くるみ割り人形 (1979年の映画)
『くるみ割り人形』(くるみわりにんぎょう)は、1979年3月3日に公開されたサンリオ製作の人形アニメーション映画。
ホフマンの童話『くるみ割り人形とねずみの王様』とチャイコフスキー作曲のバレエ『くるみ割り人形』を元に、辻信太郎が脚色したオリジナルストーリーである。
当時のネガフィルムをデジタルスキャンし、新たな編集や画像処理をした同タイトルの映画が、2014年11月29日より公開された[1]。詳細は、くるみ割り人形 (2014年の映画)を参照。
ストーリー
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
時は19世紀ドイツ。シュタールバウム家の一人娘・クララは遠縁である人形師・ドロッセルマイヤーから「くるみ割り人形」をもらったことにより、不思議な出来事に巻き込まれる。
兄フリックが三年ぶりに帰宅する前の晩、眠りについたクララはネズミの一団に襲われるが、動き出したくるみ割り人形が撃退する。翌朝、くるみ割り人形は消えていた。人形を捜すうちに自室の時計の中に入り込んだクララは、気がつくと「人形の国」に来ていた。
彼女が迷い込んだ「人形の国」で出会ったのは自分と瓜二つの王女・マリーだった。件のマリーは二つ頭の白ネズミの女王・マウゼリンクス夫人の呪いにより、醜いネズミの姿にされたうえ、1年以上も眠ったままでいた。しかし、呪いを解く方法は今でも見つからないまま。マルチパン城のフランツ王子は呪いを解こうと各界の学者を呼び寄せるが、有効な策は出ない。
クララは何とかしてマリーにかけられた呪いを解く方法を見つけようと決意し、夜の街で出会った謎の老婆から教えられた占い師の元を訪ねる。占い師は「クラカトークのクルミ」を「真珠の剣」で砕くことで呪いが解けると言い、所蔵していた「真珠の剣」をクララに渡す。クララはフランツに「真珠の剣」を渡し、フランツはおもちゃの兵隊を率いて戦いに挑む。フランツは見事マウゼリンクス夫人を倒し、「クラカトークのクルミ」を砕くが、マウゼリンクス夫人の死ぬ間際の呪いでくるみ割り人形にされてしまう。それはクララのもらったくるみ割り人形だった。
人間に戻ったマリーはくるみ割り人形になったフランツには見向きもしない。クララの訴えも通じず、一人森をさまようクララは、時計屋の老人と出会う。フランツの呪いを解く方法を尋ねるクララに老人は「本当の愛がこの人形に注がれたとき呪いが解ける」と言う。いつしか眠り込んだクララは、夢の中でフランツの城に招かれ、楽しい時を過ごす。目を覚ますと、マウゼリンクス夫人の息子、シュヌルルがくるみ割り人形を奪い取り、壊そうとしていた。クララは「代わりに私をバラバラにして」とシュヌルルに立ちはだかる。シュヌルルはクララの胸を剣で突く。そのクララの思いに答えるように、クルミ割り人形はフランツの姿に戻っていった。
気がつくと、クララは自室のベットの中だった。帰宅したフリックは、フランツとうり二つの青年になっており、クララに花束を渡しながら「マルチパン城の王女様にぴったりだよ」とささやいた。
原作
スタッフ
- 企画:辻信太郎、清水浩二、中村武雄
- 脚本:辻信太郎
- 人形デザイン:小室一郎、宮本貞雄、田沢梨枝子
- 美術設定:鏑木昌弥、山下宏
- 設定協力:宮本貞雄、平田敏夫、波多正美
- アニメーション:真賀里文子、中村武雄
- 作・編曲:羽田健太郎、若月明人
- 作詞:寺山修司
- 演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
- プロデューサー:富岡厚司
- 監督:中村武雄
キャスト
- 声の出演
- クララ:杉田かおる
- フランツ、フリッツ:志垣太郎
- 婆や:夏川静枝
- ドロッセルマイヤー、不思議婆さん、森の人形使い、時計商人:西村晃
- 皇帝:益田喜頓
- マリー:上原ゆかり
- 侍従長:太宰久雄
- オランダ風名士:玉置宏
- 文学博士:長門裕之
- フランス風名士:藤村有弘
- ロシア風名士:大橋巨泉
- 中国風名士:坂上二郎
- 死刑執行人:愛川欽也
- プロシア風名士:伊藤一葉
- 詩人:森山周一郎
- イギリス風名士:牧伸二
- インド風名士:藤村俊二
- ジプシー占い:北浜晴子
- マウゼリンクス夫人:一の宮あつ子
- シュヌルル:山田隆夫
- ふとっちょネズミ:岸部シロー
- 出演
- 特別出演
歌
関連項目
脚注
- ^ 市村正親、吉田鋼太郎、安蘭けいらも参加 サンリオ人形アニメ「くるみ割り人形」ボイスキャストが発表に(シアターガイド、2014年8月6日)