・バンク・オープンウエスタン・アンド・サザン・オープンではそれぞれフランシス・ティアフォーブノワ・ペールに敗退。2021年全米オープンでは3回戦でロイド・ハリスに敗退。レーバー・カップには世界選抜として出場。シングルスでダニール・メドベージェフに敗れる。ダブルスではジョン・イズナーと組み、アレクサンダー・ズベレフ/マッテオ・ベレッティーニ組に勝利。次のライリー・オペルカと組んだアレクサンダー・ズベレフ/アンドレイ・ルブレフ組には敗れた。

BNPパリバ・オープンでは3回戦でアスラン・カラツェフに敗退。サンクトペテルブルク・オープンではベスト8入り。同大会のダブルスではベスト4入り。2019年にツアー初優勝を遂げたストックホルム・オープンでは決勝進出。決勝ではトミー・ポールに敗れて準優勝。年間最終ランキングは14位。

2022年 全豪ベスト8 ATP杯初優勝 デビス杯初優勝[編集]

年始のATPカップでは母国カナダの2番手としてチームを決勝に導き、スペインを破り優勝を果たした[14]

全豪オープンでは3回戦まで毎試合セットを取られながらも勝ち抜くと、4回戦で第3シードのアレクサンダー・ズベレフを6-3, 7-6(5), 6-3のストレートで破り、ベスト8入り。準々決勝では第6シードのラファエル・ナダル相手に2セットダウンからカムバックしたが、最後は振り切られて3-6, 4-6, 6-4, 6-3, 3-6で惜敗した。

カタール・エクソンモービル・オープンではインドのロハン・ボパンナと組み、ダブルスツアー2度目の準優勝。ドバイ・テニス選手権ではベスト4入り。

2022年全仏オープンでのデニス・シャポバロフ

マドリード・オープンでは2回戦でアンディ・マリーに1-6, 6-3, 2-6で敗退。ローマ・マスターズでは3回戦でラファエル・ナダルを1-6, 7-5, 6-2の逆転で破るも、準々決勝でキャスパー・ルードに6-7(7), 5-7に敗れた。全仏オープンでは第14シードとして出場するも、ホルガ・ルーネに3-6, 1-6, 6-7(4)のストレートで初戦敗退。

シュトゥットガルト・オープンクイーンズ・クラブ選手権ではダブルスでベスト4入り。ウィンブルドン選手権では第13シードとして出場。1回戦でアーサー・リンダークネッシュを6-1, 6-7(6), 6-7(4), 6-4, 6-1のフルセットで勝利するも、2回戦でブランドン・ナカシマに2-6, 6-4, 1-6, 6-7(8)に敗れた。

ナショナル・バンク・オープンではアレックス・デミノーに5-7, 6-7(4)で初戦敗退。ウエスタン・アンド・サザン・オープンでは3回戦でダニール・メドベージェフに5-7, 5-7で敗れた。全米オープンでは第19シードとして出場。3回戦で第9シードのアンドレイ・ルブレフに4-6, 6-2, 7-6(3), 4-6, 6-7(7)のフルセットの末に敗れた。韓国オープンでは決勝で西岡良仁に4-6, 6-7(5)で敗れ、準優勝。ジャパン・オープンではベスト4入り。準決勝でテイラー・フリッツに3-6, 7-6(5), 3-6で敗れた。エルステ・バンク・オープンでは決勝でメドベージェフに6-4, 3-6, 2-6で敗れて、今季2度目の準決勝。

デビスカップ2022ではデビスカップカナダ代表の一員として参戦して、決勝でデビスカップオーストラリア代表を下して、チームの優勝に貢献した。年間最終ランキングは18位。

2023年 怪我による離脱[編集]

1月、アデレード国際ではベスト8進出。準々決勝ではノバク・ジョコビッチを3-6, 4-6のストレートで敗れた。第20シードとして迎えた全豪オープンでは1回戦でドゥシャン・ラヨビッチに6-4, 4-6, 6-4, 6-1、2回戦ではダニエル太郎に6-3, 7-6(3), 7-5のストレートで下すも、3回戦では第10シードのホベルト・ホルカシュに6-7(3), 4-6, 6-1, 6-4, 3-6のフルセットで敗れた。アカプルコでは2回戦でテイラー・フリッツに4-6, 4-6で敗れた。BNPパリバ・オープンではウゴ・アンベールに5-7, 4-6で初戦敗退。マイアミ・オープンでは2回戦でフリッツに4-6, 4-6のストレートで敗れた。

