EMD GP40形ベースの旅客型ディーゼル機関車

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アメリカGM-EMDが製造した4動軸の電気式ディーゼル機関車であるEMD GP40は、貨物列車牽引を主眼として製造された。しかしながら、GP40を基本として旅客列車を牽引するために暖房用機器等を搭載したバージョンがいくつか存在する。それらには共通点が多いので、本項ではそれらをまとめて述べる。

GP40P-2[編集]

アメリカのサザン・パシフィック鉄道(SP)が3両発注し、サンフランシスコの通勤列車で使用した。メインエンジンは3000馬力(2200キロワット)のEMD 16-645E3。SPが通勤列車事業から撤退した後、これらの機関車は貨物列車牽引に充当された。のちに2両がユニオン・パシフィック鉄道(UP)に、1両がインディアナ・ハーバー・ベルト鉄道へと引き継がれた。

GP40TC・GP38-H3[編集]

カナダのゴー・トランジットが、トロント - オンタリオ間で使用するために製造した機関車であり、形式名の「TC」は「トロント・コミューター(Toronto Commuter、トロントの通勤列車)」を意味する。メインエンジンは16-645E3。575ボルトのHEP(ヘッドエンドパワー;Head End power、すなわち旅客サービス用電源を供給するためのエンジン発電機)を搭載していた。のちにF59PHに置き換えられ、アムトラックへと売却された。

アムトラックでは発電セットが480ボルトのものに交換され、シカゴ近郊の軽量列車の牽引に使用された。近年では、保線作業に使用されたり、メインエンジンを2000馬力(1500キロワット)の16-645Eに換装したうえでノーフォーク・サザン鉄道によりGP38-H3へと改造されている。

GP40P・GP40PH[編集]

GP40PのほとんどはSD45のような張り出した形のフレア・サイド・ラジエタを装備している。メインエンジンは16-645E3。ニュー・ジャージー・セントラル鉄道(CNJ)のロードナンバー3671〜3683として1968年に製造されたものをニュージャージー州交通局(NJDOT)が購入した。CNJはラリタン・バレー線やノース・ジャージー・コースト線で使用した。

CNJは1976年コンレールに吸収合併されたのち、1983年にはニュージャージー・トランジットが旅客輸送を開始した。それからまもなくフードの長い側のHEPを蒸気発生装置に交換し、GP40PHとなった。1991年から1992年にかけてさらにGP40PH-2(後述)へと改造された。

GP40PH-2・GP40PH-2A・GP40PH-2B[編集]

プレインフィールド駅にて。NJ T GP40PH-2A 4147

ニュージャージー・トランジットは、CNJから引き継いだGP40PHを、1両(ロードナンバー4101)を除いてGP40PH-2へと改造した。ニューアーク・ディビジョンでの運行に制限され、とりわけホーボーケン・ディビジョン内で使用された。

1999年までは、本形式が唯一「スピード・エンフォースメント・システム」と呼ばれる車内信号システムを装備していたため、それを必要とするパスカック・バレー線にてしばしば使用されていた。現在では主としてホーボーケン・ディビジョンで見ることができる。

ニュージャージー・トランジットは、のちにさらに2両のGP40PH-2を導入した。この2両は前述のロットと異なり、貨物用のGP40を改造したものである。最初のオーダーはGP40PH-2Aとされ、1993年に6両がロードナンバー4145〜4150として完成した。改造したのはモリソン・ヌードセンである。4148号は、のちにGP40PH-2Bに再改造された。

2回目のオーダーはGP40PH-2Bとされ、1993年1994年の間に19両がコンレールにて改造された。種車はペン・セントラル鉄道のロードナンバー4200〜4218である。また、前述のとおり、4148号は事故からの復旧の際にGP40PH-2Bへと改造され、同時に4219号となった。1997年のことであった。

メトロノース鉄道は、1両だけGP40PH-2を4190号として導入した。これは正式にはGP40PH-2Mといい、1992年にコンレールにてリビルドされたものである。

GP40FH-2[編集]

メトロノース鉄道 GP40FH-2 4188 ニュージャージー州ドーバーにて
メトロノース鉄道 GP40FH-2 4905 (ex-4189) ニュージャージー州セコーカスにて

1987年、ニュージャージー・トランジットとメトロノース鉄道はモリソン・ヌードセンにGP40FH-2を発注した。これはGP40のフレームと運転室に、バーリントン・ノーザン鉄道F45で使用されていたカウルを装着したものである。合計21両が改造され、15両が4130〜4144号としてニュージャージー・トランジットに、残る6両が4184〜4189号としてメトロノースに納められた。

ニュージャージー・トランジットの21両は、アルストム製のPL42ACに置き換えられる予定である。4130〜4134号はモーティブ・パワー・インダストリーズ(現Wabtec)へと送られ、スイッチャーに改造された。メトロノース鉄道は更新工事に取りかかっており、4184〜4189号は4900〜4905号に付番しなおされている。

GP40WH-2[編集]

MARC GP40WH-2 #52。メリーランド州ボルチモアカムデン駅にて

1990年代初頭、モリソン・ヌードセンはMARCから「GP40をGP40FH-2に改造した際の余ったパーツでGP40を作れないか」という相談を受け、その要望に従って製造したのがGP40WH-2である。初期のアムトラックのディーゼル機関車のように、前頭部を赤く塗装している。

後部のフードの内部にはSD45SD40Mにリビルドした際に生じたラジエター関連部品が収納されている。これらの機関車は、ディッチライト(交互点滅するライト)装備が必須となる以前にオーダーされたため、トランス・ライト社(TRANS-LITE,INC)のジャイラライト(Gyralite、光軸が円を描くライトの商品名。右写真のナンバーボード間<ふたつある「52」という数字の間>にある縦2灯のライト)の型番20585番[1]を装備している。アメリカ鉄道局(FRA)はMARKを「トライアングル・ルール(ヘッドライト1個を上部に、ディッチライトを下部に2個取り付け、点灯時に三角形と見えるようにすること)」からは除外した。また、ノーザン・エアチャイムのK5LAR3形の汽笛を雪覆いのカバーとともに装備した。ほとんどの機関車ではこのカバーが撤去されたが、取り付けリングが残っている。これらの機関車は、MARCにて51〜69号として使用された。

GP39H-2[編集]

1980年代後半、モリソン・ヌードセンは6両のGP40をMARCのためにリビルドし、70〜75号とした。ディーゼルエンジンを16気筒3000馬力から12気筒2300馬力のものに換装し、カミンズのHEPを搭載した。73号は1996年2月16日アムトラックの列車と衝突事故を起こした286列車を押していた機関車である。のちにアンチクライマー上にディッチ・ライトを装備し、1990年代になると、反射テープをアンチクライマーに取り付けた。

GP40MC[編集]

マサチューセッツ湾交通局(MBTA)が所有しているのが本形式である。元をただせばカナディアン・ナショナル鉄道用に製造されたGP40-2Wであり、1997年に25両がAMFによって改造された。改造内容は、HEP装備、フレアード・ラジエタの装備、デスクトップ・キャブへの変更、機関士側(正面から見て左側)中央にステップを設けたことなどである。

本形式は、MBTAの路線のうち北側と南側で見ることができるが、コンピュータに不調になるトラブルに悩まされている。このトラブルは本形式に起因するものではなく、カナディアン・ナショナル鉄道で貨物列車を牽いていたころからあるものである。

脚注[編集]

  1. ^ [1]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]