サイレントヒル (1999年のゲーム)
ジャンル | ホラーアドベンチャー |
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対応機種 | プレイステーション |
開発元 | コナミ |
発売元 | コナミ |
人数 | 1人 |
メディア | CD-ROM 1枚 |
発売日 |
1999年3月4日 ・KONAMI The BEST 2000年4月27日 ・PSone Books 2002年1月24日 |
対象年齢 |
CERO: C区分(15歳以上対象) ESRB: Mature PEGI: 16+ OFLC: MA15+ |
『サイレントヒル』(SILENT HILL)は、1999年3月4日にコナミデジタルエンタテインメントから発売されたプレイステーション用ゲームソフト。『サイレントヒル』シリーズの第一作目である。2000年と2002年に廉価版が発売された後、本作をリ・イマジネーションした『サイレントヒル シャッタードメモリーズ』が2010年に日本国内で発売された。
他作品と区別するため、『初代サイレントヒル』とも呼ばれる。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
ストーリー
ハリー・メイソンは休暇で娘のシェリルとともに車でサイレントヒルに向かっていた。しかし真夜中の道路で横切る少女に驚き運転を誤ってしまう。気がつくとシェリルは行方不明になっていた。ハリーはシェリルを探すため、サイレントヒルの街中を歩き回ることになる。
主な登場人物
- ハリー・メイソン (Harrold "Harry" Mason)
- 本作の主人公。職業はライター。妻に先立たれ、唯一の家族である養女のシェリルを溺愛している。物静かで思慮深い性格。消えたシェリルの姿を求めて、町中を探し回ることになる。「ハリー」という名はペンネームで、本名は「ハロルド」。
- シェリル・メイソン (Cheryl Mason)
- ハリーの養女。赤子の頃、ハイウェイ脇に捨てられていたところを、メイソン夫妻に拾われた。サイレントヒルへの旅行は彼女が提案した。
- シビル・ベネット (Cybil Bennett)
- サイレントヒルの隣町から来た警察官。街の異変に気づき、ハリーとともに脱出を試みる。ストーリーの分岐次第では町から生還するものの、『1』の続編である『3』では彼女のことに一切触れられておらず、その後の生死は不明[1]。映画にも登場する。
- ダリア・ギレスピー (Dahlia Gillespie)
- 教会で出会う中年の女性。が、老婆のようにやつれきっている。シビル同様、映画にも登場するが、設定が異なる。
- マイケル・カウフマン (Dr. Michael Kaufmann)
- サイレントヒルにあるアルケミラ病院の院長。
- リサ・ガーランド (Lisa Garland)
- アルケミラ病院に勤める看護婦、またアレッサの看護も担当していた。しかし、アレッサのことを奇妙に思いカウフマンに辞意を伝えるがカウフマンに口封じでサイレントヒルに出回っている薬を投与されて薬漬けにされて精神も肉体も病んでいき、自分が死んでいることにも気がつかなかったまま裏世界に迷い込んだ。リサが裏世界にしか登場しなかったのはこのためである。映画にも彼女と思われる人物が登場する。
- アレッサ・ギレスピー (Alessa Gillespie)
- ハリーの前に何度も現れる少女。容姿はシェリルと似ている。
- ジョディ・メイソン (Jody Mason)
- ハリーの妻。当初名前は不明だったが、ノベル版で明らかになった。
クリーチャー
本作のクリーチャーは、アレッサの憎しみや恐怖の対象がサイレントヒルの力により具現化したものである。
雑魚クリーチャー
- グローナー (Groaner)
- サイレントヒルの街中を徘徊する犬型クリーチャー。アレッサが嫌っていた大型犬のイメージから誕生した。非常に俊敏な動きをし、噛み付き攻撃を行ってくる。「唸る者」の意。
- エア・スクリーマー (Air Screamer)
- サイレントヒルの街中を低空で飛び回る鳥型クリーチャー。アレッサの愛読書であった『失われた世界』の挿絵の翼竜からのイメージが具現化し誕生した。空中から蹴りや嘴で襲い掛かってくる。移動速度が極めて早く、ハリーが走る速度より速い。難易度によっては、他のエア・スクリーマーを召喚するサモナーと呼ばれる大型の個体が出現する。「空中で叫ぶ者」の意。
- ロンパー (Romper)
