サイダーのように言葉が湧き上がる
サイダーのように言葉が湧き上がる | |
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監督 | イシグロキョウヘイ |
脚本 |
イシグロキョウヘイ 佐藤大 |
原作 | フライングドッグ |
出演者 |
市川染五郎 杉咲花 潘めぐみ 花江夏樹 梅原裕一郎 中島愛 諸星すみれ 神谷浩史 坂本真綾 山寺宏一 井上喜久子 |
音楽 | 牛尾憲輔 |
主題歌 |
never young beach 「サイダーのように言葉が湧き上がる」 |
撮影 |
棚田耕平 関谷能弘 |
制作会社 |
シグナル・エムディ サブリメイション |
製作会社 | 『サイダーのように言葉が湧き上がる』製作委員会 |
配給 |
松竹 Netflix |
公開 |
2021年7月22日 2020年7月25日(上海国際映画祭) |
上映時間 | 87分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
『サイダーのように言葉が湧き上がる』(サイダーのようにことばがわきあがる)は、日本の長編アニメーション映画[1]。アニメ音楽レーベル「フライングドッグ」の設立10周年記念作品[1]。第25回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査委員会推薦作品[2]。
概要
何の特徴もないショッピングモールで出逢った、人と付き合うのが苦手な俳句少年・チェリーとコンプレックスをマスクで隠す少女・スマイルが言葉と音楽で距離を縮めていく姿を描く[1]。
監督は本作がアニメ映画初監督となるイシグロキョウヘイ[1]。主人公のチェリーの声を歌舞伎俳優の市川染五郎、ヒロイン役のスマイルの声を女優の杉咲花が務める[1]。なお、市川染五郎は初映画、初主演での声優初挑戦となる[1]。
当初は2020年5月15日に公開予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大により、公開を延期した[3]。その後、続報はなかったが、同年11月4日に2021年6月25日に公開すると発表され[4]、2021年7月6日の特別試写会を経て[5]、最終的には2021年7月22日に公開されることが発表された[6]。
あらすじ
地方都市「小田市[7]」に暮らしている少年と少女の物語。
人との会話が苦手で、他人から話しかけられないようにとヘッドホンをいつも身に付けている男子高校生「チェリー」[8]。チェリーは言葉に表わせない感情や想いを、趣味で親しんでいる俳句に乗せて書き綴っていた。
一方で、コンプレックスから歯科矯正中の大きな前歯を隠すため、いつもマスクをしている女子高校生の「スマイル」[8]。スマイルはライブ配信を手がける人気ライバーで、日頃から目に留まった「カワイイ」を見つけて配信しながら過ごしていた。
趣味の俳句以外では思い浮かんだ心情を表現できないチェリーと、見た目のコンプレックスをどうしても受け入れることのできないスマイルは、地元「小田市」の大型ショッピングモールで偶然から出会う。互いにコンプレックスを抱えたふたりは、ライバーである少女スマイルの配信を通じて少しずつお互いを知るようになり、距離を縮めていった。
ふたりはショッピングモールにある福祉施設で一緒にアルバイトをするようになり、施設の利用者「フジヤマ」が、むかし失ってしまったという想い出の「レコード」を探すのを手伝う。やがてふたりはレコードの正体を突き止め、フジヤマが探していた理由に触れるとともに、スマイルは少しずつ自分のコンプレックスを受け入れていく。一方、チェリーにはある予定があったが、それをスマイルに話し出せないでいた。
登場人物
- チェリー
- 声 - 市川染五郎
- 人とのコミュニケーションが苦手な少年。17歳。本名は 佐倉 結以(さくら ゆい)。
- 他人から話しかけられないように常にヘッドホンをつけている。コミュニケーションが苦手な分、自分の思いを趣味である俳句に乗せてSNSにアップしていた。
- 母親の代わりに福祉施設「陽だまり」でアルバイトをしている。
- スマイル
- 声 - 杉咲花
- 現役JKキュリオス。16歳。本名は 星野 ユキ(ほしの ユキ)。
