スパイン・バスター

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バティスタによるスパインバスター

スパイン・バスター(Spine buster)は、プロレスにおける投げ技の一種である。別名は脊椎砕き。メディアによっては逆水車落としの別名も用いられる。

概要

立っている相手の正面で前屈みになり、自分の肩を相手の腹部に当て、そのまま抱き込むように相手の腿などを抱える。その状態のまま起き上がると同時に、相手を自分の肩上にうつ伏せで担ぎ上げる。すぐさま前方に倒れ込みながら、その勢いで相手を背面からマットへ叩き落とす。

応用技として、相手を担ぎ上げた状態で後方へ振り向いて倒れ込み、相手を背面から落とす旋回式も存在する。また、相手を肩の上まで担ぎ上げずに、胸の前までしか担ぎ上げずに仕掛ける形もある。さらには、走ってくる相手の力を利用したカウンター式で使用される場合も多い。

さらには、リチャード・スリンガーはカウンターで使用した後にジャックナイフ固めに移行する連携技を、杉浦貴スピアーレッグダイブ等からの連携として使用する。

この技をフィニッシュ・ホールドとして使用するレスラーにはアーン・アンダーソンバティスタがいる。ザ・ロックロック・ボトム力皇猛無双などの技もこの技が元になっている。

技名称の由来は、相手を叩き付けた際、脊椎が砕けるかのような衝撃があったことから。なお、相手を担ぎ上げた後、後方へ倒れ込めば水車落としとなる。

主な使い手

派生技

スパイン・ボム
小島聡が若手時代に考案した技で、スパイン・バスターの状態で担ぎ上げた後、相手の両太腿を両腋に抱え込んで前方に倒し、同時に自分の両足を開脚しながらジャンプ、尻餅を着いてマットへ着地すると同時に、相手を背面から落とす。走ってくる相手に対するカウンターで使用される場合が多い。本田多聞タモンズ・パワードの名称で使用。
振り子式スパイン・バスター
パワーボム及びリバース・スープレックスとスパイン・バスターを合体させた様な技。立っている相手の前で前屈みになり、頭部を相手の股下に入れ、相手の両足を両腕で掴む。そのまま起き上がると同時に相手を背中で逆さまに宙吊り状態で抱え上げる(リバース・スープレックスの体勢)。その後、再び前屈みになると同時にその勢いで一気に相手を前方に反転させて、背面から叩き付ける。走ってくる相手へのカウンターで使用する場合もある。振り子式パワーボム[1]と呼ばれる事もある。パトリオットパトリオット・ボムの名称で考案した[1]。他の使用者としては、ハードコア・ホーリーやWLWのジェイソン・ジョーンズがおり、両者はアラバマ・スラムの名称で決め技としている。
スクラップ・バスター
ビッグ・ボスマン(ビッグ・ブーバー)が得意にしていた、スパイン・バスターを改良して考案した彼の必殺技。走ってくる相手を、片腕を腋の下を通して胴体に回し、もう片腕で相手の体を支え、相手を自分の横側で反転させる様に持ち上げて、前方に倒れ込み相手を背面からマットへ叩き付ける。ネックブリーカー・ドロップラリアットの影響も受けているという説もある[1]。後に考案されるロック・ボトム(後述)と類似しているが、スクラップ・バスターはカウンターで相手の勢いを利用して掛けるのに対し、ロック・ボトムは立っている相手に対して力任せに持ち上げて掛ける点で違いがある。なお、ロック・ボトム考案時にスクラップ・バスターが参考にされていたかは不明である。
他の使い手ではカーティス・ヒューズなどがいる。日本人選手では、森嶋猛が巨体を利用して若手時代に決め技としていた。
ロック・ボトム
ザ・ロックのオリジナル技。相手を自分の横側に担ぎ上げて、片腕で抱え込んで叩き付ける変形スパイン・バスター。自らの頭部を相手の腋の下へ差し込む様にして、相手の横側へ立ち、相手の首と腰辺りを抱き抱える様に捕まえ、担ぎ上げる。そして、片腕で相手の腹部を抱えて前方に倒れ込みながら、体重を浴びせつつ相手を背面からマットへ叩き付ける。
無双
力皇猛のオリジナル技。相手の横から片腿と腹部を抱え込んで担ぎ上げ、腹部を片手で押さえたまま自分の体重を掛けながら、相手を背面からマットへ叩き付ける。裏無双、無双・改、天下無双などの派生技がある。

脚注

  1. ^ a b c 流智美著『これでわかった!プロレス技』ベースボール・マガジン社、1995年 より

関連項目