インフィニティ・Q50

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Q50

Q50は、日産自動車高級車部門であるインフィニティによって製造・販売される高級乗用車である。

概要

Q50
フロント
リア
概要
製造国 日本の旗 日本
販売期間 2013年-
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
駆動方式 FR/4WD
パワートレイン
エンジン VQ37VHR 3.7L V6
VQ35HR 3.5L V6 ハイブリッド
OM651 2.2L L4 ターボディーゼル
274930→274A(M274)2.0L L4ターボ
VR30DDTT 3.0L V6 ツインターボ
変速機 7AT
6MT
車両寸法
ホイールベース 2,850mm
2,890mm (Q50L)
全長 4,785mm
4,850mm (Q50L)
全幅 1,825mm
全高 1,445mm
系譜
先代 インフィニティ・G
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従来、4世代にわたり販売されていたインフィニティ・G (Q40)の後継車にあたる。新ネーミング戦略に伴い今モデルより、セダン(Q50)・クーペ(Q60)とで異なる車名を採用することになった。

2013年1月の北米国際オートショーワールドプレミア[1]。続いて、同年3月のジュネーブモーターショー、同年4月の上海モーターショーでも公開されたが、前者では欧州市場専用のディーゼルエンジン搭載車[2][3]、後者では実車の発表のほか、中国市場専用のロングホイールベース仕様(英菲尼迪Q50L)を投入する予定があることも発表。後者は数ある出品車の中からもっとも魅力的なモデルとして「ベスト・チャイニーズ・プレミア賞」を受賞している[4]。尚、Q50Lは栃木工場ではなく、東風日産襄陽工場で生産される。

パワーユニットはGセダンからキャリーオーバーされるVQ37VHRに加え、フーガハイブリッドM35hで採用済のVQ35HRにモーターを加えた1モーター2クラッチ方式のハイブリッドメルセデス・ベンツと共同開発した新設計の直4・2.2LターボディーゼルOM651、メルセデス・ベンツ主導開発で日産がチューニングを施した直4・2.0L直噴ターボのM274(274930→274A)を各市場に応じて用意。2.2Lディーゼルエンジンと2.0L直噴ターボエンジンは、ルノー=日産アライアンスとダイムラーとのアライアンスの2例目の成果となる(最初の成果はルノー・カングーをベースとしたメルセデス・ベンツ・シタン)。

尚、OM651ディーゼルエンジン搭載車両は尿素SCRシステムを搭載する関係上、トランクの高さ方向が狭まり、容量が著しく減る。

2016年半ばに新開発のV6 3.0L直噴ツインターボのVR30DDTTエンジンを搭載したグレードを追加。

2019年、日本国内でもインパルを通して販売を開始。ベースは北米仕様車で灯火類などを国内の法規に合わせての販売となる。

歴史

2013年5月14日、栃木工場でオフライン式を開催。同年夏の米国を皮切りに、欧州、中国などグローバルに発売を開始する予定と発表した[5]

2013年8月5日、アメリカ合衆国で発売開始。なお、インフィニティUSAは同時にG37セダンも2015年半ばまで販売を続けると発表した[6]

2013年11月11日、日本でV37型 日産・スカイラインとして発表された。外観上の違いはリヤにインフィニティマークとQ50のロゴが付かず、ガーニッシュ上に「SKYLINE」のロゴが配される程度、内装はステアリング位置が右側になり、メーターレイアウトが若干異なる以外は、ほぼ同じである。2015年12月の一部仕様向上で[7]リア側にもインフィニティマークが装着されるようになった。なお、スカイラインは発売当初はVQ35HR+モーターを採用した1モーター2クラッチ方式の「ハイブリッド」のみだったが、2014年5月26日に直4・2.0L直噴ターボモデルの追加を発表し、6月5日から販売された[8]。なお、日本向けにはディーゼルエンジンモデルは設定されていない。

2014年12月22日、韓国にて「韓国カー・オブ・ザ・イヤー2015」を受賞。日本車の受賞は、一昨年のトヨタ・カムリに続いて2度目[9]