- サイレントヒルの街中を徘徊している猿型クリーチャー。アレッサの大人への恐怖心を具現化した存在。猿のような鳴き声を発する。口から触手のようなものが垂れており、飛び掛かって押し倒し、攻撃してくる。「跳ね回る者」の意。
- マンブラー (Mumbler)
- 小学校などに出現する小柄な獣型クリーチャー。おとぎ話に出てくる子悪魔や去勢されていない小動物のイメージが具現化されたことにより誕生した。両腕の鋭い爪で攻撃してくる。小柄だが攻撃力は高く、集団で出現することが多い。「もごもご話す者」の意。
- クリーパー (Creeper)
- 屋内に出現するゴキブリのような虫型クリーチャー。アレッサが苦手な大型の昆虫に対するイメージが具現化し誕生した。足元を素早く動き回り噛み付き攻撃を行ってくる。クリーチャーの中では小型で、攻撃力、体力共に低いが、複数で出現することが多い。「這い回る者」の意。
- パペット・ナース (Puppet Nurse)
- 病院などに出現する人型クリーチャー。看護婦の背中に謎のクリーチャーが寄生しているような風貌となっている。前傾姿勢でうな垂れており、手に持ったメスで襲い掛かってくる。攻撃力がやや高く複数で出現することが多い。着衣が青色と緑色の個体が存在するが、後者の方が体力が高い。「人形師」の意。
- パペット・ドクター (Puppet Doctor 海外では「Parasitized Doctor」)
- 病院で出現する人型クリーチャー。パペット・ナースと同じ特性を持つ。パペット・ナースより攻撃力と体力が高い。個体数は非常に少ない。「操り人形医師」の意。
- ブラッドサッカー (Bloodsucker)
- 病院のとある部屋のみに出現する触手型クリーチャー。ミミズや蛇に対する苦手意識が具現化した存在。その場から動くことはないが、近付くと吸血攻撃でアイテム入手を妨害する。攻撃は当たるが決して倒すことはできない。「血を吸う者」の意。
- ハングド・スクラッチャー (Hanged Scratcher)
- 下水道に出現する、蜥蜴のような姿をした爬虫類型クリーチャー。昆虫標本からの複合的なイメージから生まれた存在。天井や水中などから長い腕と鋭い爪で奇襲攻撃を仕掛けてくる。「ぶら下がり、引掻く者」の意。
- ワーム・ヘッド (Wormhead)
- 裏世界のサイレントヒルを徘徊しているグローナーの強化版クリーチャー。頭部が触手の塊のようになっている。「虫頭」の意。
- ナイト・フラッター (Night Flutter)
- 裏世界のサイレントヒルを低空で飛び回っているエア・スクリーマーの強化版クリーチャー。ワーム・ヘッド同様、頭部が触手の塊のようになっている。エア・スクリーマー同様、難易度によっては別のナイト・フラッターを呼ぶこともある大型の個体が出現する。「闇に羽ばたく者」の意。
- ラーバル・ストーカー (Larval Stalker)
- 小学校などに出現する子供の影の様なクリーチャー。子供がはしゃぐような鳴き声を発する。敵キャラだが攻撃せず、ハリーの攻撃も当たらない。追いかけると転んだりもする。ただし、他の怪物と同様にラジオが反応するが、一定時間経つと消滅する。「幼生の忍び寄る者」の意。
- ストーカー (Stalker)
- ラストダンジョンで出現する影のクリーチャー。ラーバル・ストーカーがやや大きくなった形をしている。女性のような呻き声を発する。ラーバル・ストーカーと違い攻撃を行ってくるが、こちらの攻撃も当たり、倒す事が可能。動作や攻撃方法はマンブラーに似ている。「忍び寄る者」の意。
ボスクリーチャー
- スプリット・ヘッド (Split Head)
- 裏世界の小学校の地下で戦う巨大なトカゲ型クリーチャー。童話に登場する大とかげが具現化、変貌した存在。頭部は縦二つに割れる巨大な口となっており、ハリーを丸呑みにしようとする。「裂ける頭」の意。
- ツイン・フィーラー (Twinfeeler)
- 裏世界の繁華街で戦う巨大な芋虫型クリーチャー。アレッサの部屋に飾られていた昆虫標本のイメージが具現化された存在。砂地の地面を潜って移動し、ハリーの足元に出現して奇襲攻撃を仕掛けてくる。「一対の触角」の意。
- フロート・スティンガー (Float Stinger)
- 繁華街のビルの屋上で戦う巨大な蛾型クリーチャーでツイン・フィーラーの成虫。空中を飛び回って毒液を一定範囲に撒き散らす。「浮遊し、刺す者」の意。
- インキュベーター (Incubator)
