EMD GP40形ベースの旅客型ディーゼル機関車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

アメリカGM-EMDが製造した4動軸の電気式ディーゼル機関車であるEMD GP40形は、貨物列車牽引を主眼として製造された。しかしながら、GP40形を基本として、旅客列車を牽引するために暖房用機器等を搭載したバージョンがいくつか存在する。それらには共通点が多いので、本項では、それらをまとめて述べる。

目次

GP40P-2形 [編集]

アメリカのサザン・パシフィック鉄道(SP)が3両発注し、サンフランシスコの通勤列車で使用した。メインエンジンは3000馬力(2200キロワット)のEMD 16-645E3。SPが通勤列車事業から撤退した後、これらの機関車は貨物列車牽引に充当された。のちに2両がユニオン・パシフィック鉄道(UP)に、1両がインディアナ・ハーバー・ベルト鉄道へと引き継がれた。

GP40TC形、GP38-H3形 [編集]

カナダのゴー・トランジットが、トロントオンタリオ間で使用するために製造した機関車であり、形式名の「TC」は「トロント・コミューター(Toronto Commuter)」、つまり「トロントの通勤列車」を意味する。メインエンジンは16-645E3。575ボルトのHEP(ヘッドエンドパワー;Head End power、すなわち旅客サービス用電源を供給するためのエンジン発電機)を搭載していた。のちにEMD F59PH形ディーゼル機関車に置き換えられ、アムトラックへと売却された。

アムトラックでは発電セットが480ボルトのものに交換され、シカゴ近郊の軽量列車の牽引に使用された。近年では、保線作業に使用されたり、メインエンジンを2000馬力(1500キロワット)の16-645Eに換装したうえでノーフォーク・サザン鉄道によりGP38-H3形へと改造されている。

GP40P形、GP40PH形 [編集]

GP40P形のほとんどは、SD45形のような、張り出した形のフレア・サイド・ラジエタを装備している。メインエンジンは16-645E3。ニュー・ジャージー・セントラル鉄道(CNJ)のロードナンバー3671〜3683として1968年に製造されたものを、ニュージャージー州交通局(NJDOT)が購入した。CNJはラリタン・バレー線やノース・ジャージー・コースト線で使用した。

CNJは1976年コンレールに吸収合併されたのち、1983年にはニュージャージー・トランジットが旅客輸送を開始した。それからまもなく、フードの長い側のHEPを蒸気発生装置に交換し、GP40PH形となった。1991年から1992年にかけて、さらにGP40PH-2形(後述)へと改造された。

GP40PH-2形、GP40PH-2A形、GP40PH-2B形 [編集]

プレインフィールド駅にて。NJ T GP40PH-2A 4147

ニュージャージー・トランジットは、CNJから引き継いだGP40PH形を、1両(ロードナンバー4101)を除いてGP40PH-2形へと改造した。ニューアーク・ディビジョンでの運行に制限され、とりわけホーボーケン・ディビジョン内で使用された。

1999年までは、本形式が唯一、「スピード・エンフォースメント・システム」と呼ばれる車内信号システムを装備していたため、それを必要とするパスカック・バレー線にてしばしば使用されていた。現在では主としてホーボーケン・ディビジョンで見ることができる。

ニュージャージー・トランジットは、のちにさらに2両のGP40PH-2形を導入した。この2両は前述のロットと異なり、貨物用のGP40形を改造したものである。最初のオーダーはGP40PH-2A形とされ、1993年に6両がロードナンバー4145〜4150として完成した。改造したのはモリソン・ヌードセンである。4148号は、のちにGP40PH-2Bに再改造された。

2回目のオーダーはGP40PH-2B形とされ、1993年1994年の間に19両がコンレールにて改造された。種車はペン・セントラル鉄道のロードナンバー4200〜4218である。また、前述のとおり、4148号は事故からの復旧の際にGP40PH-2Bへと改造され、同時に4219号となった。1997年のことであった。