2016年9月、パリモーターショーにて様々な改良が施された2017年モデルが発表された。

2019年7月、日本仕様であるスカイラインが大幅改良を機に日産ブランドに回帰したため、外観面で再び袂を分かつことになった。

グレード展開

2016年6月現在、世界の様々な国で販売されるが、ここでは欧米主要国ならびにアジア/オセアニア市場で用意されているグレード(装備レベル)一覧を掲載。参考として、日本市場のみで販売される日産・スカイラインのグレード一覧も併記している。

販売国

グレード
アメリカ カナダ フランス ドイツ ロシア オーストラリア 韓国 日本
(スカイライン)
Q50 3.7/3.7 AWD Q50 3.7/3.7 AWD Q50 2.2D 6MT Q50 2.2D 6MT Q50 2.0 RWD Base Q50 2.0t GT Q50 2.2d Premium 200 GT-t
Q50 3.7 PREMIUM/3.7 AWD PREMIUM Q50 3.7 SPORT/3.7 SPORT AWD Q50 2.2D 7AT Q50 2.2D 7AT Q50 2.0 RWD Elegance/2.0 RWD Elegance +Navi Q50 2.0t S Q50 2.2d Exclusive 200GT-t タイプP
Q50S 3.7/3.7 AWD Q50 HYBRID AWD Q50 2.0T BVA Q50 2.0T AT Q50 2.0 RWD Premium/2.0 RWD Premium +Navi Q50 2.0t S Premium Q50S Hybrid 200GT-t タイプSP
Q50 HYBRID PREMIUM/HYBRID AWD PREMIUM Q50 HYBRID Q50 HYBRID AWD Q50 2.0 RWD Elite Q50 2.2d GT 350GT HYBRID/350GT FOUR HYBRID
Q50S HYBRID Q50 HYBRID AWD Q50 HYBRID Q50 2.0 RWD GT Q50 2.2d S 350GT HYBRID タイプP/350GT FOUR HYBRID タイプP
Q50 2.0 RWD Hi-Tech/Hi-Tech+ Q50 2.2d S Premium 350GT HYBRID タイプSP/350GT FOUR HYBRID タイプSP
Q50 3.5 HEV Sport/3.5 HEV Sport +Navi Q50 3.5 Hybrid S
Q50 3.5 HEV Hi-Tech Q50 3.5 Hybrid S Premium
Q50 3.5 HEV AWD Hi-Tech+

モータースポーツ

NGTC規定のBTCC(イギリスツーリングカー選手権)において、インディペンデント(独立系)チームのレーザー・ツールズ・レーシングが運用している。

非ワークスながら2020・2021年にアシュリー・サットンがドライバーズチャンピオンを獲得した。

脚注

  1. ^ 【デトロイトモーターショー13】インフィニティ Q50…スカイライン 後継が登場”. Response. (2013年1月22日). 2013年5月25日閲覧。
  2. ^ 【ジュネーブモーターショー13】インフィニティ Q50 ディーゼルを初公開”. Response. (2013年3月5日). 2013年5月25日閲覧。
  3. ^ のちに韓国市場にも投入されたため、欧州市場専用ではなくなった。
  4. ^ 【上海モーターショー13】日産 スカイライン 後継、インフィニティ Q50…ベスト中国プレミア賞に輝く”. Response. (2013年5月2日). 2013年5月25日閲覧。
  5. ^ 日産自動車、栃木工場で「インフィニティQ50」を生産開始”. 日産自動車グローバルサイト (2013年5月14日). 2013年5月25日閲覧。
  6. ^ Infiniti Continues Production of G37 Sedan – Will Be Sold Alongside the All-New 2014 Q50 Premium Sedan”. InfinitiNews.com (2013年8月5日). 2013年8月5日閲覧。
  7. ^ "「フーガ」、「スカイライン」の特別仕様車「クール エクスクルーシブ」を発売 併せて一部仕様を向上" (Press release). 日産自動車. 21 December 2015. 2015年12月21日閲覧
  8. ^ "「スカイライン」に、ターボチャージャー付2.0Lガソリンエンジンを追加" (Press release). 日産自動車. 26 May 2014.
  9. ^ “한국자동차전문기자협회, 올해의 차 ‘인피니티 Q50’ 선정(邦題:韓国自動車専門記者協会、今年の韓国カー・オブ・ザ・イヤーにインフィニティQ50を選定)”. dong auto. (2014年12月23日). http://car.donga.com/topPhoto/3/all/20141223/68730883/1 2015年1月7日閲覧。 

関連項目


外部リンク