- 神を体内に秘め、魔力を宿したアレッサ。アレッサの持つ神に対するイメージが投影されており、白い衣を身に纏っている。周囲にバリアを張っているため近づくことはできない。青色の雷をハリー目掛けて落としてくる。「未熟児の保育器」の意。
- インキュバス (Incubus)
- アレッサの体内から覚醒した神。誕生の直前でカウフマンがアグラオフォティスを撒いた影響により、ダリアがイメージした妄想に近い神が投影された姿[2]。飛行しているため鈍器系の武器でダメージを与えることはできない。赤色の雷をハリー目掛けて落としてくる。『4』で登場するジャスパー・ゲインはなぜか本作に登場するインキュバスのイラストがプリントされたシャツを着ている。名称こそインキュバスであるが、その外見はバフォメットである。
武器
銃器系と打撃系に分けて説明する。
銃器系
- ハンドガン
- 速射性はあるが、威力は弱い。構えながらの移動も可能。
- ショットガン
- 速射性は劣っているが、至近距離では絶大な威力を発揮。逆に対象物から離れるほど威力が減少するが、複数の敵に弾が命中する。構えながらの移動も可能。
- 狩猟用ライフル
- 速射性はまるでない。そのかわり対象との距離に関わりなく、威力は絶大。構えながらの移動はできない。
- ハイパーブラスター
- 隠しアイテム「チャネリングストーン」を特定の場所で使用することによって発生するUFOエンディングの後、次回のプレイから出現する隠し武器。元ネタはコナミが発売の周辺機器。敵を捕捉するレーザーポインターが付いており、弾数制限も無い。レーザーポインターの色によって威力が変化する。クリアするごとに難易度が自動的に上昇する本作では非常に便利だが、使うとクリア後の評価が下がる。
打撃系
- 調理用ナイフ
- ハリーが最初に入手する打撃武器。非常にリーチが短く、威力も低めだが構えながらの移動が可能。
- 鉄パイプ
- 路地裏に落ちていた鉄パイプ。威力は低いがリーチが長い。攻撃時はややスキが大きい。
- ハンマー
- 非常時に使用されるハンマー。威力は通常プレイで入手できる打撃武器の中では最大。だが攻撃時のスキは鉄パイプ以上に大きく、構えたままの移動はできない。
- 斧
- 片手で扱える手斧。威力はハンマーより劣るが、構えながらの移動が可能。リーチもそこそこある。
- チェーンソー
- 一度ゲームをクリアすると出現する隠し武器。構えるとスイッチが入り、しばらく作動状態になる。この間は攻撃が発生しており、相手にぶつかっていけばダメージを与えることができる。構えながらの移動も可能。ただし入手するにはガソリンが必要。
- 小型削岩機
- "Good"エンディング以上でクリアすると出現する隠し武器。こちらも構え状態でスイッチが入るが、移動はできない。威力もリーチもチェーンソーより劣る。やはり入手にはガソリンが必要。
- 日本刀
- "Good"、"Bad"の両方のエンディングを発生させた後に出現。威力は全武器の中で最大だが、ヒットする場所によって威力が違う。構えたままの移動は不可能。
- ガソリン
- 一度ゲームをクリアすると出現する隠しアイテム。チェーンソー・小型削岩機を起動させる燃料。これを所持していなければ、前述の武器は入手できない。しかも1つしかないので、どちらを使用するか考慮する必要がある。
その他
- チャネリングストーン
- "Good+"エンディングでクリアすると出現する青い宝石。特定の場所で使用するとUFOが出現するイベントが発生し、最終的にUFOエンディングでクリアとなる。UFOエンディングは本筋とはかけ離れた、別な意味で異様な雰囲気を醸し出している。
補足
- ラーバル・ストーカーは本来ならば肌色の体色を持った交戦対象のクリーチャーだったが、子供の形をした存在を殺すことができるということが問題となり、倫理会によって却下され現在の形に修正された。
- マンブラーは北米版では「グレイチャイルド」という容姿の違うクリーチャーが代わりに登場する。元々は日本版と欧・豪州版でもこちらが採用されるはずだったが、倫理会の審査で却下されたため、この怪物に差し替えられた[3]。
脚注
- ^ コナミによる『3』の攻略本、『失われた記憶 サイレントヒル・クロニクル』では、『3』に繋がる物としては彼女が死亡する内容のエンディング(GOODエンディング)が正式であると記述されているが、『1』のノベル版ではメイソン親子と共に脱出している。『3』のノベル版ではゲーム版と同様に触れられていない。
- ^ ノベル版ではダリアの望んだ『偉大な神』では無く、不完全な召還の影響で出現した格の低い悪魔とされている。
- ^ [1]北米版と諸外国版の違いを解説しているサイト