メトロ・ノース鉄道は、1両だけGP40PH-2を4190号として導入した。これは正式にはGP40PH-2M形といい、1992年にコンレールにてリビルドされたものである。

GP40FH-2形 [編集]

メトロ・ノース GP40FH-2 4188 ニュージャージー州ドーバーにて
メトロ・ノース GP40FH-2 4905 (ex-4189) ニュージャージー州セコーカスにて

1987年、ニュージャージー・トランジットとメトロ・ノースはモリソン・ヌードセンにGP40FH-2形を発注した。これはGP40形のフレームと運転室に、バーリントン・ノーザン鉄道EMD F45形ディーゼル機関車で使用されていたカウルを装着したものである。合計21両が改造され、15両が4130〜4144号としてニュージャージー・トランジットに、残る6両が4184〜4189号としてメトロ・ノースに納められた。

ニュージャージー・トランジットの21両は、アルストム製のPL42AC形に置き換えられる予定である。4130〜4134号はモーティブ・パワー・インダストリーズ(現Wabtec)へと送られ、スイッチャーに改造された。メトロ・ノースは更新工事に取りかかっており、4184〜4189号は4900〜4905号に付番しなおされている。

GP40WH-2形 [編集]

MARC GP40WH-2 #52。メリーランド州ボルチモアカムデン駅にて

1990年代初頭、モリソン・ヌードセンはMARCから「GP40形をGP40FH-2形に改造した際の余ったパーツでGP40形を作れないか」という相談を受け、その要望に従って製造したのがGP40WH-2形である。初期のアムトラックのディーゼル機関車のように、前頭部を赤く塗装している。

後部のフードの内部にはSD45形SD40M形にリビルドした際に生じたラジエター関連部品が収納されている。これらの機関車は、ディッチライト(交互点滅するライト)装備が必須となる以前にオーダーされたため、トランス・ライト社(TRANS-LITE,INC)のジャイラライト(Gyralite、光軸が円を描くライトの商品名。右写真のナンバーボード間<ふたつある「52」という数字の間>にある縦2灯のライト)の型番20585番[1]を装備している。アメリカ鉄道局(FRA)はMARKを「トライアングル・ルール(ヘッドライト1個を上部に、ディッチライトを下部に2個取り付け、点灯時に三角形と見えるようにすること)」からは除外した。また、ノーザン・エアチャイムのK5LAR3形の汽笛を雪覆いのカバーとともに装備した。ほとんどの機関車ではこのカバーが撤去されたが、取り付けリングが残っている。これらの機関車は、MARCにて51〜69号として使用された。

GP39H-2形 [編集]

1980年代後半、モリソン・ヌードセンは6両のGP40形をMARCのためにリビルドし、70〜75号とした。ディーゼルエンジンを16気筒3000馬力から12気筒2300馬力のものに換装し、カミンズのHEPを搭載した。73号は1996年2月16日アムトラックの列車と衝突事故を起こした286列車を押していた機関車である。のちにアンチクライマー上にディッチ・ライトを装備し、1990年代になると、反射テープをアンチクライマーに取り付けた。

GP40MC形 [編集]

マサチューセッツ湾交通局(MBTA)が所有しているのが本形式である。元をただせばカナディアン・ナショナル鉄道用に製造されたGP40-2W形であり、1997年に25両がAMFによって改造された。改造内容は、HEP装備、フレアード・ラジエタの装備、デスクトップ・キャブへの変更、機関士側(正面から見て左側)中央にステップを設けたことなどである。

本形式は、MBTAの路線のうち北側と南側で見ることができるが、コンピュータに不調になるトラブルに悩まされている。このトラブルは本形式に起因するものではなく、カナディアン・ナショナル鉄道で貨物列車を牽いていたころからあるものである。

脚注 [編集]

  1. ^ [1]

外部リンク [編集]

関連項目 [編集]