- “カワイイ”をコンセプトにした動画を「キュリオ・ライブ」で配信し人気を得ている。元々は「スマイル・フォー・ミー」という名で三姉妹で配信をしていたが、現在はソロで活動している。矯正中の前歯を隠すためにいつもマスクをつけている。途中から「陽だまり」のアルバイトを手伝うようになる。
- ビーバー
- 声 - 潘めぐみ[9]
- チェリーの友人。金髪の刈り上げと小麦色の肌、青い瞳が特徴。
- 小学6年生で、大のいたずら好き。メキシコと日本のハーフで、日本語は話せるが書けない。ただしチェリーの俳句を「見たまま」にあちこちにタギングしている。
- ジャパン
- 声 - 花江夏樹[9]
- チェリーの友人。
- アイドルオタク。特に天及川ヒカル(通称 ヒカルン)の大ファン。
- タフボーイ
- 声 - 梅原裕一郎[9]
- チェリーの知人。名前は 靖幸(やすゆき)。
- 見た目に寄らず、素直な性格。あき子に想いを寄せているが、当のあき子は「タフボーイってダサいよね」と小説で回想している。
- ジュリ
- 声 - 中島愛[9]
- スマイルの姉。18歳。くせっ毛と大きなメガネが特徴。
- 三姉妹の長女。マイペースな性格だが、妹たちのことをとても大切に思っている。ブランド等のファッションに詳しい。
- マリ
- 声 - 諸星すみれ[9]
- スマイルの妹。中学三年生。2つのお団子頭が特徴。
- 少しあどけなさが残る三姉妹の末っ子。ネットゲームが好き。
- 紘一
- 声 - 神谷浩史[10]
- チェリーの父。息子に自分の使っていた季語集を貸している。
- まりあ
- 声 - 坂本真綾[10]
- チェリーの母。ぎっくり腰で「陽だまり」のパートに行けなくなったため、チェリーに代わってもらっている。
- フジヤマ
- 声 - 山寺宏一[9]
- チェリーの俳句の師匠で、福祉施設の利用者の一人。
- 想い出のレコードを探し続けており、いつもその空のジャケットを手にしている。
- 藤山つばき
- 声 - 井上喜久子[11]
- 想い出のレコードを探しているフジヤマの娘。
スタッフ
- 原作:フライングドッグ
- 監督・脚本・演出:イシグロキョウヘイ
- 脚本:佐藤大
- キャラクターデザイン・総作画監督:愛敬由紀子
- 音楽:牛尾憲輔
- 主題歌:never young beach「サイダーのように言葉が湧き上がる」[10]
- 劇中歌:大貫妙子「YAMAZAKURA」[12]
- 演出:山城智恵
- 作画監督:金田尚美、エロール・セドリック、西村郁、渡部由紀子、辻智子、洪熙昌、小磯由佳、吉田南
- 原画:森川聡子
- プロップデザイン:小磯由佳、愛敬由紀子
- 色彩設計:大塚眞純
- 美術設定・レイアウト監修:木村雅広
- 美術監督:中村千恵子
- 3DCG監督:塚本倫基
- 撮影監督:棚田耕平、関谷能弘
- 音響監督:明田川仁
- アニメーションプロデューサー:小川拓也
- 俳句監修:黒瀬珂瀾
- 配給:松竹
- アニメーション制作:シグナル・エムディ、サブリメイション
- 製作:『サイダーのように言葉が湧き上がる』製作委員会
漫画
おおのいもによるコミカライズが、2019年11月27日発売の『月刊コミックアライブ』(KADOKAWA(メディアファクトリーブランド))2020年1月号から[13][14]、2021年5月号まで先行連載された[15]。
- フライングドッグ(原作)・おおのいも(漫画)・スタジオ心(背景協力)『サイダーのように言葉が湧き上がる』KADOKAWA〈MFコミックスアライブシリーズ〉、全3巻
- 2020年4月23日発売[16][17]、ISBN 978-4-04-064652-7
- 2021年7月21日発売[18]、ISBN 978-4-04-064960-3
- 2021年7月21日発売[19]、ISBN 978-4-04-680472-3
小説
監督のイシグロキョウヘイによるノベライズが2020年4月24日に発売[20]。ノベライズでは映画に登場しない場面も描かれている[20]。
- 著者:イシグロ キョウヘイ『小説 サイダーのように言葉が湧き上がる』KADOKAWA、ISBN 978-4-04-109140-1
脚注