バルセロナ・オープンでは2回戦でステファノス・チチパスに3-6, 2-6のストレートで敗れた。マドリード・オープンではジャン・ジジェンに7-6(4), 4-6, 6-7(1)で初戦敗退。その後膝痛のため、ローマ・マスターズを欠場。

7月、ウィンブルドン選手権後には膝の怪我により、シーズンを早めに終了させた。年間最終ランキングは109位。

2024年[編集]

プレースタイル[編集]

片手バックハンドには珍しい、躍動感あふれるジャンピングショットが印象的なアグレッシブベースライナー[15][16]。名コーチとして知られるダレン・ケーヒルは、シャポバロフを同じく片手バックハンドを武器とするスタン・ワウリンカと比較し、柔軟性とスイングスピードがパワーを生み出す要素だと指摘した[17]。フォアハンドにも力があり[18][19]、ラリーを制した後、特に早いサーフェスではネットプレーを仕掛ける。サーブアンドボレーも多用する。[20][21]サーブについて、ブラッド・ギルバートから、角度とスピンの軌道が同じサウスポーのジョン・マッケンローと類似していると分析された[17]

攻撃的な故、アンフォーストエラーも多くなることがある。必要に応じて抑制しているが、攻撃的なプレーが自分がテニスを楽しむ術だと断言している。[22]

主要大会決勝[編集]

マスターズ1000[編集]

シングルス:1 (準優勝1)[編集]

結果 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
準優勝 2019年 フランスの旗 パリ ハード (室内) セルビアの旗 ノバク・ジョコビッチ 3–6, 4–6

ATPツアー決勝進出結果[編集]

シングルス: 6回 (1勝5敗)[編集]

大会グレード
グランドスラム (0–0)
ATPファイナルズ (0–0)
ATPツアー・マスターズ1000 (0–1)
ATPツアー500 (0–1)
ATPツアー250 (1–3)
サーフェス別タイトル
ハード (1–4)
クレー (0–1)
芝 (0–0)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
優勝 1. 2019年10月20日 スウェーデンの旗 ストックホルム ハード (室内) セルビアの旗 フィリプ・クライノビッチ 6–4, 6–4
準優勝 1. 2019年11月3日 フランスの旗 パリ ハード (室内) セルビアの旗 ノバク・ジョコビッチ 3–6, 4–6
準優勝 2. 2021年5月23日 スイスの旗 ジュネーヴ クレー ノルウェーの旗 キャスパー・ルード 6–7(6–8), 4–6
準優勝 3. 2021年11月14日 スウェーデンの旗 ストックホルム ハード (室内) アメリカ合衆国の旗 トミー・ポール英語版 4–6, 6–2, 4–6
準優勝 4. 2022年10月2日 大韓民国の旗 ソウル ハード 日本の旗 西岡良仁 4–6, 6–7(5–7)
準優勝 5. 2022年10月30日 オーストリアの旗 ウィーン ハード (室内) ロシアの旗 ダニール・メドベージェフ 6–4, 3–6, 2–6

ダブルス: 2回 (0勝2敗)[編集]

大会グレード
グランドスラム (0–0)
ATPファイナルズ (0–0)
ATPツアー・マスターズ1000 (0–0)
ATPツアー500 (0–0)
ATPツアー250 (0–2)
サーフェス別タイトル
ハード (0–1)
クレー (0–0)
芝 (0–1)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス パートナー 対戦相手 スコア
準優勝 1. 2019年6月16日 ドイツの旗 シュトゥットガルト インドの旗 ロハン・ボパンナ英語版 オーストラリアの旗 ジョン・ピアース
ブラジルの旗 ブルーノ・ソアレス
5–7, 3–6
準優勝 2. 2022年2月18日 カタールの旗 ドーハ ハード インドの旗 ロハン・ボパンナ オランダの旗 ウェスリー・クールホフ英語版
イギリスの旗 ニール・スクプスキ英語版
6–7(4–7), 1–6

成績[編集]

略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

グランドスラム[編集]

大会 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 通算成績
全豪オープン A 2R 3R 1R 3R QF 3R 1R 11–7
全仏オープン Q1 2R 1R 2R A 1R 3R 4–5
ウィンブルドン選手権 1R 2R 1R NH SF 2R 4R 9–6
全米オープン 4R 3R 3R QF 3R 3R A 15–6
勝–敗 3–2 5–4 4–4 5–3 9–3 7–4 7–3 0–1 39–24

大会最高成績[編集]