- ^ a b c d e f “市川染五郎×杉咲花が声優に 劇場オリジナルアニメ『サイダーのように言葉が湧き上がる』公開決定”. Real Sound (株式会社blueprint). (2019年12月23日) 2019年12月24日閲覧。
- ^ アニメーション部門 - 第25回文化庁メディア芸術祭(2022年3月15日閲覧)
- ^ “アニメ映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』公開延期”. Yahoo!. (2020年4月14日) 2020年4月14日閲覧。
- ^ “劇場版オリジナルアニメ『サイダーのように言葉が湧き上がる』公式サイト”. 劇場版オリジナルアニメ『サイダーのように言葉が湧き上がる』公式サイト. 2020年11月4日閲覧。
- ^ https://archive.ph/6wANz
- ^ “サイダーのように言葉が湧き上がる:7月22日公開 イシグロキョウヘイ監督、佐藤大脚本の劇場版アニメ”. MANTANWEB (株式会社MANTAN). (2021年3月27日) 2021年3月27日閲覧。
- ^ モデルは群馬県高崎市。
- ^ a b ただし、実際に学校に通っている場面は描かれない。
- ^ a b c d e f “市川染五郎×杉咲花「サイコト」に山寺宏一、潘めぐみ、花江夏樹、梅原裕一郎ら”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2020年2月6日) 2020年2月7日閲覧。
- ^ a b c “サイダーのように言葉が湧き上がる:劇場版アニメの声優に神谷浩史、坂本真綾 主題歌は「never young beach」 大貫妙子が劇中歌担当”. MANTANWEB (株式会社MANTAN). (2020年2月25日) 2020年2月26日閲覧。
- ^ “サイダーのように言葉が湧き上がる:17歳が主人公の劇場版アニメに井上喜久子参戦 「誰でもこころは17歳!!」”. MANTANWEB (株式会社MANTAN). (2020年2月17日) 2020年2月17日閲覧。
- ^ “アニメ映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』シンガーソングライター・大貫妙子さん書き下ろし劇中歌「YAMAZAKURA」のスペシャルPV公開!”. アニメイトタイムズ (アニメイト). (2021年7月14日) 2022年3月18日閲覧。
- ^ “コミックアライブ 2020年1月号(バックナンバー)”. 月刊コミックアライブ オフィシャルサイト (KADOKAWA) 2020年1月10日閲覧。
- ^ “アライブで「アキトはカードを引くようです」などコミカライズ4本が一挙始動”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年11月27日) 2021年7月21日閲覧。
- ^ “「はたらく魔王さま!」著者の吸血鬼ファンタジーがマンガ化、アライブで開幕”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年3月27日) 2021年7月21日閲覧。
- ^ “「サイダーのように言葉が湧き上がる」甘く弾ける青春グラフィティ、マンガ版1巻”. コミックナタリー (ナターシャ). (2020年4月23日) 2021年7月21日閲覧。
- ^ “「サイダーのように言葉が湧き上がる 1」おおのいも MFコミックスアライブシリーズ”. KADOKAWA. 2021年7月21日閲覧。
- ^ “「サイダーのように言葉が湧き上がる 2」おおのいも MFコミックスアライブシリーズ”. KADOKAWA. 2021年7月21日閲覧。
- ^ “「サイダーのように言葉が湧き上がる 3」おおのいも MFコミックスアライブシリーズ”. KADOKAWA. 2021年7月21日閲覧。
- ^ a b “「小説 サイダーのように言葉が湧き上がる」イシグロキョウヘイ 角川文庫”. KADOKAWA. 2021年7月21日閲覧。
外部リンク
- 劇場版オリジナルアニメ『サイダーのように言葉が湧き上がる』公式サイト
- 劇場アニメ『サイダーのように言葉が湧き上がる』公式 (@CiderKotoba) - X(旧Twitter)