大会 成績
ATPファイナルズ Alt 2020
インディアンウェルズ 4R 2019
マイアミ SF 2019
モンテカルロ 1R 2018, 2019
マドリード SF 2018
ローマ SF 2020
カナダ SF 2017
シンシナティ 3R 2018, 2022
上海 2R 2019
パリ F 2019
オリンピック A 出場なし
デビスカップ W 2022
ATPカップ W 2022
Next Gen ATPファイナルズ RR 2017

脚注[編集]

  1. ^ The pronunciation by Denis Shapovalov himself”. ATP World Tour. 2020年9月6日閲覧。
  2. ^ 英語発音: /ˈdɛnɪs ˌʃɑpəˈvɑləv/ 末尾の/-ləv//-ləf/とも発音される。[1]
  3. ^ デニース・ヴィクトロヴィチ・シャポバロフ; ラテン文字転写の例: Denis Viktorvich Shapovalov
  4. ^ Shapovalov Downs Kyrgios, Dimitrov Progresses”. ATP Tour. 2019年4月5日閲覧。
  5. ^ 打ち込んだ球が主審の目を直撃、カナダ選手失格で英国がデ杯8強”. www.afpbb.com. 2019年4月5日閲覧。
  6. ^ デビスカップで眼にボールをぶつけられた審判、手術は成功”. www.thetennisdaily.jp. 2019年4月5日閲覧。
  7. ^ “審判が顔面にボールを受ける幕切れで、カナダがイギリスに敗退 デ杯カナダ対イギリス”. THE TENNIS DAILY. (2017年2月6日). https://www.thetennisdaily.jp/news/contents/overseas/itf/20170206_0021712.php 
  8. ^ “テニス=審判にボール当てたカナダ選手、罰金処分に”. THE TENNIS DAILY. (2017年2月7日). https://jp.reuters.com/article/deviscup-idJPKBN15M04F 
  9. ^ 2017シーズン大躍進の18歳シャポバロフが『Most Improved Player of the Year』と『Star of Tomorrow』をW受賞!”. YONEX TENNIS. 2019年4月5日閲覧。
  10. ^ Gael Monfils Outlasts Denis Shapovalov In US Open Five-Set Thriller”. ATP Tour. 2020年1月4日閲覧。
  11. ^ シャポバロフが悲願のツアー初V、ストックホルムOPで完全優勝”. www.afpbb.com. 2019年11月13日閲覧。
  12. ^ まるごと記者会見 シャポバロフ「ジョコビッチのサーブすごい」ATP1000パリ決勝後(前編)”. テニスデイリー. 2019年11月13日閲覧。
  13. ^ Shapovalov Breaks Into Top 10 Of FedEx ATP Rankings”. atptour.com. ATP Tour (2020年9月21日). 2020年9月22日閲覧。
  14. ^ “テニス=ATPカップ、カナダがスペイン下し頂点に”. Reuters. ロイター. (2022年1月9日). https://jp.reuters.com/article/idJPKBN2JK02A 2022年1月10日閲覧。 
  15. ^ 期待の若手シャポバロフ本人が語る、片手バックハンドを打つ時に気を付けていること【男子テニス】”. THE DIGEST. 2022年1月26日閲覧。
  16. ^ “エア・シャポバロフ”!? 20歳新星の片手バックハンドが「史上最も美しい」と話題”. THE ANSWER. 2022年1月26日閲覧。
  17. ^ a b Which legend does Denis Shapovalov remind you of? Opinions vary”. Tennis.com. 2022年1月26日閲覧。
  18. ^ 期待の若手シャポバロフが語る、フォアハンドを打つ時に気を付けていること【テニスレッスン】”. THE DIGEST. 2022年1月26日閲覧。
  19. ^ “The Swagger of Denis Shapovalov”. The New York Times. (2020年10月30日). https://www.nytimes.com/2020/10/30/sports/tennis/denis-shapovalov-swagger.html 2022年1月26日閲覧。 
  20. ^ Denis Shapovalov: The Thrilling, Gutsy Teen of Tennis”. GQ (2018年5月25日). 2022年1月26日閲覧。
  21. ^ Tennis embraces a new generation of net-rushers”. us open. 2022年1月26日閲覧。
  22. ^ DENIS SHAPOVALOV: “WHEN I AM PLAYING UGLY I DON’T FEEL COMFORTABLE BEING ON COURT!””. spbopen.ru (2021年10月27日). 2022年1月26日閲覧。

外部リンク[編集]

受賞
先代
アメリカ合衆国の旗 テイラー・フリッツ
ATP年間最優秀新人賞
2017
次代
オーストラリアの旗 アレックス・デミノー
受賞
先代
フランスの旗 リュカ・プイユ
ATP最も上達した選手賞
2017
次代
ギリシャの旗 ステファノス・チチパス